誕生日はイニシャル入りのスポーツタオルが定番です
「森川、大問題が発生している」
「・・・・・・・・・つかささんの誕生日だろ?」
おそらく相談という名前の強制命令が来るだろうと、覚悟していた森川は野々宮の台詞にすぐさま返答した。
「とりあえずかなめの過去のプレゼント履歴を教えてもらってきた」
森川はサイフから小さな紙を取り出す。
女の子らしいメモには、かなめの字でちまちまと過去のプレゼントが書かれていた。
「去年は、TSUT●YAでレンタルしてきてダビングした名探偵コ●ンのベスト盤・・・・・・。ああ、これよく車で聞いているな」
「かなめも本望だろうな」
「その前が、古本屋でワゴンセールをしていた炎の蜃気●の同人小説?」
「少女小説の二次モノだそうだ」
「うん、全然分からない」
「その前は・・・トイザ●スでセールしていた等身大ピ●チュウ・・・ああ、アレか」
それ以前になると、中学校の工作で作った小物入れや、折り紙で作った花などであった。
「役に立たない!」
「・・・・・・それも想定済みだ」
二番煎じだがメイド喫茶はどうだろう?と森川は提案した。アキバで一番人気のメイド喫茶は予約制なのでつかさもまだ行ったことがないのでは・・・と言うと。
「メイド喫茶はダメ」
「なんでだ?」
「あそこの女の子に夢中になって、携帯の待ちうけはメイドとツーショットに替えられたし、たまにメールや電話もしているみたいなんだ。
これ以上増やしたくない」
女の子だろ?と思ったが、それを言うと十倍になって言い返してくるので、森川は賢明にも言わなかった。
「つかささんの趣味は本関係以外にもあるだろう? 多趣味だと聞いてるぞ」
「そうだね。車も好きかな。でもあの車は特殊すぎてカー用品店に見合うものがないんだ」
「あとは・・・日課とか」
「ジムに行ってるみたいだね。・・・そうか、ジム用品」
「それにすればいいんじゃないか?」
「ジム用品って何だ?」
「・・・・・・タオルとか?」
「どこの女子高校生の差し入れだよ!」
「だが・・・・・・つかささんはそういうの好きなんじゃないのか?」
「・・・・・・・・そうかもしれない」
そうしてつかさは、誕生日に野々宮からイニシャルを手縫いされたスポーツタオルをプレゼントされた。
そのイニシャル刺繍があまりにも見事で、女子力が負けて悔しかったが、「女子高校生に差し入れをされるイケメンスポーツ少年」の気分を味わえてご満悦だった。
つかさは初メイド喫茶後、遊女ちゃんにハマり、常連となった模様。
しかもメルアドもゲット。




