第32話 エヴァVSナマハゲ
今回はエヴァとナマハゲの戦いです!
エヴァとナマハゲの戦いは強烈な殴り合いになり、激しいボクシングの展開となってしまった。彼女の拳と彼の拳が次々と炸裂し、一歩も引かない殴り合いと化しているのだ。
(こいつ……ここまでやってくれるとは驚いたな……少しギアを上げさせてもらう!)
ナマハゲは強烈なアッパーを炸裂しようとするが、エヴァはバックステップで返したと同時に、強烈な右フックのカウンターを繰り出す。その衝撃でナマハゲは後退してしまうが、すぐに耐え切って態勢を整え直す。
「どうやら奴は防御力も高いみたいだ。これは持久戦となるかもな……」
「いくらエヴァでもどう対処できるかだ。大丈夫だろうか……」
トラマツとノースマンが真剣な表情をしたその時、ナマハゲはすぐに自分の肩の上にエヴァを仰向けに乗せ、顎と腿を掴み、自分の首を支点としエヴァの背中を弓なりに反らせる。
「アルゼンチンバックブリーカーだ!」
「エヴァ!」
「いだだだだ!痛い痛い!」
エヴァは苦しそうな表情をしていて、苦痛を歪めながらバタつかせる。このままだと背骨が折れて大変な事になるだろう。
「まずい!エヴァがピンチだ!このままだと大変な事になるぞ!」
「エヴァちゃん、しっかり!」
ソニアとヒカリが危機感を感じたその時、エヴァは抵抗しながらバタつかせ、すぐに拘束から脱出する。
(今の技は効いたかも知れない……けど、私はここで止まる理由にはいかないの!あいつを必ず……倒す!)
エヴァは前を向いたと同時に、すぐに戦闘態勢に入る。背骨を痛めても負けられない覚悟がある限りは大丈夫だ。
「アルゼンチンバックブリーカーを喰らっても耐え切るとはな。強烈張り手で終わらせる!」
ナマハゲは右手に力を込めて強烈な張り手を見舞おうとしていて、エヴァに狙いを定めながら真剣な表情で睨みつける。
「貰った!」
ナマハゲが勝利を確信してエヴァに張り手を繰り出すが、彼女は素早くしゃがんで回避する事に成功。
「そーれ!」
「うおっ!」
そのまま彼の手首を掴んだと同時に、背負投げで投げ飛ばしてしまった。
「あの巨体を……投げ飛ばした……」
「すげぇ……」
この光景にトラマツとノースマンが驚きを隠せずにいた直後、ナマハゲは背中を強打して倒れてしまい、痙攣で動けなくなってしまう。
「そしてそのまま……!」
するとエヴァがその場で跳躍し、宙回転を三回したと同時に、落下の勢いを乗せて強烈な飛び蹴りを仕掛けてきた。
「ライダーキック!」
「ゲボラ!こいつめ!」
エヴァのライダーキックはナマハゲの身体に炸裂したが、彼はすぐに起き上がってエヴァの腹にボディーブローを浴びせる。
「ぐほっ!」
「さっきのお返しだ!馬鹿野郎!」
エヴァが怯んだその時、ナマハゲは強烈な拳を彼女の顔面に炸裂。そのままエヴァは吹き飛ばされて壁に背中を激突してしまった。
「うう……」
「エヴァちゃん、しっかり!」
倫子がエヴァに向かって思わず叫んでしまい、すぐに彼女の元に駆け寄る。それと同時に零夜がナマハゲの前に出て、すぐに戦闘態勢に入る。
エヴァがやられてしまった行為を見て、自身も黙ってはいられなくなったのだろう。
「ナマハゲ!今度は俺が相手だ!」
「ほう。貴様も死ぬ覚悟はできているのか。返り討ちにしてくれる!」
ナマハゲはニタリとあくどい笑みを浮かべながら、強烈な拳を零夜に浴びせようとする。
「させるか!」
しかし、その攻撃を零夜が見切ったと同時に回避されてしまい、逆に強烈な拳を顔面に喰らってしまった。
「ぐほ……(今のパンチは強烈だった……まだ他にも敵がいたとは……)」
ナマハゲは殴り飛ばされて壁に激突してしまうが、すぐに壁から離れて立ち上がろうとしていた。
(こいつはまだやる気か。なら、俺の技で終わらせるのみだ!)
その様子を見た零夜はナマハゲが立ち上がるのを待っていて、タイミングと同時に駆け出していく。
「終わりだ!ナマハ「うおおおおお!」へ?」
零夜が駆け出したその時、エヴァがそれよりも先に早く駆け出していて、強烈な蹴りをナマハゲに当てようとしていた。
「ナマハゲ!さっきのお返しよ!餓狼旋風脚!」
「ぐはっ!」
エヴァは身体を回転しながら跳躍し、そのままナマハゲの顔面に強烈な蹴りを喰らわせた。彼はそのまま勢いよく飛ばされてしまい、地面に再び背中を強打して倒れてしまった。
「ま、まさか……この俺がやられるとは……甘く見ていた俺にも原因があったな……完敗だ……」
ナマハゲは息絶えたと同時に消滅してしまい、残ったのは金貨と金棒だけとなった。エヴァはすぐにその金棒を拾い、それを右手で掲げながら皆の方を向く。
「ナマハゲは消滅したわ。皆、勝ったわよ!」
エヴァの笑顔に奴隷達は抱き合いながら喜びの表情をしていて、ミミ達も微笑んでいた。しかし、零夜に至っては不機嫌な表情をしながらエヴァを睨みつけていて、それに彼女は苦笑いで返す。
「あ……零夜……なんかごめんね……」
「ごめんで済んだら警察はいらないだろ。折角良いところをぶち壊すとはどういう事だ!」
「本当にごめんなさい!」
エヴァが零夜に謝罪したその時、何処からか聞こえてくる足音に危機感を感じる。そう。まだこの基地にはボルグレンがまだ残っているのだ。
「この足音……ボルグレンが来るぞ!」
「奴が来る事は想定済みだからな。俺達で迎え撃つぞ!」
零夜達はボルグレンが来ると感じてすぐに戦闘態勢に入って身構える。しかし、足音はこちらには来ず、別の方向に向かっていたのだ。
「違うみたい……」
「助かったかもね……」
「ふう……」
アミリスは足音が別の方向に向かっている事を実感し、彼女達は安堵のため息をつく。しかし、ノースマンとトラマツは真剣な表情で考え始める。
「何れにしても奴とは戦わなければならなくなるが、まずは奴隷達を連れて全員離脱した方が良い」
ノースマンからの指摘に零夜達は奴隷達に視線を移す。彼女達は武器も持っていないし、能力は解放されたとしてもあまり無理をさせるわけにはいかない。ここは離脱した方が得策と言えるだろう。
「そうだな……じゃあ、ここは離脱した方が……「待ってください!」ん?」
零夜が宣言したその時、奴隷女性の一人である犬の女性が手を挙げる。どうやら何か言いたげなようだ。
「私達の武器、別の部屋にあります……それがあれば戦えますが……」
犬の女性からの説明を受けたソニアはすぐにある事を思いつき、ワープゲートを起動させる。すると、その先には奴隷達の武器がある部屋に通じているのだ。
「アタイはワープゲートで好きな行き先を設定できるんだよ。すぐに武器を取りに向かうぞ!」
ソニアの合図で奴隷達は武器を取りに向かいにワープゲートの中に入り、彼女達も後に続いて中に入る。
武器は勿論棚の上に設置されていて、名前まで書かれている。すかさずソニアは罠が無いか確認した後、彼女の合図と同時に奴隷達は自身の武器を取り始める。
「あった!私の杖!」
「剣と盾もあります!」
奴隷達は自身の武器を取り戻し、嬉しさいっぱいで喜んでいた。それを見ていたソニア達も微笑む中、倫子がとある行動をしていた。
「何してるの?」
「ちょっとね」
アミリスの質問に倫子は口に指を当てながらウインクする。それにアミリス達が疑問に感じる中、奴隷達は武器を全て回収し終える。
「よし!ここはワープして一時離脱だ。皆、中央に集まってくれ」
トラマツの合図で全員が彼の下に集まり、魔法陣を展開する。それと同時に彼等はそのまま基地の外へと転移し、この場から姿を消した。置き土産に倫子が置いていたダイナマイトを残して……
次回はヒューゴサイドの話をお送りします!
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