〜旅立〜
「お腹空いた」
夜の時間、逃げ出した事を知らないクリスが、
目を開けたと同時に出たクリスの一声。
周りの景色が動いている事、
バランスを崩して落ちそうになる、
この異変に気づいたのはだいぶ後だった。
「っあ、おはよう」
サキの声で今が朝だという事に気づいた。
「あれ? サキ、どうしたの?」
「なんでもないよ、ただ、早く出発したかっただけ」
「ふーん」
クリスは落ちそうになったりして、
とりあえず、馬に跨った。
そして、落ちないようにサキのお腹に手を回して、
しっかりと握り締める。
サキは、恥ずかしそうに微笑みつつ
「そういえばさ、クリスは何歳なの?
(あの兵達のことは黙っているべきだよね)」
クリスは、自分と同じくらいだと思っていたから、
初めて会った時には聞かなかったのだ。
「あ、僕は・・・15」
「とりあえず私の方が年上か、
私は17か18」
「17か18!?」
「だって、あまりそういうの気にしないから、
大体でしか覚えてなくて」
「ふーん」
こんな会話をしながら、次の村が見えてくるのを待った。
その途中で見つけたもの、それは、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これより先
_____
看板・・・
[これより先]からは折れていて、解らないが、
これを通り過ぎたら、次に戻ってくる時、
それは親父を倒すためだけに戻ってくる。
その後、どうするかは解らないが、
親父を目的として、クリスは、
旅出
夜風を体に浴びながら、
新ためて決意をかためる。