姪カップルの寸劇を鑑賞しました
「つかささん、野々宮はモテる」
「でしょうねぇ~」
姪っ子とそのカレシが遊びに来た。
姪のかなめは、本棚から新刊を選りだすのに余念がない。
一度読んだ本は二度読みはほぼしないので、かなめが欲しがったら譲り渡すことにしている。
かなめはそれを読んだら、ブック○フあたりに売りに出す。
姉から小遣いを渡すな、と言い渡されている私が、かなめに金銭を与えられる唯一の方法だ(お年玉は例外)。
「森川君もモテるでしょう」
「はい。でも、俺にはかなめが居ることで有名だから」
「・・・・・さようですか」
リア充め!
「野々宮だが、週に2.3回は告白されている。年齢層は中学生から大学生」
「青春だねー」
「この1年間の、野々宮の断り文句は『好きな人が居る』だったんですが、敵(?)もこの頃つっこんでで聞いてくるようです」
「・・・詳しく聞かせてもらえるかな?」
私に飛び火しそうな話題だったので、聞き流さないことにした。
「『俺の好きな人は、英語とフランス語がペラペラで自立した大人の女性なんだけど、可愛い人なんだ』とこの前俺達の目の前で言っていました」
「・・・・・・・・」
「『OLさんなんですか?』って女の子聞いてたよ」
かなめが寸劇に参加する。
「『OLじゃないけど、社会人だね』」
「『野々宮君と、年が離れすぎだとおもうんだけど・・・』」
「『確かに俺とつかささんは、年が(自主規制)才離れているけど、俺は気にしていないから』」
「うぉい!!!」
野々宮君!?
君、なんて言ったの!
思いっきり私の名前言ってるじゃないですか!
しかも、年の差ドンピシャ! あーた、私の年齢どこで知った!
姪すら知らないのに!!!
「というわけで、俺たちもつかささんの年齢を知ってしまいました」
「聞こえちゃったんだもん。ごめんね、つかさおねえちゃん」
「・・・・・・いや、別にいいんだけども。ヒミツにしてたほうが面白い?って思ってた程度だからさ。恥らう年でもないし」
「見た目年齢より10歳以上年上なんですね、つかささん」
「私、ビックリしちゃった」
「・・・もうやめて。・・・で、続きは?」
「『えっ!? つかささんって・・・そんなに年上の人なのっ? 犯罪じゃない!』」
「『俺が片思いしているのって、犯罪なのかな?』」
「『・・・・・かたおもい?』」
「『そうだよ、もう1年以上片思いしてる。・・・早く大人になれればいいのに』 以上です」
「おねえちゃん、okしちゃいなよ」
シチャイナヨ! じゃないよ、かなめ!!!
「淫行罪っていうのがあるのよ」
「本気で付き合っているなら、適用されないと思う」
「・・・本気で?」
野々宮君と?
考え込んだ私に、「失言でした」と森川君があやまる。
「まるっきり対象外なんですね」
「未成年だし、付き合うことはまるっきり考えていなかった」
「未成年じゃなかったら、付き合ったの?」
私は本棚から一冊の写真集を取り出した。
そこには私の甘酸っぱい思い出の写真が・・・・。
「「・・・・・・・・・」」
「どうよ」
「この人、何?」
「もしかして、つかささんの?」
「先だっての出張で見つけた、好みのタイプ ドンピシャの人」
その写真に写る人は、まず日本人ではなく、インド人だった。残念なことに既婚者だったので、諦めた。
「む、胸毛いやーっ」
「・・・男性ホルモンが活発な人ですね」
「ハゲていると素直に言っていいのよ」
ぶっちゃけ、ジャック・ニコル○ン似のインド人である。
欧米ではセクシーといわれる部類だが、日本人受けは良くないだろう。
「野々宮と真逆ですね」
「性格はチョイ悪?」
「野々宮は、チョイ黒ですが」
チョイ黒って、怖!
「ですが、顔で恋愛するわけじゃないですし」
「野々宮君の顔が不満って、何様じゃない?」
「・・・年齢で恋愛するわけでもないですし」
「まあねぇ~」
野々宮君と恋愛?
「私、日本人と付き合ったこと無いんだよねぇ」
「「・・・・・・」」
野々宮の機嫌が悪く、自分に飛び火したので、森川が援護射撃をしたという裏アリ。




