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「誰だ!?」
バースが誰何の声を挙げる。と、同時に傭兵達が剣を抜いた。
入口の人影はそれに答えず、一歩足を踏み入れる。
「お、お待ち下さいバース様、戻ってこられた……あの方達はラス様が雇った護衛の方達です!」
年輩の使用人は立ち上がってバース達を止めると、入口まで駆けていく。
……戻った?
冒険者どもがか?
「あぁ!ありがたい!よく戻って下さいました!」
年輩の使用人が走り寄り、冒険者の肩を叩く。
「爺さん離れろ!」
俺が大声を挙げたが、遅かった。
「……っ!?な……なぜ……!?」
使用人の背中から血に濡れた剣先が突き抜けた。
膝から崩れる様に使用人が倒れていく。
「防御態勢!!」
バースの怒鳴り声に傭兵達が動く。
冒険者は全員で七人、傭兵達の倍近い。
次々に入口から入って来た連中の動きは……鈍い?
「バース!そいつらはラルヴァだ!」
「なんだと!?」
あの立哨よりとり憑いてから時間が経っているのだろう、動きは滑らかになっている。
もっとも、走れる程では無いらしい。
ラルヴァに憑かれた冒険者どもは、じりじりと間を詰めていく。
俺は死体置き場へ走った。
並べられた死体の中から傭兵のものを探す。手近な奴の腰から剣を拝借させてもらう。
「首を狙え!」
傭兵達に声を掛けながら横合いから斬りつけた。
一人の剣を持った手首を斬り落とす。得物を失ったところを女傭兵が首をはねる。
ラルヴァは賢いという訳じゃない。が、喰った脳の記憶をある程度覚える事が出来る。でないと獲物の身体を使えないからだ。
冒険者どもの成れの果てはかなり動ける様になってはいたが、連携して事に当たる真似までは出来ていない。
俺が次々に奴等の腕や首を落とし、傭兵達がとどめを差していった。
「これで……終わりの様だな」
女傭兵が冒険者の口から出てきたラルヴァを突き刺して言った。
犠牲者は年輩の使用人だけで……
「……糞が!」
落ち着け。
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