〜最後〜
鞘から刀を抜くクリス
長い刀身が鈍くかがやく
大きな体をした親父が前に立ちはだかる
その場には不穏な空気が流れ込む
「ッハ」
クリスは空気を叫び散らした
そして飛びかかる、切りかかる
「ぬるい」
「…っな」
切りかかったはずのクリスのからだは止まっている
親父の手には刀が握られて、クリスの攻撃を止めていたのだ
「っくそ」
クリスは刀を動かす
ビクともしない…
「ぬっははっは」
不敵なる笑い、クリスの目の前で異様に動く
そして金属音とともに刀が折られた
バランスをすぐしたクリスに拳が飛んできた
反応できずにクリスは殴り飛ばされる
床に転がるクリス
目を開けると何かが飛んでくる
折れた刃の部分が床に突き刺さった
クリスは体を転がして避ける
故に折れた刀、折れた刃を持ちながらクリスは立ち上がる
両手に持たれている刀は、折れても十分な長さだった
「二回目は…そうはいかねぇぜ…」
そしてまた飛び掛る
止められぬように素早く切り裂く
刀が親父の体を切った
これを逃さず、クリスは連続で切りかかる
親父の体が徐々に切り傷と血で染まっていく
急所にはあたらずとも相当なダメージだろう
その場に親父は倒れこんだ
「終わったの?」
傍観していたサキが聞く
「さすがに…殺せないからな…死なない程度にやっといた」
折れた刃を捨てて、サキに近寄るクリス
「そっか」
「さてと、助けるか」
そう言ってクリスは部屋という部屋を探索した