〜落起〜
「どうする? サキ」
倒れた少女について考えていた。
「置いておくわけにもいかないから、
連れてく?」
「そうしよう」
早くも解決して、
サキは倒れた少女を馬の背中に乗せる。
「それじゃ、行こっか」
クリスが言った。
「ちょっと待ってね〜 やる事あるでしょ〜」
クリスが歩き出したのを、サキが止める。
「やる事?」
サキは少女が落ちないのを確認して、クリスに近づいた。
そして、バックに手を伸ばし、薬瓶を取り出した。
そして、薬瓶の中身をクリスの首に塗る。
「痛」
クリスは後ろに下がる。
「ほら動かない。
いくら浅いと言っても、力入れて
血がすごい出てるよ」
「・・・もう」
そして、薬を塗り終えて、
「完了」
「・・ありがと・・」
「どういたしまして」
クリスは変な気分になりながらも、
サキと馬に乗った少女と歩き始めた。
そのときのサキはうれしそうに見えた。
しばらくまた歩いた。
そうしていると、後ろから何か聞こえた。
<ドサッ>
「ドサッ?」
クリスとサキは口をそろえて言った。
そして後ろを見ると・・・
馬に乗せていた少女がいない。
「い、痛いです」
少女が地面に横たわっていた。
「落ちた?」
クリスはつぶやいた。
「大丈夫?」
サキはそう言いながら少女に近づく。
「あ、はい。大丈夫です」
「ごめんね。私が縛ってなかったから」
「殺す気です?」
「そうじゃなくて、縛るのを忘れて
あなたが落ちたから、私のせい」
二人が会話してるのを、クリスは遠くから見ている。
(楽しそうだな)
クリスは寂しそうだった。
クリスは近くに腰を下ろして、
二人の話が終わるのを待った。
の、はずだが。
いつの間にかクリスは眠ってしまった。