22
まどろみの中で、俺は夢を見た。
俺がこなした『仕事』の標的達。ある者は血の溢れる腹を抑え、ある者は自分の首をかかえて俺を取り囲む。
折れた首を垂らして背中を向けているデン。
物置小屋の扉の陰から見た親父とお袋が斬られる光景。
トマス爺さんの背中から突き出した剣先。
俺が殺した者。俺が死なせたくなかった者。
『愛しき者よ、それは各々の命の書に書かれておる事』
以前ライラはそう云った事がある。その言葉が夢の中に響いた。
『命の書にある最後の日より先に命を落とした者をのみ、この身は悼む』
『何故だ?』
『その者らはこの身が手を差し伸べられぬからよ。冥界に安らぐことが出来ぬ』
そんな魂がラルヴァになるのか?それとも……
「……っ!?」
目が醒めた瞬間はね起きた。
素早く周囲の様子を確認する。
「大丈夫ですよ」
司祭見習がはね起きた俺に言う。
「……どれだけ眠っていた?」
「一時間ほどです」
……うたた寝のつもりだったんだがな。
ほんの数分のつもりが、深く寝てしまうとは。
首を振って眠気をとばし、頭をはっきりさせる。
横になった時と状況は変わっていない。
バースが焚き火から離れて扉の前に陣取り、外の様子を窺っていた。
薄暗い入口は外れた扉を立て掛けてラスの品物で押さえてある。狭い隙間から外を覗いてもろくに見えないだろうに。
と、バースが扉から離れ、音を立てないように戻って来た。
「来たぞ」
その声に女傭兵が寝ている三人を起こしにかかり、バース達は剣を片手に扉へ向かった。
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