〜出会〜
(あれは夢か)
気がついたネイは、何よりも先にそのことを考えた。
でも、ネイに向けられた声で、夢じゃなかったと・・・そう思った。
「っあ、気がついた」
声のほうに顔を向ける。
「なんともないみたいだね」
涙が涸れたような目をしたネイは、そこにいる少女の姿を見た。
「それにしてもびっくりしたよ〜、ここに来る途中に人が倒れているんだもん」
ネイはやっと自分の今置かれている状態を把握した。
そう、倒れて近づいてきた音の正体は馬、その馬に乗った少女に助けられた。
そして、蜃気楼のように見えた村、
この村の宿屋二階まで運んでもらった。
クリスのベットから見える窓の外は、
丸屋根の建物が5,6個見えている。
だが、人の姿など無かった。
「君は?」
いろいろと聞きたい事もあったが、それが先に出てきた質問だった。
「私はササキラ=シェンリー、サキって呼んでね」
「シェン リー」
「そう、シェンリー。
ササキラ=シェンリーだよ」
[シェンリー]
それは、国を捨てたものが付ける名前
大概が国に滅亡したものか、旅に出る者が付ける名前である。
シェンリーを聞いたネイは、少し考え
「ネグリス=シェンリー、クリスで良いよ」
「へぇ、クリスもシェンリーなんだね。私と同じ旅人?」
首を振るか迷ったが、無造作に首を縦に振るクリス。
「なんか、詳しい事情があるみたいだね」
今度は迷わず縦に振ったクリス。
「やっぱり、言えないんだよね・・」
サキの質問に困りつつも、クリスは小さく縦に振る。
それからしばらく、サキとクリスは話しをする。
最後にクリスの質問
「あのさ、一緒に行かせてもらえなかな?」
サキは[待ってました]のような表情で、
「うん。私一人だから一緒に行こう」
その言葉にクリスはホッとして答える。
「ありがとう」
そして、クリスはまた横になった。
サキもクリスの隣のベットで横になる。
次の日の朝、快く出て行けなかったとも知らずに・・・




