魔法は便利だなー
「さすがに、もう終わりみたいだな」
パチパチパチパチ
手を叩きながら会場に入ってくる、先生達。
「いやあ!さすがだね皆さん!まさかあのギガルティアモンキーを倒すとは!」
一人の男がこちらを向いて喋りかけてきた。
「キエイ先生、聞いてないですよ!アル君がいなければ私まで危ないところでした!」
生徒会長が先生に向って文句を言っている。
まぁそんな事だろうとは思ったけど。この勇者学園に簡単にモンスターが入ってこれるわけがないし、先生たちがすぐに来ないのはおかしい。
演習だと、はじめから分かっていた。ただ面白いとは思ったね。
「皆さん無事で結構!これは演習でした!人づてに聞いてる人もいたかもしれないけど、毎年入学式で行っています!後輩のためにも演習の事は秘密でお願いいたしますね!
この演習は、どんな場面でも取り乱さず、対処ができるかを訓練するものです。新入生だけでは不安なので生徒会長がまとめ役を務めてくださいました。生徒会長を模範として、その場をまとめ、被害を抑えられるようにこれからこの学園で学んでいきましょう!おつかれでした。これにて本当に入学式は終了です!
疲れたでしょうから、寮に戻り明日からの学園生活に備えてください。パンフレットはよく読んでおくように!解散!」
皆、戦闘の興奮も冷めやらぬまま、寮へと戻っていった。
「やっぱりアルはすごいね!あのギガルティアモンキー?を1撃だもん!」
「まあな、でもエミリ達がダメージを与えていたからってのもあるさ」
「えへへ、ありがとっ!ちゃんと成長してたでしょ!じゃあ、あとで部屋にいくね!」
「ああ、最上階の部屋だ。」
「ほんと!?すごいなあアルは。私は最上階の1個下だったよ。まだまだ頑張らなくちゃ!」
「ラティも一番上だったー!」
「ええ!?ラティちゃんも!?すごいなあ。私ってまだまだなんだ。」
「まあラティは才能あるし、俺と修行したからな。」
「いいなあ!私もあると修行したい!子供の時以来だね!」
「そうだな。エミリも才能あるし、どんどん強くなるだろうな。」
「うん!頑張るね!」
男子寮と女子寮は別なので俺はエミリ達と別れた。
あとで来るって言ってたけど男子寮に入れんのかな。ま、きてからでいいか。
男子寮に着いた俺は最上階の10階にエレベーターであがる。
俺、最上階は好きだけど、エレベーターで上がるっていうのが嫌なんだよな。あ、転移すればいいか。
わざわざ歩いちまった。でも散歩も悪くないか。学園生活はゆっくりすごそう。
部屋でくつろいでいたら夜になった。ソファーも質のいいものを使っているし、冷蔵庫には食材が入っていて、キッチンもいいものだった。これは勝手に補充されるのかな?
もちろんフロントに電話を掛ければ飯を持ってきてもらえる。お金は取られるが。なかなかいい値段してる。
試しに頼んでみるか。そうだな、この極上フルコースってのでいいか。
フロントに電話する。
「すいません、極上フルコースひとつ。部屋までお願いします。」
「かしこまりました。」
どのくらいかかるのかなー。フルコースだから結構待たされるのかね。高級料理は1品1品時間をかけて食べるイメージだ。
コンコン、と部屋がノックされた。えっ?もう?
「お待たせいたしました。極上フルコースの前菜と、スープでございます。」
なるほど、前菜とスープで時間を感じさせないという作戦か。
「メインってどのくらいで出来る?」
「すぐにメインをお持ちいたしますか?本日は、ギガオークのステーキ、特製ソースとトリュフ掛けでございます。」
「すぐ持ってこれるの?」
「はい」
「じゃあ持ってきて」
「かしこました。」
さぁ、どのくらいで来るかな。
「こちらでございます。」
外に出たと思ったらすぐに戻ってきた。あれ?もう出来てる?
「は、はやいな」
「もう少し後にいたしますか?」
「いや、それはいいんだが、なんでこんなに早いのかと思って。」
「はい、コースが注文された場合、食材をお部屋の前に持ってきて、その場で魔法料理人が調理いたします。魔法調理人は選りすぐりの人材を集めており、速さ、美味しさ、味の調和。すべてを管理しております。最上階の生徒様ですので、最優先で魔法調理人があてがわれます。」
「な、なるほど。わかった。全部持ってきていいよ。」
「かしこました。」
魔法調理人・・・そうか、魔法か。しかもめちゃくちゃうまい。
魔法は便利だなー。
食事をしていると、またノックの音が聞こえた。
ん?だれだ?もう外も暗いのに。
「「「アルー!遊びに来たよ!」」」
エミリ、ラティ、ミリス、ミスリールがやってきていた。




