第267話 衝撃の結末
今回は衝撃の結末が起こります!
「嘘だろ!?アーニャとサーシャがやられたのか!?」
三上はアーニャとサーシャがやられた事に驚きを隠せず、動揺を隠せないのは当然である。彼女達がやられた事は大きな痛手であり、ピンチ状態になってしまうのも無理なかった。
「エヴァのパワーを甘く見ていたのが原因だったな。まだまだ行くぞ!」
「くっ!」
零夜と三上の激しい戦いが続いたその時、待機していた筈のココアが駆け出してきた。仲間が倒されてしまった事を聞き、我慢できずに飛び出したのだ。
「よくもアーニャとサーシャを!ドロップキック!」
「ぐはっ!」
「エヴァ!」
ココアの強烈なドロップキックがソニアに炸裂し、彼女は勢いよく飛ばされてしまう。そのまま地面に激突してしまい、大ダメージを負いながら倒れてしまった。同時にソニアは脱落となってしまい、これで七対六。しかし、勝負は最後まで戦わなければ分からないだろう。
「私を甘く見ると痛い目に遭う。その事については分かっているわね?」
「くっ……!」
ココアの挑発を聞いたエヴァは思わず冷や汗を流してしまう。彼女を甘く見ると痛い目に遭うのは確定と言えるが、この相手にどう立ち向かえば良いのか難しいだろう。
するとミミが駆け出しながら姿を現し、ココアの前に立ちはだかる。ココアが動き出したとなれば、ミミも黙ってはいられない。友でありライバルとしての存在として、この勝負は譲る理由にはいかないのだ。
「まさかココアが動き出すとはね……だったら全力を尽くして戦うしかないわ」
「こっちも同じよ。私もミミと戦う事を待ち望んでいた。この時が来た以上、誰にも邪魔はさせないから!」
ミミとココアは同時に飛び出し、激しい殴り合いを繰り広げ始める。お互い武器無しとなる拳で語り合うしかないと判断した以上、誰にも止めさせる事はできないのだ。
「ここでミミとココアの戦いが勃発!しかも拳での殴り合いだ!これは誰にも止められないぞ!」
ラビリンの実況に観客達からどよめきが起こる。まさかの殴り合い展開に騒然となるのは勿論、敵味方も思わず戦いを止めてしまうのも無理ない。それでもミミとココアは殴り合いを続けていく。
「こうなると……誰にも止められないな……」
「ああ……あの二人は己のプライドを賭けて戦っているからな……」
零夜と三上は冷静な表情をしながら、この戦いを見つめ始める。彼女達の事をよく知っているのは、ミミと幼馴染の零夜、ココアと同級生の三上の二人しかいないのだ。
ミミとココアの戦いはますます激しくなり、強烈な殴り合いが続いていく。ミミの拳がココアの顔面を殴り飛ばすが、彼女は根性で耐えきる。ココアもお返しに蹴り技をミミのお腹に繰り出し、彼女も吐いてしまうが耐えきる事に成功する。
「まさかここまでヒートアップするなんて予想外だったわね……けど、それが私達らしいかもね」
「ええ。私もあなたと出会わなかったら、どうなるのか分からなかった」
二人はお互いを見つめ合ったと同時に、それぞれの拳に力を入れ始める。どうやら次の一撃で勝負を決めようとしているのだろう。
「私達はこんなところで引き下がれない!大切な人の側にいる為にも!」
「それがたとえ茨の道であろうとも、その思いは真実その物!」
『それが私達の……生きた証なのだから!』
ミミとココアの拳である右ストレートは、そのままお互いの顔面に激突する。これぞボクシングにおけるクロスカウンターである。その光景にこの会場の観客、配信で見ている人達、戦いの場にいる零夜達は驚きを隠せずにいた。
そしてミミとココアはそのままうつぶせに倒れてしまい、ダブルダウンを喫してしまった。この光景に観客席から驚きの声が響き渡ったのは無理もない。
(ココア……お前の覚悟は胸に伝わった。だったら俺は覚悟を決める!)
三上は心の中で覚悟を決め、大きく息を吸い込む。大切なパートナーがここまで戦っているとなると、黙ってはいられないのも無理ないだろう。
「立て、ココア!最後までやるのなら、その覚悟を見せてくれ!俺はお前がいたからここまで来る事ができた!だからこそ、立ち上がれ!」
「晴哉……うぐ……!」
ココアは晴哉からの激励となる声援を受け、自分の力で立ち上がる。大切な人の声援が力になるからこそ、何度でも立ち上がる覚悟があるのだ。
「ミミ姉!最後まで諦めるな!俺はアンタの頑張りを誰よりも知っている!ダンスコンテストで優勝した時だって、最後まで諦めずに頑張ったじゃないか!だからこそ立ち上がるんだ!」
「零夜……そうね。私はここで諦めないわ!」
ミミも零夜からの声援を受け、自力で素早く立ち上がる。大切な幼馴染である零夜が側にいたからこそ、今の自分がここにいるのだ。こんなところで倒れていては、皆に申し訳ないと感じるだろう。
「先に立ったのはミミ!そのままトドメを刺しに向かおうとしている!」
ココアは素早く立ち上がろうとするが、片足が上手く立てない。左膝の痛みがまだ残っているので、自力で立ち上がる事が不可能と言えるだろう。ミミはそれを見逃さずチャンスと感じ取り、強烈な踵落としを繰り出そうとしているのだ。
「終わりだ!」
そのままミミが駆け出したと同時に、強烈な踵落としの態勢に入る。それを見た三上が急いで駆け出し、ココアを守ろうと動き出したのだ。
「おい、三上!」
零夜の叫びも聞こえず、三上は無我夢中でココアを守る為に突っ走る。そのままミミの踵落としが炸裂したが、なんと三上がココアを守りながら頭でガードしていたのだ。
「へ?」
「嘘でしょ……晴哉……」
「三上、お前……」
この光景にミミとココアだけでなく、零夜達も驚きを隠せずにいた。勝敗の事なんか気にせず大切な人を守る姿に、誰もが心を奪われてしまったのだ。
「俺は……これ以上……大切な人を……失いたくない……」
踵落としを喰らった三上は倒れてしまい、その場から敗者ゾーンへと転移してしまう。それと同時に戦いのゴングが鳴らされ、第一試合が終わりを告げられた。
「ここで試合終了!キャプテン撃破の為、ブレイブペガサスが決勝進出!しかし三上の行動はまさにヒーローとしての鑑!皆さん、三上選手に盛大な拍手を!」
ラビリンは涙を流しながら実況を行い、観客達も三上の行動に拍手を送り始める。彼の行動に心打たれた者はとても多く、それによって多くのファンが増えたのは言うまでもないだろう。
(三上は勝利よりも大切な人を守る事を選んだ。もしミミ姉がピンチなら、俺も同じ行動をしていたのだろう。後で話をしておかないとな)
零夜は心の中で三上に同情する中、ココアは自分のせいで負けた事に涙を流していた。自分の膝が完全に立っていれば、こんな結末にはならなかっただろう。
「ごめんね、晴哉……私のせいで……」
ココアが涙を流しながら晴哉に謝罪をする中、ミミが彼女の側に駆け寄ってきた。そのままココアを自身の胸に抱き締め、彼女の頭を優しく撫でた。
「大丈夫。三上は大丈夫だから。今度は一騎打ちで戦いましょう。誰も邪魔できないルールでね」
「ミミ……うわあああああああ‼」
ココアは我慢できずに大声で泣いてしまい、ミミも涙を流しながら優しく慰めていた。第一試合はブレイブペガサスが勝ってしまったが、観客の誰もが三上の勇敢な行動に感動するいい試合となったのだった。
三上は勝利よりも、大切な仲間を守る事を選んだ。彼の勇敢さに乾杯です!
次回投稿は12月3日(火)です!




