〜談団〜
「単刀直入に言うと、イスダンブルクの国が責めてくるんだ」
「えっ」
王様の言ったことにクリスは動揺した。
インエルダイはクリスの元住んでた国
国を捨て、旅に出たものの、日は浅いために
国への思いはまだ消えてはいなかった。
(何で・・・親父が・・・攻めて来る・・・
何で・・・なんでだよ・・・)
しばらくクリスは沈黙していた。
サキはクリスの異常に気づき
「どうしたの?クリス」
その一言にフェリも王様も気がついた
「どうしたんです?クリス」
クリスは額に汗をかきながらも
「いや、なんでもない」
「そうか」
クリスはなんでもないように装い
王様は話を進めた。
「何でも、ごく最近、ここから東の位置にある国、フォトリシア
そこから人が数名、怪我をした状態でやってきたのだ」
その言葉にサキは、ホッとしたような、安心したような
そんな感じがした。
「話しを聞いてみると、イスダンブルクから兵隊を連れた王が
なんの理由があるか分からんが、いきなり攻撃をし
刃向かう間もなく、フォトリシアは崩れ去った」
王様の説明にサキは下を向き、泣いているようだった。
クリスはすぐ、それに気がついた。
「どうした?サキ」
サキは目をこすりながら
「ううん。なんでもない」
「ならいいけど」
王様はさらに話をする
「そして、こちらにも向かってくるらしく
迎撃することにした」
(親父と戦うのか・・・やってやる・・・)
クリスはそう思った。
サキも、何か考えているようだった。