〜救護〜
微かに息のある兵士を探しながら、城へと運ぶ民間人
その民間人に運ばれているクリス
サキは付き添いの人のように、運ばれるクリスを
いつもの表情で見守っている
城にたくさんある空き部屋に傷ついた兵士達は運ばれ
クリスも個室の部屋に運ばれた
サキもクリスに付き添っている
ベットで眠るクリスの頭にはこんもりとこぶが出来ている
サキがそのこぶを突付くとクリスの体が一瞬だけ揺れる
突付くたびにクリスの体が揺れる
サキはそれが面白いのか、何度も何回も突付いている
「おーい、生きてる〜」
突付きながらサキはクリスに言ってみる
「まぁ、生きてはいるな」
クリスは目を閉じながら答えた
「おぉ、いつから気がついてたの」
半分驚きながら聞いて見るサキ
「あ〜……多分さっき」
目を閉じたままで話し続けるクリス
「それと、なんでさっきから目を開けないの?」
「それがな〜、開けようと思っても開かないんだよ」
クリスは目を開かない理由をサキに話しだす
「多分、頭殴られたとき、その衝撃で目がどうにかなったのかもしれない」
「それで、これからどうするの?」
目が見えなくなったクリスにサキが問う
「まぁ、目が見えないんじゃなくて、目が開かなくなっただけだから
自然と治るのを待つさ」
「そっか」
そんな話をしていると、部屋に誰かはいってきて
「君達、気がついたら王様に会いに行くようにだってよ」
そう、男の人が告げてきた