〜危機〜
鎖で封じられていた扉を見つけた
クリスは扉に耳を当てる
「…ここか」
そう言って鎖を引きちぎろうとする
「…無理か」
鎖はビクともしない。ただ音を響かせるだけだった
「…サキ、頼む」
「え? どうするの?」
「扉を破壊してくれればいい」
「了解」
サキは扉の前に立ち、壁との隙間に何かをすり込み例の粉をつける
「避難しててね〜」
「もうしてる」
クリスがそういうと、サキは火花を落とし爆発を起こした
鎖はふき飛び、壁は焦げ、扉は内側に倒れた
そしたら声が増えた
「…なにここ…」
第一にサキが部屋の中を見回した
ボロボロの人々が大量に押し寄せてきた
サキとクリスの横を通り過ぎて行った
誰も居なくなった部屋にはとても大きな何かがあった
クリスとサキは部屋の中に入り、その大きな何かを調べた
「…あ」
サキは気づいた
その大きな何かについていた丸く長い筒を
見覚えがあるものだった
「これって…まさか」
サキが恐る恐る触れる
「お前が城を襲われた時に見たのはこれだろうな」
「…なんで」
サキは崩れ落ちた
「なんでだろうな〜」
二人以外の声が響いた
クリスとサキは大きなものの奥に居る人
血だらけだったがしっかりと立っていた
手にはまた、小さな筒の付いたもの
「…動くなよ。ワシがこの引き金を引けばお前たちは終わりだ」
そう言って、筒をこちら側に向ける
「そんな傷でほざくなよ」
クリスはそのまま、傷だらけの男に近づく
すると、部屋に音が響いた
音の終わりとともにクリスはその場に倒れた
肩をおさえている。床には血が広がっていた
「キサマ、なんだそれは」
肩をおさえながら叫んだ
「コイツは最近手に入れた異国のものさ」
「なんでそんなものを…」
「この大陸を、私が統一するためだよ。そのために武器を手に入れ、国民に作らせていたのさ。私が王として君臨するためにな」
「やっかいなもんを手に入れやがって」
クリスは立ち上がった
いつ終わるんだろ・・・