「いーよー!」と言うわけがない
「いくら好きだからといって、押し倒すのは良くないと思わない?」
本気と分かったら対処の仕方もある。
『いきなり押し倒すなんて軽蔑するわ!』バージョンで行こう。
「あ・・・すみません」
素直に退いてくれた。今までのストーカー行為を考えると、アッサリ過ぎる気がする。・・・油断せずに行こう(少年マンガも愛読していますよ? オタクですもの)。
「なんで私を、と思わないでもないk・・・」
「つかささんは、とってもステキです! 個性的で、自立していて、ユーモアもあって、雑学王で、勤勉で、格好よくて、かわいくて、オタク公言しているところがステキです!」
「・・・・・・・・・・・・・どうもありがとう」
なんか、一部引っかかる箇所もあったが、ものすごく絶賛された。
照れを通り過ぎて、リアクションが礼くらいしか思いつかなかったよ。
それにしても・・・・・・この子、私がオタクだってわかっての告白なのね。
まあ、オタクであることがバレていないとは思っていない。
この子との遭遇場所は、ビデオショップのアニメ新作コーナだったり。
古本屋の同人誌コーナーだったり。
ゲーム会場だったりしたからだ。
無論、大手書店の自己啓発本コーナーとか、スーパーのレジとか、スポーツジムの受付だったりしたこともあった。
・・・が、オタクといえども非オタと、その手の場所でバッタリは気まずいものなのですよ。
なぜこの場所にこの子がいる!みたいな。
私は改めて、途中で遮られていた台詞を続ける。
「なんで私を、と思わないでもないけど・・・・・・・本気なのは分かったわ」
「!」
バックにお花が開いたみたいな微笑を浮かべたよ、この子!
やめて! そんな花も恥らう微笑を私に向けないで!
「でもね、良識ある大人として、未成年とはお付き合いできません」
「・・・・・そんな!」
いや、そんなショックを受けられても;
私がオッケーするとでも思ったのかね「いーーーよーー!」とサムズアップでもしてさ。
どんだけ自分に自信があるんだ。・・・・・・・ってこの顔ならあって当然だよね。
女子学生なら即オッケーするだろうけど、アラサーにはキビしすぎる年齢差なのよ。
これも経験と思い、大人しくフラれてちょうだい。
「俺、諦めません」
「え?」
「あと3年したら結婚できるし、5年たったら成人です」
「・・・・・・」
私にとっちゃ3年も5年もあっという間だけど、学生には長く感じるものなのよ?
だから、ヘタなこと言って自分に『呪い』を掛けちゃだめよ~。
バラ色の高校生活が、ドブ色になっちゃうわよ~。
「好きって言ってもらえるまで、ずっと好きって言い続けます!」
5年後、私アラフォーなんだけど!
つかささん、スリ○クラブがお気に入りのご様子。
あとテニプ○も愛読している模様。
サムズアップ・・・親指を立てるしぐさ
アラフォー・・・40歳過ぎではなく、四捨五入したら40歳という意味で使っていますが、正解ですか?