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ニックネームはヒラリー☆




「ヒラリーのお土産の日本製の下着が、一番嬉しいと妻が言っていますよ」




現在私は某外資系会社の日本支社長との会話中。

日本支社長といってもアメリカ人です。奥様もアメリカ人。



が、日本語になじめない奥様はアメリカに残り、夫は単身赴任中。

里帰りの際に、私は奥方の下着を代理購入する間柄です。


以前パーティでお逢いしたときにシャレでプレゼントした補正下着が大層お気に召したんだそうだ。




とろこで、冒頭の「ヒラリー」という単語にお気づきだろうか。



もちろん、私に対して言った言葉だ。

だが、私が「上平つかさです。私のことはヒラリーって呼んでください☆」と言ったわけではない。

香港人じゃあるまいし、そんなことはしない。



どうやら私のファーストネームもファミリーネームも大変言いにくいらしい。

で、沖平のバカヤロウが「ヒラリンって友人には呼ばれているみたいですよ」といいやがった。

そして「ヒラリー?」と聞き間違いされ、元ファーストレディの名前が私のニックネームとなった。今じゃ旦那より有名じゃね?





「喜んでいただけると、選ぶ甲斐もあります」

「日本の下着はロマンティックなものが多い。妻も私も喜んでいるよ」


わー、ご馳走様です☆




「私達も君になにか贈り物をしたいんだが・・・。肝心なことに私達はヒラリーの趣味をよく知らないのだよ」



お仕事相手にオタクを公表していないからなー。

しかし、遠慮は日本人のお家芸だが、遠慮しすぎは良くない。

ここは何でもいいから、リクエストする場面だ。



だが「ジャック・ニコル●ンと逢いたい」とかそういうのはダメだ

お金でするっと決着がつくものが好ましい。




どうしようかな?と考え、私はとあることを思いついて相談してみた。




「それはとてもドラマティックだ!」



支社長はものすごく乗り気になり、その場で奥様に電話を掛けた。



「ワイフも喜んでいるよ。ちょっと時間がかかるかもしれないが、楽しみにしておいてくれたまえ」

「ありがとうございます」




外人には「ツカサ」も「カミヒラ」も言いにくいと思った。

じゃ、何て言わせる?と考え「ヒラリー」に落ち着いた。言われる本人は恥ずかしいと思う。


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