〜暗計〜
クリスは起きて扉を開けた。
そこにいたのは、人影だった。暗くてよく見えない。
「クリスです?」
人影がしゃべった。
聞いた事ある声にクリスは
「フェリ?」
「ちょっと話したい事あるから来てくださいです?」
クリスは返事をする前に、手首を引っ張られた。
クリスは引っ張られるまま外に出て、人に見つからぬように森へと入って行った。
人影は月明かりに照らされ、布を纏っていた。
布を取った人影、それはまさしくフェリの姿だった。
「フェリ、どうしたの?」
クリスはフェリに言った。フェリは
「こんな時間じゃないと城を抜け出せないです
クリス達に言いたいことがあるんです」
「こっちも色々聞きたいことがあるんだけど」
クリスが言ったら、フェリは昼と同じ口調で答えた。
「乙女の過去話は聞かないものです」
「答えてくれ・・」
クリスはため息をつき、肩を落とした。
そんなクリスを無視してフェリは
「私の城を抜け出す計画を手伝ってくださいです」
クリスは肩を戻し
「なんで?」
フェリは躊躇いつつも
「姫という立場がいやで、城を抜け出したいです。
でも、城を抜け出そうとしてもすぐに捕まるです。
そこで、クリス達の力を貸してほしいのです。」
クリスは、自分は王子というくだらない立場を捨ててきた。
だから、フェリが城を抜け出したいと思っても
止めようとは思わなかった。
「わかった。」
フェリは嬉しそうに
「ありがとうです。」
クリスは何をしたらいいのか、フェリに聞いた。
フェリは・・・