復讐連鎖
エリスたちはエピクロスの指示通り、上の階へと急いだ。
廊下を進むと、突然ゴーレムの咆哮が響き渡った。
「ンゴー!」
エピクロスは驚きの表情を浮かべた。
「このゴーレムは封印されていたもの…!一体誰が封印を解いたのでしょうか。」
「ンゴゴー!」
1体かと思われたゴーレムは次々と増えていく。
「ゴーレムの数が多いわね。エリスたちは上の階に行ってなさい。ゴーレムは私がここで食い止めます。」
エリスは不安げにエピクロスを見て言った。
「あなた一人で大丈夫かしら・・・」
「任せなさい。それよりエリスはこのゴーレムを操っている者を探しなさい。」
「…わかったわ。」
一行は上の階へと向かった。そこには氷のような色の長髪の少女が、何者かと戦っていた。
その少女の感情はほとんど表に出ていなかったが、その美しさは一際目を引いた。
「ここは通さない。氷雪の壁、アイスウォール!」
「凄い…なんて厚い氷の壁!」
エリスはその光景に目を見張った。
「私はエリス、あなたは?」
「ルミ。味方か敵か分かりませんが、味方なら助けてください。」
エリスは振り返り、ルシフェルに目を向けた。
「主様、助けましょう!」
すると突然、敵の声が響いた。
「我が復讐の邪魔をするな!レイン・オブ・ブラッド!」
大きな刀を持つ長い白髪の少女が現れ、その刀を振り下ろすと、凄まじい金属音と共に衝撃波がエリスに襲いかかった。
「危ない!」
ルシフェルが叫んだ。
エリスは即座に反応し、衝撃波を一刀両断した。
少女は驚いた様子で口を開いた。
「お前、よく防いだな。私はカイラ、お前の名は?」
「エリスよ。」
カイラはにやりと笑った。
「お前に興味が出てきた。はたして、この斬撃に耐えれるか?」
カイラは再び刀を振り上げ、猛烈な斬撃をエリスに向かって繰り出した。
エリスは瞬時に回避し、短剣を握り締めて反撃の構えを取った。
斬撃が激しく交錯し、金属音が廊下中に響き渡る。
「この程度じゃ、私は倒せないわよ?」
エリスは叫びながら、カイラに攻撃を続けた。
ルミも加勢に入り、氷の魔法を使ってカイラの動きを封じ込める。
「今よ!」
ルシフェルとエリスはその隙を突いて、カイラに向かって全力で攻撃をした。
「終わりよ!」
カイラは一瞬驚愕の表情を浮かべ、そしてついに膝から崩れ落ちた。
「やる…じゃ…ない…」
カイラはそう言い残すと、意識を失った。
ルミは息を整えながら、感謝の言葉を述べた。
「皆様、ありがとうございます。それにしても、襲ってきた者たちは何を企んでいるんでしょうか?」
エリスは考え込んだ。
「今は何も分からないわ。ただ地獄の秩序が乱れていることに関係がありそうね。」
エリスはルミに向かって質問した。
「ルミは、教頭先生の行方は知らない?」
「教頭先生は強力な魔女を追って戦っているはずです。闘技場の方で激しい戦闘の光が見えました。おそらくそこです。」
「あと…加勢に行ったトゥリの様子を見に行ってくれませんか?赤髪の炎を使う魔法使いです。」
「わかったわ。」