なんか、接触多いよね?シータっ
「シータ、今日もおさめますよぉー!最高・傑作!!」
なんだか、
『はい!頑張ります!』
って、聞こえてきた気がする…。
あうぅ、可愛いなぁシータ!
なんで、シータかというと…θマークついてたから。
という、簡易な名付けなのだけれど…
でも、可愛いから許す!
「ねぇ、シータってなぁに?」
ビクッとしちゃいやした。
ちょ、急にだれですか?!
「…す、すみませぇぇん」
無意識なんです、走り出したのは。
無意識なんです、逃げたのは。
無意識なんです、首傾げを写真に納めたのは…。
「ちょっと、ひどくない?ねぇ、シグちゃん?」
「……な、名前」
バレてる!
彼は、私を脚立からおろした彼。
名前、なんだっけ?毎度のループをしてきたけど、一度も覚えられた試しがない。……今更だけど、ひどい?
「俺の名前知ってるー?」
「いえ、いえ、存じ上げませぬ!」
と、無意識なんです、無意識なのです。
その、笑みを写真に納めたのは。
「ん?」
「ごめんなさい、許可とらずに。……えぇと、いま学校中で笑顔写真をとってましてぇぇえ」
えー、嘘ですが!
「で、名前知ってるー?」
「…だから、知りません」
「はーい、なら覚えてね。梓七櫂」
「…はぁ…」
苦笑いで、聞き流した。
「さんはい、」
うわ!ちょ、名前求めてきた!
「し、しなのくん?」
「ぶー!櫂ってよんで」
───いずれ、梓七になるだからさ。
という、彼の囁きは聞こえていない私は、
脱兎のごとく逃げていた。
「──かぁーわい」