〜支度〜
馬に乗って走る事、数時間経ち、
朝日が後ろで昇っている。
馬は、さすがに疲れはて、歩いていた。
「ねぇクリス、ここからはちょっと歩こうか」
クリスは同意して、すぐさま馬から降りた。
「お疲れ様」
そう言って、サキも馬から降りる。
そして、この先に見えている森まで歩いた。
けど、気がつけば丸一日、飯を食べていなかったので、
森の手前の村まで、とりあえず歩く。
たった1kmが地獄のようだった。
照りつける太陽、地面から出る熱い蒸気、
そして、空腹
さっきの村とはだいぶ違う村
木で作られた建物がいたるところにあり、
人もたくさんいて、にぎわっている。
村へ着くなり、馬を適当な場所へ止め、
食事所へと行き、注文する。
サキがお金を払ってくれて、
「早速、行きますか」
クリスはこれから始まる旅にウズウズしていた。
この時ばかりは、あの夜の事を忘れていた。
「その前に、ちゃんと旅支度しないと」
そう言って、サキは武器屋へと向かった。
クリスもサキに付いて行く。
ずらりと飾られている武器の数々。
片手剣、太刀、大剣、槍、
この他にも色々と、この武器屋に飾られている。
「主人さん、何かいい武器は無い?」
サキは武器屋の主人に言う。
「ん? 誰が使うんだい? お前さんかい?」
サキは後ろにいるクリスを向きながら言う。
「違います、使うのはこの子です」
クリスを見ながら主人は、
「へぇ、その子がねぇ。
なるほどねぇ
んじゃ、あのフォールションがいいな」
そう言って主人は指差した。
その先にあったのは、
刀身の長さ、50cm弱
取っ手の長さ、15cm前後
刃幅、15cm前後
の、片手剣だった。
「はい、クリス」
サキは指の先にあった剣を取ってクリスに手渡す。
「重・・・」
手にずっしりと来る重量。
「それが、今の世の中で一番頼りになる武器だ。
ほとんど斬るって言うより重さで叩くって感じで、
刃幅が広いから守るにも役立つ」
クリスはフォールションを持ちながら主人の話を聞く。
軽く振り回してみると、[重さで叩く]の意味が解った。
「なるほど・・・」
クリスはつぶやいた。
サキはお金を払って、クリスと一緒に店を出る。
「ありがとさん」
武器屋の主人の声が聞こえた。
その後、食料等も買って、
馬の元へ向かった。
歩きながらクリスは、
「あれ? サキはいらないの? それと鎧とかは?」
サキは歩きながら、
「私はもう持ってるから大丈夫。
それに鎧つけたら馬が疲れるし、
武器屋の主人が重さで叩くって言ってたから、
馬に乗ったままやれば大丈夫でしょ」
クリスは納得した。
数分後、馬に乗ったクリスとサキは森へと向かった。
そこは、迷うが当然の森とも知らずに・・・
ここに出てきた[フォールション]は
俗に言う[ファルシオン]です。
知ってる人もいると思います。




