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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
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攫われた神様

 ドロシーがいるはずの部屋に置き手紙が残されていた。

 それを読んだ政宗は、驚いたのか怖気づいたのかわからないが、手が産まれたての子鹿の様にプルプル震えていた。

『こ、これは……』

 そこには「この女を返してほしければ一人で来い」と、書いてあったのだ。

『……場所が書いてない!!』

 政宗は左右に腕を広げ手紙をビリッと破り捨てた。すると、窓をコンコンと誰かがノックした。

 そこには、息を切らせた黒い毛並みで鋭い牙と爪を持った二足歩行の狼、ワーウルフが居たのだった。

『すまん……場所……を……書き忘……れたから……急いで……来た。裏の……山の頂上で……待ってるから……』

 ワーウルフは相当疲れている様子で、まともに喋れていなかった。

『あ、ご丁寧にどうも』

 そう言って会釈をする政宗。

『じゃ……待ってるから……後でな……』

『おう、後でー』

 ワーウルフはそのまま去っていった。まるで友達同士みたいだったなと政宗は思った。

『ところで、どうやって来たんだ? ここ……7階だぞ』

 恐るべしワーウルフ! 凄いぞワーウルフ!

『じゃ、行ってくる』

 政宗は片手を上げてグリンダに言った。

『オズ様、どうかお気を付けて。必ず無事に帰って下さいまし』

 グリンダは心配そうに見送った。

 城を出て山に向かって政宗は走った。そして途中で有る事に気が付き立ち止まった。

『……転移して貰えば良かった』

 しかし時既に遅し。気付けば城へ戻る時間で山頂まで辿り着ける所まで来てしまっていたのだった。

『ま、しゃーない!』

 転移を諦め、気を取り直して山頂を目指して再び走ろうとすると、ガラガラッと小石が落ちてきたと思ったら今度はゴゴゴゴゴッと大きな音がした。 落石だ!

 その範囲は広く、そして避けきれる量では無かった。

 もう駄目だ! と思った瞬間ドロシーの顔が頭に浮かんだ。

『そうだ! 俺は必ず還すと誓ったんだ。こんな所でくたばる訳には行かない!』

 政宗は思いっきり高くジャンプした。

 だが1つの大きな石が政宗に向かって飛んできた。が、何事も無かった。

『そうだった。ここは元の世界とは違うんだった』

 その事をようやく思い出し、政宗の目つきが変わった。

 足に力を思いっきり溜めて蹴り上げかけて行った。

 山頂に辿り着くとそこには、ワーウルフとロープで縛られたドロシーがいた。

『約束通り一人で来てやったんだ。ドロシーを返してもらおうか?』

 政宗はワーウルフに向かって言った。

 すると、「はいっ!」とドロシーの縄を解き、政宗の元へ素直に返した。

『え? 普通に返しちゃうの?』

『嘘を付くのは良くないからな』

 そう言ってワーウルフは腕を組んだ。

(予想以上に良い奴) と政宗は思った。

『で? 何で俺を呼び出したんだ?』

『俺と勝負しろオズ。英雄の力をこの身で試したい』

『英雄? 何を言ってんだか知らないが、そんな事の為にドロシーを巻き添えにして危険な目に合わせたのか!?』

 するとドロシーが、

『ちゃんと丁寧にエスコートしてくれたわよ? 坂道も手を貸してくれたし。』

『あ、そうだったんですか。こりゃまた失礼しました。』

 そう言って頭を下げるとワーウルフも軽く頭を下げた。

『気を取り直して、さぁ俺と勝負しろ!!』

 ワーウルフは牙を剥き出しにして叫んだ。

『嫌だと言ったら?』

『え、嫌だと言ったら? う〜ん、そうだなぁその時は諦める』

(コイツやっぱり良い奴) と思った。

 (ここで断ったら逆に俺が悪者みたいじゃん……) と思い

『この勝負、受けて立つぜ!!』

 ワーウルフと戦う事を決意した。

『我が名は【トト】!いざ尋常に参る!』

 トトは政宗に向かって脱兎の如く、思いっ切り飛び掛かった。

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