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第61話 変態スライム、再び

今回はあのスライムがまた来ます!

 零夜達はホムラの街からアークスレイヤーのアジトへ向かっていた。アークスレイヤーの猛攻を食い止めるには攻めるしか方法はなく、彼等はすぐに行動を開始していた。


「この辺りは大丈夫みたい」

「そう簡単に敵が出るはずが無いもんな……」


 アミリスとソニアは冷静に辺りを見回しながら先に進むが、油断は禁物と言える。彼女達が普通に歩こうとしたその時、茂みの中から変態スライムの一匹が姿を現した。


「また変態スライム!?」

「いい加減にしなさいよ!」


 変態スライムを見たミミ達は一斉に攻撃を開始しようとするが、変態スライムは多くの仲間を呼んでしまった。その数は五百以上であっという間に彼女達を囲んでしまう。


「もういい加減にしなさいよ!変態スライムは懲り懲りなんだから!」


 ミミが頬を赤く染めながら叫ぶ中、ヒューゴ達はこの光景に疑問を浮かべていた。彼等は変態スライムに遭遇していないので、疑問に感じるのも無理はない。


「変態スライムってどんなモンスターだ?」

「奴等は女性達の服の中に入り、イタズラをしまくるとんでもないモンスターだ!ミミ姉達も奴等にやられてしまった……」

「「「ええっ!?」」」

((なんか嫌な予感……))


 零夜からの説明にヒューゴ達は驚いてしまうのも無理なく、紬とクロエはゾッと背筋を伸ばしながら悪寒を感じていた。あの様な変態モンスターに出会ってしまったら、そうなるのも当然だ。

 変態スライムはミミ達の服の中に一斉に入ってしまい、そのまま移動しながらイタズラを開始してしまう。


「いやーっ!止めてー!」

「んやっ!そこは……」

「うう……嫌な感触……」

「なんで私まで……!」


 ミミ達は勿論、ジェニーまでも変態スライムに服を入れられてしまい、涙目で抵抗する羽目になってしまう。この攻撃は女性にとっては地獄其の物であるので、この様なモンスターと出会えば最悪の展開になる事は間違いない。

 その一方で男性からすれば嬉しさもあるが、ヒューゴ達は目を閉じながら視線を逸らしていた。まあ、彼等にとっては恥ずかしさもあるし、見てしまったら今後の戦いにも影響が走るだろう。


「うわっ!こっちにも来た!」

「早くなんとかしてください!」


 変態スライムはクロエと紬にも寄ってきて、彼女達は思わず叫んでしまう。その様子を見た零夜はすぐに戦闘態勢に入り、息を大きく吸い込んで目を見開く。


「こうなったら……忍法火炎の術!」


 零夜は口から炎を吐いて変態スライム達を次々と倒しまくり、スライム達は次々と素材と金貨となってしまった。同時に紬とクロエに襲い掛かろうとした奴等も同じ様になってしまい、彼女達は思わず安堵のため息をついた。


「すぐに離すぞ!」

「我慢してくださいっす!」

「少し我慢せんか!」


 ヒューゴ達はミミ達に付いている変態スライムを、次々と彼女達の身体から引き剥がして投げ飛ばした。投げ飛ばされた変態スライムは木や地面に次々と激突し、素材と金貨に変わってしまった。

 投げられる度に次々と数が減る中、変態スライムの増援が襲い掛かる。


「そうはさせないわ!アラウンドフレイム!」


 しかし、クロエの魔術で自らと仲間の周囲の地面から、大きな炎の壁が出現。変態スライムは炎の壁に当たってしまい、次々と素材と金貨に変えられてしまった。


「これ以上変態はお断りよ!」


 クロエが素材と金貨に変えられた変態スライム達を指さしながら、強気で宣言をする。その間に紬は変態スライムにくっつかれたミミ達の身体を、綺麗シートでキュッキュッと拭いていた。

 紬は綺麗好きの一面があるので、一日に掃除活動をするのが日課である。その為、ミミ達に付いている汚れを綺麗に拭き取るの事も、自ら率先して行っているのだ。


「もう大丈夫です!」

「ありがとう!残るは後一匹。あそこにいるわ!」

 

 ヒカリは身体を綺麗にしてくれた紬にお礼を言った後、ガタガタ震えている一匹の変態スライムを指さしていた。その様子だと戦いたくない気持ちが強い為、それに気づいたソニアはヒカリに視線を移す。


「この様子だと仲間になりたいみたいだな。悪い事はしないみたいだし、仲間にしたらどうだ?」

「そうね。じゃあ、そうしましょう」


 ソニアのアドバイスを受けたヒカリは、ゆっくりと変態スライムに近づき始める。そのまま笑顔で彼の頭を撫でた瞬間、変態スライムの色が変わって普通のスライムになってしまった。


「スライムになった!」

「意外な事もあるのですね……」

「どういう事なんだろう?」

「うーん……」


 変態スライムが普通のスライムになった事で、ヒカリ達は驚くのも無理はない。しかし、なんで変態スライムが普通のスライムになったのか気になる中、それを聞いたトラマツがある事を思いつく。

 

「このスライムは感化されて変態スライムになったみたいだ。本来なら何も悪い事はしない筈だが……」

「こんな現象もあるのかよ……」

「普通ならあり得ないな」


 トラマツの説明にアカヤマとノースマンは唖然としながら納得するが、彼は更に説明を続ける。


「また、ビーストテイマーになるとモンスターを簡単に仲間にできるけどね」


 トラマツのさらなる説明を聞いたヒカリはすぐに反応し、興奮の状態で彼の肩を掴んでしまう。


「な、何!?」

「その称号、欲しい!お願いできる!?」

「欲しかったらレベルアップするのみだね。そうしたらビーストテイマーの能力を手に入れる事が可能だよ」


 トラマツからのアドバイスを聞いたヒカリと紬はすぐに目を輝かせ、彼女達は新たな決意をしながらガッツポーズを取った。

 

「よし!だったらモンスター狩りでレベルアップ!」

「私も行きます!」


 ヒカリと紬は目的を変更してモンスター達を狩りに向かうが、エヴァが真正面から立ち上がって二人をムギュッと抱き上げる。どうやら彼女達が暴走しているのを黙ってみている訳にはいかず、この様な行動を取ったのだ。


「気持ちは分かるけど、我慢しなさい!今はアークスレイヤーのアジトでしょ?」

「そ、そうだった……ごめん……」

「すいません……」

「目的を見失うと暴走するからな……その気持ちはよく分かるぜ……」


 エヴァに指摘されたヒカリと紬は、落ち着きを取り戻しながらしゅんと謝罪をした。それを見た零夜は同情のため息をつくしかなかった。


「さあ、早く急ぎましょう!」

「モタモタしていたら攻め込んでくるし、急がないとね!」


 ジャンヌと倫子の合図に皆が一斉に頷き、そのままホムラ支部のアジトへと再び向かい始めた。

零夜達は先に進みました。果たして今後がどうなるのか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] ただのスライムではないというね。女性陣はまたも受難でした。今回もとても面白かったです。
[一言] また変態スライム登場。 そしてスライムを倒すとなんと普通のスライムに代わる。 これはビーストテイマーの力か。 次なる戦いに期待です!
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