〜森起〜
テント内で目覚めた二人。
でも、テントの外はいつまでも変わらずに真っ暗のまま。
「おはよう? クリス」
そう言ってサキはテントの外に出る。
暗い中、かすかな光を頼りに、馬の元へと向かった。
「今日も一日よろしくね」
そう言いながら、馬を撫でるサキ。
クリスもテントから出てきた。
火を熾して、サキと一緒に
テントをたたみ始める。
片付いたところで、火を消して、
馬に乗ってまた歩いた。
こういう暗い森の中では
時間の感覚が失われていきそうだった。
でも、そんな事をいちいち気にしてる暇も無く。
馬に乗って歩くだけだった。
だが、今日は昨日の森とは何かが違った。
馬の歩く音だけしか聞こえなかった森に
新たな音が聞こえていたのだ。
それは、樹の上を走っている音だった。
それも、一つじゃなく複数の音が聞こえる。
その音はだんだん大きくなっていき、
次の瞬間、聞こえた音。
<バキッ>
「うわー」
聞こえた音と声、
馬に乗っていたサキの頭に枝が落ちてきた。
「なんだろう?」
サキは落ちてきた枝を見つめ、クリスが上を見た瞬間
<ドンッ>
と、鈍い音が聞こえた。
そして、クリスは馬から落ちていた。
馬を挟んで反対側にはもう一人倒れていた。
サキは馬から降りて、
「大丈夫!?」
と、クリスに近づく。
クリスは気絶していた、
でも、落ちてきたもう一人は
気がついていた。
「あいたたた・・・」
それは、サキよりも年の若そうな少女だった
サキがその少女を見て、声を掛けようとしたとき、
さきほど歩いてきた道に誰かが居た。
サキはそっちを向いた。
そこに居たのは、3人であった。