〜牢出〜
「釈放だ」
そう言われて、牢から出るクリスとサキ。
「早いね、釈放するの・・」
サキは、クリスに小さな声で言った。
「そ、そうだね」
クリスは考え事をしているときに言われ、
慌てながら答えた。
クリスは
(サキのあれ・・・なんだったんだろう)
クリスは、サキに抱きつかれた事を考えていた。
クリスは考えているうちに、兵士に
「座れ、王様が参る」
そう言われて、クリスとサキは座った。
数分後に王様と・・・フェリが歩いて来て席に座った。
「この度は我が娘、フェリを連れてきてくれたことに感謝する」
王様だけあり、凛とした態度だった。
王様のとなりに居るフェリは俯いている。
クリスとサキは何がどういうことなのか分からないでいる。
何も分からぬままその部屋から連れてかれた。
外に出たときにはもう夜になっていた。
「とりあえず寝よっか」
「うん」
そうして、宿屋に泊まった。
ここの部屋も樹で造られている。
でも、硬過ぎず柔らか過ぎずの感触だった。
サキが寝ようとすると、クリスが
「あのさ、フェリのことどう思う?」
サキは間を開けて
「フェリはこの国の姫様だったとしか考えられないよね……」
「うん……。でも何で森であんな奴らに追われてたんだろう」
クリスは寝返りを打ちながら
「でも、話してくれないから分からないね……」
「分からないものは分からない。だからもうこの話は終わり」
「それともう一つ」
サキは少し驚いて
「他にもあるの?」
「うん……。牢に入れられてるとき、何で抱きついてきたの?」
しかし、サキからの返事は無かった。
サキは・・・狸寝入りをしていた・・・
それを知らないクリスは、サキは寝たと思い込み、寝てしまった。
夜もだいぶ過ぎ、闇がやってきた。
クリス達の部屋に近づき、そして
〈コンコン〉
音を抑えた、扉を叩く音
何度かやってるうちに、クリスが起きた。