共通点、宝の在処
「…ここでいいのだろうか…」
悪未は正体が分からないようにマスクを深く被って悪未の行っていた学校に来ていた。花と喧嘩し、金を簡単に手に入れられるゲームを探していると、賞金1億のゲームが開催されるサイトがあり、内容などを確認せずに即座に応募した。だが、今悪未がいる施設は外に出るには偉い人に知らせなければならないが、それをするのが面倒なので学校の帰りに抜け出すことにした。悪未は一人で暮らすには十分な天才的な頭脳と知識を持っていたので、
マンションに引っ越し、花と暮らし始めた。悪未は知識を振り絞って生活をしていた。
ある日、マンションのポストに血のような色に染まった真っ赤なカードがぽつんと置いて
あった。表面には賞ゲと書いてあったが、悪未は気にしなかった。
自室に戻ると、机でポストに入っていたカードをレンズで全体を見ると、右下に◯市××町
小学校に来てください。と書いてあった。しかも、そこは悪未が行っていた学校だ。開催日はなんと月日の卒業式の日だと書いてあった。
「何なんだ?これ。この間の賞金ゲームか?とりあえず行ってみるか…」
悪未は最終日は流石に行くことにし、何があっても金で解決できるように卒業式まで貯金
していた。その金を持ち、悪未は学校へ向かいそして今に至る。
悪未が学校に入った瞬間のことだった。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!
「おりゃ〜」
誰かの掛け声とほぼ同時に俺の真横をパンダ耳?のある短髪の子がすごい速度で通り過ぎていった。
ドガンッ!
反射的に音のした後ろを振り向くと、さっきまで開いていた扉が自動でもないのに閉まっていた。
「⁉︎」
悪未が驚いていると、短髪の子のおでこが真っ赤になっていた。
「いててて…いけると思ったんだけどなぁ〜」
「「だ、大丈夫ですか?(か?)」」
扉には見えないバリアがあり、入った人を外に出さないように設計されているみたいだ。
…俺がいた時はこんなのなかったのにな…なぜ?
悪未が考えていると、さっきドアの前にいた子が全てを吹っ切ったように言った。
「まあいっか!脱出方法はないんだし!とりあえず自己紹介する〜?」
それを聞いていたウサ耳の女の子がつぶやいた。
「そ、そんなァ…来なければよかった…よりによってお兄ちゃんの卒業式に…」
声色が俺の妹に似ているが、そこは気にしないようにした。
「僕から紹介していくね〜!僕は刃悪!刃物の刃に悪魔の悪!日本では禁止されている「悪」が入ってるよ〜あれ「刃」もダメだっけ〜?アハハ。僕は親に暴行されていて逃げ
出したら変なおっさんに招待されてここに幽閉されてるってわけ〜そういや、僕この学校
行ってた〜めんどくさくてやめたけど。死ぬならこういうところの方が好きかなぁ〜」
とリーダー陣をとっている刃悪に続いて他3人が自己紹介をしていった。そして、残った
のは俺とウサ耳の女の子だった。ウサ耳の女の子が自己紹介をしようとしなかったので、
強面の男がイラついて怒鳴った。
「早くしろよ!俺らはもう自己紹介してやったんだぞ!」
この言葉によって、刃悪たちの空気が一気に悪化した。
「ご、ごめんなさい!な、名前は花と言います…」
俺は仲裁してやろうともせず、その空気の一味になっていた。すると、部屋の隅で爪をいじくってる女の人が思いがけない言葉を発した。
「……話すのとかダルいから自分以外の奴らは殺せばいいんだろ。なあ?三神たちを監視してるおっさんよ。」
三神が全てを見抜いたように言うと、俺らのいた部屋の景色、構造が一気に変化した。俺らから見える正面には人が人くらい入れるような大きな奇妙な窪みがあった。すると、さっきまで大きかった窪みに、テレビのような四角い液晶画面が表示された。俺らが戸惑っていると、液晶画面が光った。そして、謎の男が表示された。
「ようこそ… ウクッ… 生と死のはざまを歩んでいる選ばれし方々。これからあなた方の
望む物、億を賭けてゲームを始めましょう。まずはケイドロをしましょう。ウックククク…」
と液晶画面に映っている奇妙なおっさんは言い消えていった。
「ほ、本当にこれがあのネットに書いてあったゲームなのか…?賞金億なのにケイドロを
遊べと?」
「…え?ゲームじゃないの?」
部屋にいるみんなが口々に言っていると、腕に強い電気が走った。
「「「「「「「イタッ…(イテェ…)」」」」」」」
その瞬間、俺らは深い眠りについた…
俺らが目を覚ますと、グラウンドへ来ていた。
「あれ…いつのまにかグラウンドに…」
「ここでの思い出はいっぱいだったなぁ。そういえば今日卒業式だったな…みんなどうしてるんだろ…」
そう。ここにいる人々は何かしろ共通点がある。例えば、俺と強面の荒ラシと
チャラい三神と刃悪が今日は卒業式の日だったとか。そして、ウサ耳の花と言う女の子と
雷のマークが顔に刻まれているちっちゃい男の子が同い年であることなどにも。
「さあ!ケイドロを楽むが良い!おっと!紹介がまだだった!我は磯が龍!我はお主らをサポート&案内人の役割を得ている!これからよろしくであるぞ!」
と声を荒上げて目の前には金色の瞳をした、着物姿の小さいロボット?が仁王立ちしていた。
「これから皆にはケイドロをしてもらう!仲間として戦うもよし!敵として戦うもよしであるぞ!お主らは泥棒役!警察役はわいら磯が竜団がやったるぞ!ルールは…分かるやんな。主らがやっとる遊びやぞな。だが!分からない者のためにに説明する!ケイドロとは、警察と泥棒に分かれて遊ぶ、熱き鬼ごっこじゃぞ。警察は泥棒をタッチして捕らえるのだ!捕まった泥棒は牢屋へ入れ!だが、まだ捕まってない泥棒が仲間に触れれば、再び逃げ出せるぞ!決着はこうだ!警察が全ての泥棒を牢屋にぶち込んだら警察の勝ち!制限時間内に捕まえきれなければ、泥棒たちの勝利だ!ちなみ制限時間は一時間じゃ。テーマは…宝、ゲットじゃ!」
いやいやんな急に言われても無理だろが。だが…足には少し自信があるからな…
「俺…足には少し自信がある…どうして欲しい…?」
荒ラシは少しだけ ニッ っと微笑んだ。
「お、役立たずが少し役立ってくれんのか。じゃ、おりゃあ悪魔を囮にする作戦に賛〜成」
三神も挙手をし、俺を囮にする作戦に賛成した。だが、そこまでだった。出会ったばかりでいきなり殺しあえと脅されているんだ。それは当たり前だろう。
「あ、あの〜私は誰かを囮にする作戦とかは反対します…り、理由は…」
花が意見を言っていると雷刃が突然、喋り出した。
「…遅い。花君が言っていること先に言う。僕らは相手の人数が分からないし、もし相手がロボットで倍近くの数だったら囮として行っても一人か二人だけしか囮に着いていかないようにプログラムされてるかも知れない。だが相手がちゃんとルールを守って挑んでくるなら足の速い人を雇って対峙してくるかも。」
「じゃあどうするのよ無理じゃない私一人でやるわ。効率が悪い。」
刃悪はそれを聞くと心配そうな眼差しを向けていた。
「大丈夫なのかなぁ…?」
あんな奴は案外簡単に生き残るから大丈夫だろ。それよりも俺も一人の方がいいな。と
思い、バリアの端っこの方に行こうとすると、誰かに服を掴まれた。
「んっ。何だ?俺は一人がいいんだ話してくれ。」
「す、すみません…お兄ちゃんに似ていてつい甘えたくなってしまいました…」
とうと花は服から手を離した。とりあえずスタートしたら敵が見えるギリギリのところまで歩くか。
「皆の者準備は済んだか〜?行くぞ?いいな?問答無用!始め!…そういや残り時間
一分になるとグラウンドに大量に水が入ってくるぞ〜!」
スタートの合図と同時に荒ラシが真っ直ぐへと突っ走っていった。さて…俺も行くか…
-ダッ ーー
どこに警察役いるんだ?見えなければ始まらないだろ…と思いながらも悪未はバリアを出ていった。
前から思っていたが現実的にバリアなんて物は意味がないと思っていた。なぜか?バリアなんて物が存在していたらとっくに脱獄犯などがちやほやといるはずだからだ。しかもこれ賞金がかかっているんだ。何か裏があるはず。
悪未がグラウンドの端まで行っても、警察役はいなかった。
「んあ?警察さんよぉ、逃げてちゃダメだぞぉ?おぅら来いよなぁ⁈」
警察役はどこだ?しかもやたらとバリアからの距離が短くなかったか?
悪未、荒ラシ、三神がバリアの反対側に着くとバリアから悲鳴が聞こえた。
「き、きゃあ〜た、助けて!」
「っく…磯が竜め。騙したな…!」
この声は…花と雷刃!
「どうした⁈大丈夫か⁈」
バリアから駆け抜けてくる花と雷刃の後ろにはものすごいスピードで走ってくる警察の服を着た人たちだった。
「こらっ!待ちなさい!」
え。本当の警察じゃねえか?ってか刃悪はどこだ。まさか…つ、捕まったのか?
「そろそろ気付くやつもおるだろうが警察役は新人の足が速い本当の警察官を雇っておる。お主らは我の親戚たちを殺して窃盗をし、謎のデス・ゲームを開催しておると通報しといた。だからその場で殺しても良いと言われておるぞ〜!」
「はぁ⁈それはもう罪の擦りつけてきてるだけだろうが!そんなので普通の警官が騙せれるのかよ⁈」
荒ラシ、もういいんだ。これは賞金がかかっている命を賭けた戦いなんだ。もう既に犠牲者が出ているんだ。奴らが刃悪を殺したんだ。俺らは逃げるしかないんだよ、…
「あ、悪未さん!刃悪さんはまだ死んでいません!刃悪さんは安全な所に避難しています!」
避難?安全な所?そんなもんねぇだろお前らが逃げているんだ。お前らが避難すれば良い話じゃないか。
「信じないかもですけど、刃悪さんはお宝を無事盗めたので上のデッキで私たちを見守ってくださっていますよ!」
あっそう。…待てよ?それが本当なら俺らも宝を探せば勝てるのか?
「宝ってどこにあるんだ⁈」
というより…
「何でバリアから出た⁈」
「自分にしか見えないようになっているみたいで…刃悪さんはそれがちょうどバリアの中にあったようなんです!実は、バリアは意味がなくて、、、そのまま警察官が入ってきたんです!」
やはりな。ここは現実世界。バリアなんて存在しないんだ。宝は自分でしか見えないのか…
俺のは…警察増幅場にある…警察が増えるのか?早く行かないといけねぇな…こうして、
悪未たちは自身の宝に向かって走っていった。
「はぁ…疲れたな。おらよっと。」
《認証しました。斎号 荒ラシ 宝発見。電気発動。》
その瞬間、荒ラシは気絶したのだった。
意味の分からない音声が響く中、悪未と雷刃は宝を集めるのにすごく苦戦していた。
「俺の宝ここら辺じゃないのか?うおっと。」
悪未の宝の在処は次々と警察が突入してくる場所にあるのだ。それを取るには警察をどこかにやらなければならなかった。こうして悪未が考えているうちに、残り時間は一分となり、近くから大量の水の音が聞こえてきた。
「っく…こんなの無理だろうが。水が来てしまう…」
「て、手伝う?…僕もその中に宝あるから…僕が囮になってそのうちに取って。場所は多分君と同じ。両手で同じ場所を捕まえば多分行けるよ。」
「じゃあお願いする。」
雷刃は警察増幅場に突っ込んでった。その後を追うように悪未も警察増幅場に入っていった。
「これか?良いしょっと。」
《認証しました。美香梨 悪未 宝発見。電気発動。》
これでい い の か……カハッ
《認証しました。佐藤 雷刃 宝発見。残り一つ。》