第58話 暴走アルフレッドとの戦い
今回はアルフレッドの暴走で大変な事になりそうです!
怒りの咆哮を上げたアルフレッドは完全に少気を失い、何もかも破壊する戦闘マシーンに変わり果ててしまった。その様子に零夜達は警戒しつつ、救出された人々と街全体の安全を配慮しながら戦う事を強いられている。まさに責任重大と言ってもいいだろう。
「アルフレッドが憎しみによって暴走した以上、彼を容赦なく倒すしか無い。零夜、覚悟はできているかい?」
ヒューゴからの真剣な質問に、零夜は同様に頷きながら返す。アルフレッドが魔族になった以上、彼は正々堂々戦うしかないと最初から決めているのだ。
「問題ない!誰が相手であろうとも、俺達はここで立ち止まる様な輩じゃないからな」
「誰もが皆戦う覚悟をして示している。あんな奴に負けたら……誰がアークスレイヤーを倒すのよ!」
零夜とヒカリの叫びにジャンヌ達は一斉に頷き、彼等は武器を構えてアルフレッドを睨みつける。
「行くぞ!戦闘開始だ!」
「「「おう!」」」
零夜の合図と同時に、彼等は跳躍して空を飛び始める。上空にはアルフレッドがいるので、空中戦は確定だ。
「殺す殺す殺す!誰が相手であろうともな!」
アルフレッドは殺気を振り回しながら、口から闇の光線を容赦なく吐いてきた。
零夜達は次々と光線を回避しながら、アルフレッドに次々と攻撃を当てていく。しかし、今の彼にあまり大した効果はなく、むしろ余裕そうな表情をしている。
「私達の攻撃が全然効かない!」
「マジかよ!こいつはヤバいんじゃないか!?」
「苦戦するのも無理ないです……」
予想外の事態にアミリス達は驚きを隠せない中、ミミは真剣な表情でアルフレッドに視線を移す。そのまま彼女は冷静に考え始め、すぐに閃きながら作戦を思いつく。
「今のアルフレッドは魔族となっているから、通常攻撃は駄目となるみたい。ここは光の属性攻撃で攻めるしか無いわ!」
ミミの推測に全員が頷いたと同時に、彼女達は武器を光の属性の武器に変え始める。そのままヒューゴ達も空を飛びながら合流し、全員で光の属性攻撃を仕掛け始める。
「「シャインスラッシュ!」」
「「シャイニングナックル!」」
「シャインアロー!」
「シャインブレイド!」
「「シャインマジック!」」
「シャイニングランス!」
「閃光拳!」
「光翼破壊斬!」
ミミとソニアの斬撃、エヴァとキララの光の拳、アミリスの弓矢、ヒューゴの剣技、紬とクロエの魔術、ジャンヌの槍術、ジェニーの光の拳、ガンテツの斧の一撃がアルフレッドに直撃してダメージを与えていく。
ところがアルフレッドには全然効果がなく、身体を掻きながら余裕の表情で平然としていた。
「全然効かない!やはり魔族の指輪を破壊しないと無理だ!」
トラマツは冷や汗を流しながら叫んでしまい、その場にいる全員が驚きを隠せないのも無理はない。魔族となったアルフレッドは完全無敵となってしまっているのだ。
「そんな!他に方法はないの!?」
「強烈な光魔法を放てば上手く行けると思う。だが、彼に効果がないとなると厳しくなるだろう……」
「そんな……」
トラマツの真剣な推測に倫子が冷や汗を流した直後、アルフレッドはヒューゴに接近して彼の顔面を殴り飛ばした。
「がは……!」
「ヒューゴさん!」
紬が叫んだ直後、ヒューゴはそのまま垂直に落下して頭から地面に激突。そのまま彼は失神してしまい、戦闘不能になってしまった。
「勇者ヒューゴが倒れてしまうとは……これは手強くなるぞ……」
ヒミカはヒューゴの元に駆け寄って彼を介抱し始めたその時、アルフレッドはガンテツを右足で強烈に蹴り飛ばした。
「ぐおっ!」
「ガンテツ!」
ガンテツまでも屋敷の壁に激突して大ダメージを喰らってしまい、そのままズルズルと落下しながら地面に落ちてしまった。
あっという間に二人が戦闘不能になったその時、アルフレッドは獲物を狙うような目で零夜を睨みつける。自身の計画をぶち壊した元凶は、早めに始末しようと考えているに違いない。
「狙いは俺という事か……奴とは戦うしか無いみたいだな!」
覚悟を決めた零夜は駆け出したと同時に、魔族のアルフレッドとの激しい攻防戦を再び繰り広げ始める。零夜の忍者刀とアルフレッドの拳がぶつかる毎に火花が飛び散り、両者互角の展開となっていた。
(魔族のアルフレッドはそう簡単にはいかないみたいだ。けど、いい敵に出会えたのは感謝しないとな!)
零夜が心の中で良きライバルに恵まれたと思った途端、アルフレッドが突然黒いオーラを身体中から放出してきた。それを見たトラマツは危機感を感じ取り、すぐに零夜に視線を移す。
「気を付けろ、零夜!アルフレッドの黒いオーラは、自身の能力を最大限に強化する合図だ!」
「なんだと!?」
トラマツからの忠告に零夜が驚いたその時、アルフレッドが彼に向けて左の拳を放ってきた。
「チッ!」
零夜は忍者刀でガードしたが、アルフレッドの猛攻は止まらない。時間が経つほど強さを増していき、防戦一方で苦戦を強いられる様になってしまう。
このままだと零夜が倒れるのも時間の問題だ。
「私達も援護しないと!」
「ええ!」
倫子達も零夜を援護しながら次々とアルフレッドに攻撃を当てるが、今の彼には全然通用しない。逆に強烈なパンチがルリカに襲い掛かるが、彼女はシールドを構えて攻撃を防ぐ事に成功した。
「あ、危なかったです……」
ルリカは盾で攻撃を防いだ事に安堵している中、ヒカリは冷静になりながら自分の心臓に手を当てる。どうすれば魔族となったアルフレッドを倒せるのか考えながら、目を閉じて静かに瞑想を行い始めた。
(アルフレッドを止めなければ私達はここで終わってしまう……ここで絶対に諦めたくないけど、どう倒せれば良いのか分からない……何か方法があれば……)
ヒカリが心の中でどうすればいいのか考える中、突然バングルが光輝き出した。
「へ?一体何!?」
この光景にヒカリが慌てながら驚いたその時、バングルの中からモンスターが飛び出して彼女の前に降り立つ。
そう。ヒカリの前に現れたのは、彼女の使い魔であるミノタウロスだった。
ピンチの時に現れたのはミノタウロス!果たしてどうなるのか!?




