〜END〜
クリスは立ち上がってもどうする事もできなかった
武器もなく、体はボロボロ
同じボロボロの体で両手に異国の武器を持つ男
サキは泣いていた
その声が部屋には響いていた
「サキ!」
クリスが叫んだ
その言葉にサキは驚いて、涙が飛んだ
「な、何」
そう言って立ち上がった
「そこから支援してくれ」
「あ…う、うん」
すぐさまサキは何かを取り出した
「それじゃあ、いくよ」
「あぁ」
サキは何かをクリスと男の間に投げ込んだ
床に落ちて数秒後、それが爆発した
そのチャンスをクリスは逃さなかった
黒煙の中に飛び込んで、体当たりをかまそうとした
「バカめが」
男は黒煙の中に数発、音を鳴らした
クリスが黒煙から出てきた
頬をかすり、腹にまで血が出ていた
それでもクリスは突っ込み、男を押し倒し
左手に握られていた武器を奪い、右腕を足で踏みつけ
奪った武器を突きつけた
「さて、どうしてほしい」
クリスは息を整えながらそう言った
「殺したいならころせ。それができるのならな」
「へー」
クリスは男の喉元に武器を当て
そして…
一つの音が部屋に響き渡った
サキが覗くと
喉から血を垂れ流す男と、その上に立つクリスの姿があった
サキは近づいた
クリスの顔を覗くと、涙を流していた
「なんで?」
サキは聞いていた
「いままでをぶつけてやった。それだけだ」
そしてクリスは腹を押さえて後ろに倒れこんだ
「どうする」
「このままにしといてくれ」
そう言ってクリスは目を閉じた
サキは微笑んで、クリスの後ろ首をつかんで引きずった
ある程度引いて、サキもクリスと寄り添って寝た
サキが目を覚ました時には海が見えた
崖だった
「起きたか」
クリスが言う
「あ、生きてた」
「死んでたまるか」
サキは笑って、そして海を見た
「綺麗だね」
朝日に照らされる海
「ここは、俺が決意した場所なんだ。この日を見て」
クリスが語る
「そして、それが終わった」
クリスの横顔が笑っていた
「それで、これからどうするの」
「さぁな、なんとでもするさ」
クリスは立ち上がってサキを見る
「一緒に来てくれるか」
「もちろん」
サキも立ち上がって、二人は歩き出した
…どこまでも…いつまでも…
やっと終わった…