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ある日の出来事
「キャー!守様ーー!!」
「かっこいいーー!!」
あの日、いつものように騒がしい女共に囲まれて、
うんざりしていた。
煩い。とにかく煩い。
家を出てからずっとこんな調子だ。
周りに人が集まりすぎて、動きずらい。
こういうことが魔王をぶっ倒してから続いている。
ほんとに煩い。こんなペースじゃいつになっても
国王の城に着かない。
俺はため息をついて瞬間移動の魔法を唱える。
「テレポート」
目の前の景色が変わり、城の門の前となる。
こちらに門番が来た。
「やあ、守君じゃないか。今日も囲まれたのかい?
大変だったねえ。国王様は王の間にいるよ。」
「他にどこに国王の居場所があるんだよ!」
「寝室」
「・・・・・。」
俺は無視して城に入って行った。
城を歩き回るのはもう慣れた。
魔王を倒してからというもの、毎日国王に呼ばれているからだ。
しばらくぶらぶら歩いていると、王の間への扉を見つける。
また魔王討伐時の話をしなければならんのか。
そんなこと考えながら、扉を開く。
なに?めちゃくちゃ眩しいぞ?
扉を開けると視界が真っ白になった。
なんだか知らないが、俺の意識はそこで一回途切れた・・・