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エドガー・アラン・ポー『Annabel Lee』より 意訳・翻案

作者: yuta
掲載日:2026/10/27

「エドガー・アラン・ポー『Annabel Lee』より 意訳・翻案」


遥か昔のことだった。

海辺に佇む王国に

ひとりの少女が住んでいた。

誰もが惹かれるその乙女、

アナベル・リーという乙女。

私を愛し、愛される、

それしか願わぬ人だった。


幼いふたりはまだ無垢で、

あの海辺の国に生きていた。

私とアナベル・リーはそう、

恋より恋うる、ただふたり。

天に住まう高潔な人でさえ

ふたりを深く羨むほどに。


天上のはらからも、

私とアナベル・リーには及ばない。

私とアナベル・リーの半分も、

彼らは愛を知らなかった。

それゆえ彼らは、ふたりを妬んだ。


雲から冷たい風が吹き、

私のアナベル・リーを凍らせた。

私と彼女の愛ゆえに、

彼らは彼女を奪ってしまった。

その妬みから、その羨みから。

彼女の命を、奪ってしまった。


彼女の高貴な血族が、

私から、アナベル・リーを引き離し、

その愛しき亡骸を、

暗く冷たい奥津城《おくつき》に閉じ込めた。


だが、アナベル・リー、

私たちより年上の者よりも、

私たちより賢いすべての者よりもなお、

ふたりの愛は深かった。

ふたりの愛は強かった。


天のはらから、水底《みなそこ》の悪魔。

私の恋うる魂を、

彼らはアナベル・リーから離せない。

その魂を、その愛を。


夜ごと私は夢を見る。

月昇るたび、星またたくたび、

美しいアナベル・リーの夢を見る。

あの眩い瞳はいまなお纏う。

皮膚を刺す、震えるような空気にさえも。


夜ごと夜ごとに夢を見る。

潮騒響く闇のなか。

私の恋人、私の命、

我が花嫁の、傍らに、

私はそっと、横たわる。


あの海辺の冷たい奥津城で。

海泣く夜の奥津城で。

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