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第97話 ブラースでの戦い

今回は倫子サイドです!

 倫子達は空を飛びながら、ブラースへとそのまま向かっていた。街の情報によると普通の街で特徴的でない事が確認されている。

 空を飛んでから数分後、ブラースの街並みがようやく見えてきた。


「あっ、あれがブラースね。ここは普通の街だけど……何これ!?」


 倫子が目の前の光景に驚きを隠せず、ヒカリ達も動揺してしまう。何故ならそこは遊園地のエリアでアトラクションも多数あるのだ。普通ならこんな街ではないのだが、何者かによって改造されたのだろう。


「どうやらアークスレイヤーによってやられただろう。早速中に……来るぞ!」


 ノースマンがブラースの街中に移動しようとした直後、何者かが空を飛びながら彼等の元に近付いてきた。

 それはサイボーグの男であり、左目は眼帯で隠されている。服装や見た目からしても、明らかに敵である事には間違いない。


「貴様等、選ばれし戦士達だな」

「オルベイル……こいつがブラースのボスか!」


 ノースマンがオルベイルの姿に冷や汗を流したその時、空飛ぶペンギン達が一斉に姿を現す。しかも、頭にはプロペラヘルメットを被っているのだ。


「何これ!?」

「こんな奴は初めて見たぜ!」

「こいつ等はコマンドペンギン!やれー!」


 オルベイルの合図でコマンドペンギンは銃を構えて発砲し始め、ヒカリ達は素早い動きで回避を開始する。


「させない!マジカルハート!」


 ヒカリはマジカルハートを二、三匹のコマンドペンギンに直撃させ、スピリットに変化させて自身のバングルの中に入れた。しかし、戦力を奪うだけではそう簡単には倒せず、ここからどう動くかだ。


「いくらコマンドペンギンを仲間にしても、マジカルハートだけでは全て倒せないぞ!」

「それはどうかしら?」


 ヒカリはバングルの中からスピリットを放出し、コマンドペンギンとファルコス、リトルドラゴンとリトルペガサスを召喚。そのまま彼等は敵に対して攻撃を仕掛け始めた。


「まさかここまで考えるとはな」

「私を甘く見ると痛い目に遭うからね。倫子さん、オルベイルとの戦いは大丈夫ですか?」


 ヒカリは倫子に質問しながら声をかけ、彼女は笑顔を見せてコクリと頷く。


「大丈夫。相手が誰であろうとも、私はここで立ち止まらないから!それに……零夜君も頑張っている以上、私も本気を出さないと!」


 倫子は笑顔で応えた直後、オルベイルに視線を移して準備体操を行う。彼女は零夜が頑張る姿を見ると、自身も負けられない気持ちが強くなる。もしかすると彼との関係は良好で、下手したら恋愛関係に繋がるかも知れないだろう。


「小娘が相手か。やるからには容赦はしない。死あるのみだ!」

「その言葉、そっくり返してやる。覚悟しいや!」


 倫子とオルベイルが同時に飛び出し、激しい拳での殴り合いが幕を開けた。両者とも素早い動きを繰り出しながら、激しい攻防を繰り広げている。


「拳と拳のぶつかり合い……零夜とエヴァなら大丈夫だけど、まさか倫子もこの様な戦いを得意とするなんてね……」

「けど、オルベイルは何かを仕掛けてきます。気を付けないとまずいかも知れません」


 アミリスが真剣な表情で見る中、ジェニーは不安な表情でこの戦いを見つめる。オルベイルはサイボーグなので、銃や刃なども仕込んでいる。

 もし、それが現実なら、苦戦は免れないだろう。


(相手がサイボーグでも、何かを仕掛けてくる。ここは強烈な一撃で終わらせるだけや!)


 倫子は真剣に心の中で推測しながら、ウィザードガントレットに魔力を込め始める。どうやらこの一撃で倒そうとしているみたいだ。


「その拳では俺は倒せない!」


 するとオルベイルの腕から銃口が飛び出し、倫子に向けて放とうとする。嫌な予感は的中していたので、絶体絶命となってしまった。


「やっぱり!オルベイルは銃口を仕込んでいたわ!」

「倫子さん、危ない!」


 アミリスはすぐにオルベイルが奥の手を使った事を察し、ジェニーは倫子の元に急いで駆けようとしていた。


「今更気付いても遅い!覚悟しろ!」


 オルベイルが銃口から銃弾を連続で放った直後、突如倫子がニヤリと笑っていたのだ。


「カウンターバリア!」


 なんと日和が倫子の前に移動し、自身と彼女の周りに球形のバリアを発動。次々と銃弾は弾き返されていき、オルベイルに襲い掛かってきた。


「くっ!」


 オルベイルは跳ね返ってきた銃弾をガードしたその時、倫子がスピードを上げながら襲い掛かり、強烈パンチを彼の顔面に喰らわせた。


「がは……!」


 オルベイルが攻撃を喰らって後退したその時、日和がすぐに彼の背後に襲い掛かる。


「これでも喰らいなさい!バインド!」


 日和のバインドはオルベイルを締め付けてしまい、身動き取れないように固定した。


「しまった!」


 オルベイルが自ら動けなくなった事に気付いた直後、倫子と日和は空を飛びながら彼に接近していく。彼女達の背中からは殺気のオーラが出ていて、彼は思わず冷や汗を流してしまう。

 

「アンタはウチ等が何もしてないと思ったん?ソニアと杏、マーリンは下に降り、ジャコバンズ戦闘員達をボコボコにしとる。ヒカリちゃんはコマンドペンギン達を倒し終え、住民の安全確保に入っとる。完全にアンタの負けや」

「なんだと!?そこまで動いていたとは!」

「今更気付いても遅いで!」


 倫子の説明にオルベイルが驚いたその時、彼女と日和が駆け出して強烈なダブルハイキックを炸裂させる。それだけではなく、空中ダッシュからの新人賞も炸裂。彼はそのまま地面に落下していく。


「逃さへんで!」

「終わらせるから!」


 倫子と日和は右のウィザードガントレットを銃形態に変形させ、そのまま墜落していくオルベイルに狙いを定める。更に自動で狙いを定める事も可能で、どんな敵でもロックオンしてしまうのだ。


「「ダブルブラスター!」」

「ぐあああああ!!」


 倫子と日和のウィザードガントレットの銃口から、波動のブラスタービームが発射された。そのままオルベイルに直撃して大ダメージを与え、大爆発まで起こしたのだ。


「どうなったのかな?」


 日和が爆発の方向に視線を移すと、煙は晴れていてオルベイルの姿もなかった。どうやら爆発によってやられてしまい、消滅したのだろう。

 同時にブラースの街並も元に戻っていて、この街も解放する事に成功したのだ。


「「やった!」」 


 倫子と日和が抱き合いながら、お互い笑顔になっていた。そこにアミリス達も駆け付け、彼女達の勝利を祝福していた。


「その様子だと、無事に成功したみたいだな」

「うん。残るはコンコルド。零夜君達もベルザルを倒しているし、ウチ等も早く急がんと!」


 倫子の合図に全員が頷いたと同時に、空を飛びながらコンコルドへと向かい出した。

 ロベリアにある革命軍本拠地も、残るはコンコルドのみ。同時にこの国の革命騒動も、終わりを告げようとしていたのだった。

残すはコンコルド!戦いはどうなるのか!?


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― 新着の感想 ―
[良い点] オルベイルさんは消し飛んだと見せて実は、でも面白いなとも思いつつ。左目に眼帯でサイボーグは大概敵なのですね。見事に定番でした。今回もとても面白かったです。
[一言] 倫子達もさすがでした!! そして目指すはコンコルド。 これは期待です(*´ω`*)
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