〜粉造〜
〈サキの過ごし方〉
クリスが出て行った後、部屋にはサキだけが残っている
「私は認めない」
クリスと別れる前に言った台詞
この言葉にどんな意味があったのだろうか
それはサキにしか分からない
サキは考えてるのか、思い出してるのかわからないが
そのまま眠ってしまったらしい
足を抱えた状態で寝ている
しばらく経って
「ほら、あんた。もう昼なんだから起きな、ほら」
その声にサキは起きた
声の正体は宿屋の主人だった
主人は部屋を片付けるために来たのだが
サキが寝ていたために起こしたようだ
サキは荷物をもって外に出た
「何してようかな……」
歩きながらサキはつぶやく
「天気もいいし、炎塵でもつくろう」
サキはそう言って、森が近く、人目につかない場所に行って
荷物から液体と炎塵を取り出した
森から両手いっぱいの樹を持って来て
それを一箇所に集めて火をおこした
さらにまた森から樹をたくさん持って来て
火が強くなる
サキはその間座っているだけだった
誰にも気づかれずに、一人でやっている
火が消え、炭と灰になった火の跡
触れるくらいになった炭をサキは手に持った
そして、手に持った炭を……
粉々にし始めた
素手でできるものなのだろうか……
瞬く間に炭は粉に変わった
次にサキは液体を粉にした炭に少しかけた
そして、乾かし始めた
「完成」
サキはそう言うと瓶に粉を入れ始めた
焚き火の跡などを消して、サキは歩いた