犬の町?何それ?……犬多!?
捻りが無いな。
ドラクエⅡのパッケージ見てたら、どうしても犬を出したくなった。
しかし、ネタが無い。
もっと暴走してしまおうか?
「着きましたね」
「……一瞬で着いた気がするんだが」
「気のせいです」
「野宿もしたじゃん」
「……そう、だな」
ライドさんも疲れているんですかね?
結構大きな町ですし、さっさと宿を取りましょう。
「ワン!」
「わんわん!」
「くーん」
……犬の多い街ですね。
「私、犬より猫派なんだよね~」
「僕は、犬の方ですかね?ライドさんは?」
「……鳥だ」
鷹とか似合いそうですよね。
折角集まってきてるので、撫でる。
僕が撫でた犬は、少し汚れの目立つ蒼白い毛のポメラニアン。
「くーんくーん」
何かを伝えようとしている気がする。
でも、犬語は分からないんだよ。
とりあえず、可愛いので抱っこする。
「むぅ……なんでしょう、この感じ……」
「どうしたの?」
「そう、この感じは……王族?」
「その、犬がか?」
「わん!」
まるで犬が肯定する様に、泣き声を上げる。
「まあ、そんなわけありませんよね」
「そんなのあたりまえじゃ~ん」
「確かに、今時犬になる呪いなんてありえんだろ」
三人で笑い合う。
犬が機嫌悪そうに唸る。
「ウゥ~」
「この子どうしましょうか?」
「連れてっちゃえば?」
「首輪もしていないようだし、いいんじゃないか?」
というわけで、犬が仲間になった。
~犬?~
(うぅ、やっと分かってもらえると思ったのに……でも、優しい人でよかったです!体も綺麗にして貰いましたし……ちょっと恥ずかしかったですけど……まあ、犬の体なんですけど……ハッ!?私は何を!?……リラさん、ライドさん、ミアさん、エルムさんと言うらしいです……何故魔物であるスライムを連れて、魔王討伐に?裏切ったりしそうですね……それにしても、リラさんの撫でテク……凄く、いいです……犬になって良かったなんて思ってませんからね!!)
~リラ~
なんでしょう、犬になり始めてる人の思念が……気のせいですか。
僕にそんな能力ありませんし。
このワンちゃんに名前を付けてあげないといけませんね。
ポチ、ジョン、ア○フル……何かに妨害されましたね。
ゲレ○レ、カー○ル・サ○ダース……やはり邪魔されます。
まあ、明日考えれば良いでしょう。
~次の日のライド~
頭が痛いな。
犬の名前が決まった。
寝てる時にフェナという名が思い浮かんだそうだ。
しかし……
「可愛いな~」
「ワン!」
「ちょっとだけエルムが寂しそうにしてる気がする!」
徐々に人外が増えてる気がするんだが。
ミアとて、エルフだから人ではないし……次は天使でも仲間にするのか?
あらためて考えてみると、リラはよく分からんヤツだ。
村人から何故か勇者。
武器は、そこら辺に落ちていた木の棒。
魔法は使えない。
戦闘経験も皆無。
町や建物の構造を理解する謎の特技。
わけが分からん。
まあ、暇にはならないが……戦闘を丸投げにする勇者はどうなんだ?
「む、なにやらバカにされた気配が……まあ、バカですが」
「早く行くぞ」
「はい、分かりました」
「は~い」
「ワン!」
各々が荷物を持つ。
昨日の内に、食料や水の買い物は終わっていたので、すぐに準備が整う。
「このナメコ、何に使うんですか?」
「え?……さあ?」
「わふ?」
……昨日、エルムが捕食していたヤツか?
「あれ?僕、こんな所に酒なんか入れてましたっけ?」
「あ、それ私だ!」
「わふ!」
「……おい、早くしろ」
何時まで時間を掛ける気だ?
「何故生肉が……」
「それは、フェナちゃんだよ」
「!?」
……先に行く事にした。
次は、誰が仲間になるにしても……まともなのが良いな。
~エルム~
(我の非常食を忍ばせておいたのだが、気付かれたか……アレがなかなか美味いのだよ……それにしても、個性的なメンバーになってきたな?まあ、我には関係無いが……それにしても、あの犬……呪いにしては、負の力を感じんな……どうでもいいか、そのうち分かる事だ……今は、この旅を楽しむとしようではないか……しかし、リラのやつめ……あの毛のどこがいいのだ?我には分からんな)
そんなこんなで、また旅立つ。
ライドに追いつくのに、半日はするとも知らずに。
猫を出したい。
あと、竜?的なもの。
何か考えるか。