おかしさの、断片
確実に、的確に、私はスチルをこの愛用カメラ…
一眼レフ氏、通称シータを使っておさめてきたのだ。
シータとは、私が名付けたこの子の名前だ。
可愛いでしょう!本格的な撮影で、私はスチルを撮るんでさぁ!
今時の、デジカメじゃあ味はだせない。ゆえに、やっぱりシータがいいんでさぁ。
いつも、首からシータをさげていればやっぱり
「ねぇ、シグちゃんとってー」
「とってー、とってー!」
ふあい、とってーとってーコールがすごいんですよー。
そんなときは、
「いいですよ、取材OKなら!」
「えー、なんの取材?」
「プロフ?」
「まじでー?」
と、個人情報をくれるならというのです。
そういえば、やめる。という人多数なのでね。うひひひ。
悪い子なんでさぁ、私。
「…!」
あ、あれはー!
スチルの予感!
憂いをおびた瞳、その瞳は目下窓の外!その容姿、まさしく攻略対象者!
そして、そんな彼が見下ろしているのはきっと…!
───撮るしかない!
「…そだ、校内風景写真撮ろうと思ってたんでなるべく自然にしてくれるのなら、撮りますよ?」
「なるべく自然かー」
「どうする?」
彼女たちを、使う。そうすれば、彼女たちを撮っていると見せかけてスチルゲット!きゃは!
でも、一応彼女たちも撮りますけどねぃ。
「もう少し後ろですかね、はい、そこ!いい位置です」
スチルのために、邪魔にならないベストな位置!
「はぁい、あなたたちは女優さんですよー。今から、自然な動きと会話なカンジ、出してくださいー。通路で語り合う感じで!」
パシャっと、ふう。いいカンジ?いや、だめだねぃ。
───なにか、が足りない!物足りない!
あ、そういえば、
「…上から、撮ってみますねー」
「上から?!」
「はぁい、この脚立で!」
いいとこにありました。脚立!
利用です、利用!
「はぁーい、いきますよー!」
「シグちゃん、見えてる!」
───なにが?
「す、スカート気にして!」
という、ことは。
あぁ、なんでだぁ。注目されちゃったし!
私のパンツ見たっていいことないんですけどー!
てか、攻略対象者こっち見てるし!
くぅ、どうしてだ!今のところいいスチル撮れてないんですって!
「だぁいじょうぶですよ、これドロワーズ!」
「でも、気にしよ?シグちゃん!」
あぁ、なんてこと。攻略対象者、窓際から離れちゃったよぅ。
って、なんでこっちにくるの?
「わっ、」
「君は、女の子なんだから」
ふわりと、廊下にたたされました。攻略対象者に、脚立からおろされたわけですけど。
「撮影中です!」
「だぁめ、君はとくに」
は?なぜ?
「…分かりました。」
「そうそう、それでいいの」
「…?あの、撮影協力ありがとうございました!記事できたら、真っ先にわたしますね!」
「ほんと?」
「はぁい!自然なカンジでてましたよ!」
と、彼女たちに告げて私はたちさる。
───なにか、おかしい。
攻略対象者たちが、おかしい。
いや、今回のループで私は少し目立ちすぎたのか?
分からないので、放棄しようと思う。たぶん、大丈夫な…ハズ。