第41話 衝撃の事実とこれから
今回はサーシャ達からの報告です。
ギルドに帰った零夜達は報酬を受け取りつつ、奴隷達はギルド管理協会が預かり、奴隷商人は兵士達に連行される事になった。
その後、零夜達はカフェでアーニャとサーシャの話を真剣な表情で聞いていた。
「まさか私がいない間にシルバーウルフの村が大変な事になるなんて……」
彼女達の話を聞いたエヴァは驚きを隠せずにいるのも無理はなく、アーニャとサーシャは真剣な表情でコクリと頷く。
「ええ……二日前に私達の村が襲撃されていたの……ベイブの指示に動いていた兵士達の仕業と分かったのはその後よ」
「ベイブ……ホムラ支部の幹部と聞いているけど、今の私達のレベルは二十二ぐらい。今のままでは駄目だし、それまでにもっと強くならないと」
アーニャの説明にヒカリは納得するが、自身のレベルの低さに痛感してしまう。零夜達も同じく自身のレベルの無さに項垂れるしかなかった。
「それで……村はどうなったの?」
「完全に滅んでしまい、皆は散り散りになってしまった……女性達は奴隷として別々の馬車に乗せられてしまい、村長や他の皆は殺されてしまった……」
「更に私達は奴隷商人に売られてしまい、今に至るの……」
エヴァの質問にサーシャとアーニャは涙を流しながら報告し、それを聞いたエヴァは顔面蒼白になって呆然としてしまい、零夜は悔しそうな表情で拳を握りしめ、ミミ達は涙目となってしまう。
「じゃあ、私の弟であるアルバスも……」
「勿論殺されていたわ……仲間を守る為に立ち向かったけど、ベイブによって斬殺されたわ。首と胴体を切断して……」
「そんな……」
エヴァはショックで呆然としてしまい、零夜はますます怒りで拳を強く握ったと同時に、すぐに勢いよく立ち上がる。
「零夜?」
「ごめん……暫くは一人にさせてくれないか?なんか気分が乗らなくて……」
「別にいいけど……あまり無理はしないでね」
「ああ……」
零夜からの頼みにミミは承諾し、彼はそのままカフェから立ち去って何処かに行ってしまう。それを見ていたヒカリ達は呆然としてしまうが、すぐに気を切り替える。
「ともかく、油断は禁物。シルバーウルフの村をアークスレイヤーが再び襲う可能性もあり得るし、この状況をどうにかしないと」
「そうだな。取り敢えずは皆のステータスを確認しよう。すぐにバングルを起動させるぞ!」
トラマツの合図でヒカリ達は自身のバングルを起動させ、ウインドウを召喚。そのまま画面に映る各自のステータスを確認する。
春川ミミ
レベル22
武器:リングブレード☓2
スキル一覧:回復の舞、属性剣術、トラップ設置、ツンデレ、アクロバティック、不屈の心、跳躍力
固有スキル:ショータイムダンス
藍原倫子
レベル22
武器:ウィザードガントレット
スキル一覧:属性攻撃、ガードバリア、跳躍力、魔法の筆、韋駄天、不屈の心、武器召喚
固有スキル:ビューティーオーラ
国重ヒカリ
レベル22
武器:剣と盾
スキル一覧:モンスター召喚、モンスターハント、属性剣術、回復術、跳躍力
固有スキル:歌のお姉さん
召喚モンスター:スライム、ツノラビ、ファルコス、ブラックボア、ジャックライダー、カーバンクル、トレント、ミノタウロス
エヴァ
レベル22
武器:クロー
スキル一覧:韋駄天、跳躍力、特殊嗅覚、絶対音感、満月覚醒、属性格闘術
固有スキル:特殊怪力
トラマツ
レベル22
武器:槍と盾
スキル一覧:先読み、司令塔、千里眼、属性槍術
固有スキル:天才頭脳
ノースマン
レベル22
武器:剣
スキル一覧:特殊嗅覚、韋駄天、跳躍力、属性剣術
固有スキル:満月の覚醒
アミリス
レベル22
武器:弓矢
スキル一覧:千里眼、鷹の眼、属性魔術、属性弓矢、必中、空中飛行
固有スキル:精霊の加護
ソニア
レベル22
武器:カタール☓2
スキル一覧:空中飛行、跳躍力、格闘術、物品奪取、龍変化、属性斬撃
固有スキル:ドラゴンソウル
ジャンヌ・ダルク
レベル22
武器:槍と盾
スキル一覧:必中、回復術、聖なる祈り、士気向上、天使の翼、属性槍術
固有スキル:救世主の光
ルリカ
レベル18
武器:剣と盾
スキル一覧:特殊嗅覚、韋駄天、跳躍力、属性剣術、回復術
キララ
レベル18
武器:格闘グローブ
スキル一覧:誘惑の尻尾、属性格闘術、回復術、跳躍力、韋駄天
「あれ?私の固有スキルが無いです」
「私も。どういう事?」
ミミ達選ばれし戦士達とトラマツとノースマン達の派遣戦士達は固有スキルがあるが、パートナー契約で結ばれた戦士達には固有スキルがない。
まさに差別的だと一部は思う事があるが、トラマツがこの事について説明する。
「現段階では選ばれし戦士達と派遣戦士達は固有スキルがあるが、一般戦士や傭兵、パートナー契約の戦士達は固有スキルがない。しかし、パートナー契約の戦士達はパートナーとの絆を深める事で、固有スキルを取得する事が可能だ」
トラマツからの説明を聞いたルリカとキララは安堵のため息をつく。自分達だけ固有スキルがない事で、足手まといになるのが怖いと感じていたのだろう。
「一時はホッとしました。私達だけ除け者になったらどうなっていたのか……」
「ええ。けど、無事に固有スキルを取得する事ができるチャンスを得られたのは大きいと思うわ。今はまだまだだけど、精一杯頑張らないと!」
「そうね。私も更に零夜様の力になる為に頑張ります!」
ルリカとキララは自身も固有スキルを取得する為、パートナーとの絆を深めつつ、更に自身のレベルを上げる事を強く誓った。その様子にヒカリ達も微笑む中、エヴァはすぐに立ち上がってカフェを後にする。
「エヴァ?」
「ごめん。私も一人にしたいの……」
「ちょっと!?」
エヴァはそのままカフェから走り去ってしまい、この様子に皆は心配そうな表情で見送るしかなかった。
※
「ハァ……何やっているんだ俺は……」
一方、アルフリード平原では零夜が平原の上で仰向けになりながら寝転んでいた。どうやらエヴァ達の故郷を救えなかった悔しさと、アークスレイヤーの卑劣なやり方に怒りを増していた為、カフェから立ち去って今に至るのだ。
「それにしてもベイブの野郎……シルバーウルフの村まで襲い掛かり、ここまでやらかしてくれるとは……今の俺のレベルはどうなっているのだろう……」
零夜はすぐにバングルを起動させ、ウインドウの画面に映る自身のレベルを確認し始める。
東零夜
レベル22
武器:忍者刀☓2、手裏剣、苦無、火薬玉
スキル一覧:韋駄天、跳躍力、変化術、属性忍法、自動回復術、隠密術、変化の術、不屈の心
固有スキル:不屈の逆転劇
ベイブのレベルはそれ以上の為、今のままでは太刀打ちできない。零夜は悔しさのあまり歯を強く食いしばり、拳を強く地面に叩いた。
「何もできない自分が悔しい……どうすれば……」
零夜が悔しさのあまり目から涙が出ようとしたその時、何処からかモンスターの足音が聞こえる。
「なんだ?」
零夜は起き上がって音のした方を見ると、馬に乗っているベイブを筆頭に、マンモスみたいなモンスターである「バオバオ」が奴隷達を乗せている荷車を運んでいるのが見えた。更にその後ろには兵士達もいる為、シルバーウルフを襲撃した一味に間違いないのだ。
(奴等がそうか……やるなら今しかないな!)
零夜はベイブ達を倒そうと心から決心したと同時に、すぐに立ち上がってその場から移動し始めた。
次回……戦いが始まります!
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