〜牢内〜
一筋の光が入る牢獄、クリスとサキは一緒の部屋に入れられた。
牢獄と言っても、ここの牢獄は樹で造られていた。
しかし、牢獄だけあって、すごい丈夫だった。
「なんでここにいるの?」
クリスは冷たい牢獄の中で、当たり前のことを言った。
「過ぎた事を思っても意味が無いよ。
それより出る方法を考えよう」
サキがクリスに言った。
「脱獄・・・(さらりとすごいこと言った・・)
出来るの?」
クリスは唖然としつつ答えた。
「武器も取られたし、今考えてる」
サキは考えても無いように言った。
(ホントに出られるのだろうか・・・
まぁ、俺も考えよう・・・)
クリスは牢獄の中を見渡した。
4m四方の床
高さ4mくらいにある吹き抜け
「やっぱりあそこからか・・・」
そう言って、クリスは吹き抜けの壁を登り始めた。
しかし、樹で造られた牢獄と言っても、凹凸が無い。
古くからあるのか、壁には隙間が出来ている程度だった
クリスはわずかな隙間に手を引っ掛けて登る。
何度も滑り落ちるクリス
まだ、諦めてはいない
クリスを見守るサキ
そして、クリスはまた落ちた。
窓からの光も暗くなり、牢獄に寒さがやってきた。
クリスは手も痛くなって諦めようとしたとき、
サキが後ろから抱き付いてきた。
「・・・」
クリスは言葉を出せなかった。
抱きついたサキはクリスの耳元で
「頑張って」
と言ってきた。
サキはそういって、クリスから離れた。
クリスはまた頑張って登ろうとした。
しかし、登ろうとしたときに、
牢獄の扉が開いた。