第266話 ブレイブペガサスVSメテオファルコンズ
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ブレイブペガサスとメテオファルコンズの戦いが始まりを告げられ、零夜、エヴァ、ソニア、三上、アーニャ、サーシャの六人が戦いの舞台へと駆け出した。両チームとも三対三の戦いを繰り広げようとしていて、他は陣地の守備に専念する事になっているのだ。
(やはり三上も同じ手段を考えていたのか!こうなると実力勝負しか無いみたいだな!)
零夜は心の中で思いながら、冷や汗をたらりと流していた。自身の作戦は読まれているかどうかは分からないが、三上もここで負ける理由にはいかないと考えているだろう。
するとアーニャとサーシャが姿を現したと同時に、エヴァに立ち向かってくる。その様子だと彼女との戦いを望んでいるに違いないだろう。
「やっぱりね!あの二人が来ると分かっていたわ!」
エヴァはアーニャとサーシャが自身に襲い掛かる事をすぐに察し、戦闘態勢に入って彼女達に立ち向かう。すると二人がエヴァに対してドロップキックを繰り出してきたが、彼女は跳躍しながら回避してしまった。
「な!?」
「嘘!?」
アーニャとサーシャは渾身のドロップキックが躱された事に呆然としてしまうが、すぐに切り替えたと同時に地面に着地する。エヴァはそう簡単に倒せないと判断した以上、実力で勝負するしか無いのだ。
「二人共、その様子だと戦う気満々ね。けど、この先は地獄が待っているからね」
「この先が地獄だろうと関係ないわ。私達は私達の戦いを貫き通す!」
「エヴァがいたからこそ、今の私達がいる。だから……あなたを超えてみせる!」
三人は勢いよく飛び出そうとするが、ソニアがエヴァの隣に移動する。流石に一対二では分が悪いと判断したのか、彼女のピンチには黙っていられないのも無理はないだろう。
「助太刀するぜ!これで二対二となったからな」
「助かるわ!ソニア、援護はお願い!」
「任せろ!ここからはマジで行くぜ!」
エヴァとソニアのペアがアーニャとサーシャのペアに挑んだと同時に、タッグマッチが始まりを告げられた。小細工無しの実力勝負の始まりに、観客席から大歓声が響き渡った。
「一対二からタッグマッチへと変化!これは激しい戦いが予測されるが、実力差によって勝負が決まると思います!」
ラビリンが興奮しながら実況する中、零夜は三上と相対していた。二人の激しい戦いが予測されようとしていて、ゴクリと息を呑んでしまう観客もいた。
「とうとうこの時が来たみたいだな。俺はお前が異世界に行った時、羨ましさと悔しさを感じていたからな」
三上は零夜に対し、彼が異世界に初めて行った時の事を語りだす。
零夜は世界を救う戦士として活躍する一方、自身は仕事ばかりでうんざりしていた。その時に零夜がプロレスラーになる為に団体ジムに通っていた事を知り、自身もそこに通い出す。早く彼に追い付く為にも、特訓を休まずに続けていたのだ。
「だろうな……そりゃ、三上を連れて行けなかった俺にも責任がある。だが、今は同じ立場にいるからな」
「ああ。ここから先は……俺達の戦いだ!行くぞ!」
零夜と三上は勢いよく同時に飛び出し、激しい殴り合いを繰り広げ始める。三上に関しては鎧を纏う剣士となっているが、格闘技術を学んでいるので剣なしでも戦えるのだ。こうなると良い勝負になるのは間違いないだろう。
「激しい打撃戦が幕を上げた!零夜と三上の殴り合いは、更にスピードを上げて激しくなろうとしている!これはどちらが勝ってもおかしくない!」
ラビリンの実況もヒートアップしていて、観客席からも大歓声が響き渡る。この大盛況に観客席にいるルリカ達も驚きを隠せずにいた。
「凄い歓声です!こんなにも人気だなんて……」
「ええ……零夜はともかく、三上についてもグラディアス中に知れ渡っているからね……」
ルリカとキララは耳を押さえながら、観客席の歓声に押されそうになっていた。二人の戦いがここまで盛り上がっているのは想定外と言えるが、白熱の展開である事には間違いないだろう。
「そうだな……だが、あの三上という男性は剣士としての腕前もあるし、格闘戦でも実力はある。是非とも戦いたいぐらいだ」
「アンタはパートナーの立場でしょ」
杏は三上の勇姿を見ながら、自身も彼と戦いたいとウズウズしてしまう。選ばれし戦士とそのパートナーが戦うのは無謀と感じているのは当然で、コーネリアがツッコミを入れるのも無理はない。
「けど、この戦いは見て正解だと言えるかもね。零夜達に追いつける為にも、強くならないと!」
「ええ!」
マーリンは零夜達の勇姿を見て、自ら強くなる事を決意。マリー達も同様に頷いたその時、戦いに新たな展開が起こった。
「ウルフスラッシュ!」
「くっ!」
エヴァの鉤爪攻撃がアーニャの服を掠めたが、今の一撃による風圧で勢いよく飛ばされてしまった。エヴァの拳は鍛えたお陰で更に強くなっていて、今では掠るだけでも吹っ飛ばしてしまう強さを持つのだ。
「アーニャ!」
「余所見は禁物だ!ドラグーンスラッシュ!」
「キャッ!」
アーニャが飛ばされてしまったのを見たサーシャが叫んだ直後、ソニアのカタールの波動斬撃を胸に喰らってしまった。幸いダメージは軽傷で済むかと思いきや、ソニアは次の一手を既に出そうとしているのだ。
「こいつはおまけだ!メテオスマッシュパンチ!」
「がはっ!」
更にトドメの強烈左ストレートが炸裂し、サーシャは殴り飛ばされて地面に背中を打ち付けられてしまう。しかし持ち前の根性で立ち上がり、アーニャの隣に移動して戦闘態勢に入った。ここからは二人で力を合わせ、目の前の敵を倒そうとしているだろう。
「私達二人はどんな時でも諦めない!」
「この一撃で終わらせるわ!」
アーニャとサーシャは自身の周りに氷の竜巻を発動させ、そのまま範囲を広くし始める。同時に竜巻の威力もますます強くなり、エヴァ達に直撃するのも時間の問題と言えるだろう。
「ソニア!」
「任せろ!火炎放射!」
エヴァの合図と同時に、ソニアは口から強烈な炎を竜巻に向けて吐き出す。炎は竜巻に直撃して氷を溶かし、普通の竜巻へとランクダウンしてしまう。しかも威力まで弱まっているので、倒すなら今しかない。
「よし!今がチャンス!」
エヴァは竜巻の中に自ら突っ込んでいき、オーラを纏いながら突破する事に成功。そのまま中心にいるアーニャとサーシャを見つけ、強烈なタックルを仕掛けようとしているのだ。
「ウルフタックル!」
「キャッ!」
「うわっ!」
エヴァの強烈なタックルを喰らった二人は弾き飛ばされてしまい、竜巻も消えてしまう。そのまま二人は地面に身体を打ち付けられてしまい、戦闘不能になってしまった。
「やっぱりエヴァは強過ぎたか……」
「でも、この悔しさをバネに……強くなるから……」
「何時でも待っているわよ」
アーニャとサーシャはそのまま敗者ゾーンへと転移され、エヴァは彼女達の姿を見て微笑んでいた。二人はこれから強くなれると思いながら。
「アーニャ、サーシャ、戦闘不能!先手を取ったのはブレイブペガサス!」
ラビリンの実況と同時に歓声が起こり、エヴァに対しての称賛の声が会場の外にまで響き渡った。先手を取ったのはブレイブペガサス。しかし、戦いはまだまだこれからである。
戦いは更に激しさを増す展開に!どうなるのか!?
次回は11月29日(金)です。
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