表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

初戦闘……レベル差のご注意を?

主人公弱。


まあ、頑張った方だね。


きっと強くなってくれる……はず!

目の前にドラゴンがいる。

いやいやいやいや、冒険の最初はスライムとかじゃないんですか?

戦闘すらした事ないのに、どうしろと?


「突っ立てると食われるぞ!」

「え?うわぁ!?」


ライドさんの一喝で、頭から捕食される事は無かった。

もう、逃げても良いじゃないですか!


「しっかり戦え!」

「無理です!」

「なんか、武器とか使えないの~?」


武器?

村の武器屋での事を、思い出す。

たしか、鉄の剣を持ったら……いや、持てなかったか。

持つには持ったが、重すぎて一回も振る事が出来なかった。

なので、宣言する。


「看板なら持てます!」

「……つかえない奴だ」

「役立たず~」

「村人に何を期待してたんですか!?」


村の入り口に突っ立て、旅人が来たら村の名前を教える。

それを毎日の仕事にしていた僕に、何を求めると!?


「なら、邪魔にならないように逃げておけ」

「分かりました!!」


自分でも、凄い速さで動いたと思う。

ライドさんは、怒りをぶつける様に、ドラゴンに向かっていった。

ミアさんは、木の上でジャンプしながら矢を射る。

僕は、木の影に隠れる。


「しょうがないですよね?僕、一回も戦った事無いですし」


自分にいい訳をして、座り込む。

すると目の前に……青くて丸い体をプルプル揺らすスライムが……現れた。


「……………こ、こんにちわ」


僕の挨拶を無視して、襲い掛かってくる。

武器になる物は!?何かないか!?

固めの木の棒が、目に入った。

それを握り、スライムにぶつける。

軟らかい感触が、棒から手に伝わってくる。

スライムが地面でワンバウンドして、お互いに向き合う。


「クッ!戦いなんてやめましょう!お互いの為になりません!」


無駄だと分かっていても、戦闘を回避できないか説得をする。

やはり、その言葉を無視して突っ込んでくる。

それほど速くないが、一般人からしたら結構なスピード。

例えるなら、小型犬が走ってくる速度。

手に持った棒を横薙ぎにして、スライムを吹き飛ばそうとするが、スライムは……ジャンプした。


「な、なん、うぎゃ!?」


額にタックルを喰らって、倒れる。

スライムもぶつかった勢いを利用して、距離をとる。

……………痛い……頭が、クラクラする。

てか、このスライム強くないか?

いや、賢いと言った方が良いのか?


「うっ……こ、これ以上は、やめませんか?僕を倒しても、あの二人にやられるだけですよ?」


痛くて涙出てきた。

多分、今の僕では、このスライムに勝てないので、何とか戦闘をやめさせようとあくまで説得する。

しかし、二人にやられると言った時に、動きが止まった。

理解、しているだと!?

生憎、スライムに口は無いので会話は出来ないが、このスライムの賢さが分かる。

もしかして、助かる?


「確かに、僕は弱いですけど……あっちの二人は、すごい強いみたいですよ?」


僕とスライムの低レベルな戦闘の向こうでは、魔法戦士、弓兵、ドラゴンの高レベルな戦闘がおこなわれている。

時折、雷が落ちたり、爆発したり、矢の雨が降ったり、木が薙ぎ払われたり、ほんとに人間かどうか疑う戦闘を繰り広げている。

スライムは、考えているのか動かない。

襲い掛かってくるかもしれないので、僕はスライムを見続ける。


「どうです?僕を無理して倒すより、もう少し長生きした方が良くないですか?」


するとスライムは、ゆっくりと僕に近付いてくる。

僕の足にくっ付き、上に上がってくる。

攻撃してくるわけではないので、僕は何もしない。

頭に乗った所で、停止する。

何がしたいんだろう?


「あ、あの~何故頭の上に?」


プルプル体を揺らして、何かを伝えようとする。


「え、えっと……一緒に、行く?」


なんとなく言ってみたら、当たりだった様で、だら~んとし始める。

ベタつくわけでもないし、溶かしてくるわけでもないし、むしろ、涼しい。


「……よ、よろしく」


こうして、初めての戦闘を敵を仲間にする事で、乗り切った。

あと、木の棒が僕の武器になった。

ライドさんとミアさんに、殺されないよね?


~合流~


スライムが、仲間になったことを伝えると……


「まあ、いいんじゃないか?魔物を仲間にする奴なんて、始めて見たが……お前の特訓相手としても、丁度良いだろ」

「スベスベ~プニプニ~ふよふよ~スライムって、よく見ると可愛いね~」


意外と受け入れられた。

……良く考えると、皆、僕より強い?

……いいんだよ、所詮、僕は村人だもの。

あ、ドラゴンは逃げたらしい。


こうして、予想外の仲間を連れて、魔王城に向かう。

僕……途中で、死ぬかもしれない。


~スライム~


(平和主義の甘ちゃんだと思ったが、適応力と度胸はある……それに、魔王を倒す事になった元村人の勇者、これほど面白そうな奴と一緒に行かないなどありえん……ライドとミアと言ったか、まだまだ実力を隠しているようだが……さて、リラがどう生きるのか……これから楽しみだ)


実は凄いスライムだという事を……まだ、誰も知らない。

何スライムだよ。


てか、戦闘か?


まあ、良いよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ