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世紀末にnot救世主伝説男

今回の旅の同行者は、沖原賢志郎おきはらけんしろうというアナリストで、入社当時からの付き合いだ。

もちろん、仕事だけだが。ヤツはオタクではないので。



名刺を貰ったとき



Okihara Kenshiro



と書かれているのをみて(け、ケンシロウ!?)と内心取り乱した。

顔には出さなかったと思う。


そして、名刺を裏返して



賢志郎



と書かれていたのでガッカリした。親、なんでカタカナにしなかった(無茶言うな)。





それから沖原を、私は心の中で「世紀末救世主の人」とたまに呼ぶ。毎回呼ぶには文字数が多すぎる。


同僚が「目元が色っぽいわよね」とか「あの長い足に、キュッと上がったお尻が可愛い」とか「東洋人にしてはセクシーね」などとヤツの容姿を絶賛していたが、どうでもいい。

(つかささんの好みは小柄マッチョ)





沖原は、私より7つ年上で、アナリストとしても先輩。そろそろ事務所を立ち上げてもおかしくないくらい優秀。

気さくな男で「同じ会社でもないし、タメ口でいいぞ」と言われたので、遠慮なくタメ口にさせてもらっている。

下世話な話だと、戸籍にバツが付いていて、女好きで、彼女のサイクルがものすごく短い男だ。



歴代の彼女達は奴曰く「顔はいいんだが、パーティに連れて行くには、英語が喋れない上浮かれすぎの性格」らしい。私が人脈は欲しているのを知っていて、パートナーとして会場に連れて行ってくれるのでありがたい。





今回も奴の人脈に頼るところが大きいので、旅の間の酒代は私が持つことになっている。

高い酒を飲むという大人気ないことをしないと思いたい。







「言い寄る相手がいるうちが花だぞ」

「それは、私も思う」

「俺とどうだ?」

「だが断る」




今から3ヶ月一緒に仕事する相手と、初日からカップル成立とかマジ面倒。と私が言うと「お前って・・・そういう奴だよな」と笑われた。




「二次元フェチってやつか」

「迷惑かけてないし」


私はそう言うと、手持ちのバッグからゲームの攻略本を取り出した。

長いフライト中、沖原と延々と話をする気も、ずっと仕事をする気もない。まずは攻略本を読もう。



「お前、失礼な奴だな。会話の途中だろうが」


沖原が本を奪った。


「フライト中にベラベラ喋るとか、マナー違反でしょ」

「・・・・・それもそうか。おまえと恋バナとか珍しすぎて、つい」


アラフォーのおっさん(本人に向っては言えない)が恋バナいうな。



「よし。この話はインドの夜まで持ち越しだ。・・・いいバーを紹介してもらっててだな」


いい=高級 なバーなんだろうなぁ。支払いは私持ちか・・・。


「話題がお前だからな。特別にそこの酒は俺が払う」


顔に出ていたのか、沖原がそう言ってくれた。


「よし、ガンガン飲むぞ!」

「調子いいな、お前」





苗字はあっさり決まったけど、下の名前が決まらず・・・アニメキャラの名前とか良くね?

でもって、「俺はそれより先に生まれていたんだ!」的な~、と考えケンシロウにしました。

流石にカタカナは止めた。



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