〜戦一〜
(親父が来る、倒す、殺す)
「攻めて来たぞ〜」
そのかけ声で、親父の事を考えていたクリスは我に返った。
「来たか・・・」
西の平原の地平線に数多数の軍勢を見渡せる城、
そこから急いで外に出て、刀を抜き、前線へと走った。
クリスに続いて頑丈な甲冑に身を包んだ兵隊が続く。
同じくらいの軍勢。もうすぐ衝突する。
敵を切り捨て、奥にいるクリスの親父、そいつを目指してクリスは走っている。
サキは迎え撃つ兵を見送り、ただ一点だけをじっと、見ている。。
それは、最前線の敵軍だった。
タイミングを待っていたのだろうか、
サキは、手に装着している着火付きの手袋を弾き、火花を落とした。
落ちた火花は地に落ち、触れた瞬間に炎が敵軍めがけて燃え上がる。
敵軍の間に入り込んで、燃える炎。瞬間、今度は大きな爆発が起きた。
この爆発で敵軍の前線隊は吹き飛んだ。
計画通りに行ったのか、サキは不敵な笑みを浮かべた。
「そうさ、あんなやつら、消えちゃえばいいんだ」
サキはそうつぶやいた。
すぐ目の前で起きた爆発だが、クリスはただ、走っていた。
クリスの目の前の敵も消え、クリスの親父が丸見えだった。
クリスはさらにスピードを上げた。
そして、飛びあがり、切りかかった。
クリスの太刀筋は、親父に止められていた。
クリスと親父が一瞬、目を合わせた。
親父はクリスがここにいることなど気にもとめず、
クリスを弾き返した。
転がるクリスに
「この程度か。来て損したわい」
親父の声が聞こえた。
リアル・・・なさすぎ・・・