光の調停者
クリスは不敵な笑みを浮かべ、ルシフェルとエリスを見下すように立っていた。
ルシフェルは魔力を集中させ、エリスは剣を構えて戦闘態勢に入った。
「この私、調停者クリスがあなた方を粛清します。」
クリスの言葉が響き渡ると同時に、彼女は手を上げ、強烈な光の魔法を放った。
ルシフェルは即座に反応し、魔法の防御壁を展開した。
「エリス、気をつけろ!」
防御壁は光の魔法を受け止めたが、その威力は強く、壁に亀裂が入った。
エリスは素早くその隙を突いて前進し、クリスに向かって突進した。
「あなたの魔法なんて効かないわ!」
エリスは短剣を振りかざし、クリスに向かって斬りかかる。
しかし、クリスは冷静に手を振り、エリスを弾き飛ばす魔法を放った。
エリスは空中で体勢を整え、地面に着地した。
「しぶといわね。」
「あなたこそ!」
ルシフェルは再び魔法を発動し、雷の魔法を詠唱し始めた。
「天の雷よ、我が敵を討ち倒せ!」
雷鳴が轟き、巨大な雷がクリスに向かって落ちた。
クリスは瞬時に防御の魔法を展開し、雷を受け止めたが、その威力に押し負け、後退した。
「さすがの魔力・・・、だがこれで終わりではない!」
クリスは両手を広げ、魔法を使って無数の光の剣を生成した。
それらの光の剣はルシフェルとエリスに向かって襲いかかった。
「そんな小手先の魔法!」
エリスは剣を輝かせ、光の剣を切り裂きながらクリスへ突撃した。
「ここで終わらせるわ!」
エリスはクリスに攻撃を仕掛けたが、クリスは冷静に微笑み、呟いた。
「ふふふ、罪はいつか裁かれる…」
その言葉と共に、クリスは背後に闇のポータルを開き、一瞬でその中へと飛び込んだ。
「待ちなさい、クリス!」
エリスは叫びながら追いかけようとしたが、クリスはまばゆい光を発し、その姿は消えた。
エピクロスがエリスの肩に手を置き、静かに言った。
「追いかけても無駄よ。まずはこの状況を解決するのが先でしょう?」
エリスは悔しそうに唇を噛みしめたが、すぐにその手を振り払った。
「あなたに言われたくないわよ。」
「エリスとエピクロスってどういう仲なんだ?」
「別に。」
エピクロスは笑みを浮かべ、昔を懐かしむように言った。
「昔はあんなにかわいい生徒だったのに、どうしちゃったのかしらね~。」
エリスはその言葉に少し顔を赤らめた。
「そんな過去のことより、先を急ぐわよ。」
一行は再び進み始め、デモンズ魔法学校の廊下を歩き続けた。