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第250話 ゴーストパンプキンの最期

おとぎの世界を巡る戦い、決着です!

 零夜達が駆け付けてきた事で、全滅の危機を免れたジャンヌ達。エヴァ達は傷ついた者達を治療し始め、ジャンヌも回復魔法を受けて戦える様になった。


「もう大丈夫です。皆様から回復してもらった以上、ゴーストパンプキンに反撃します!」

「それなら大丈夫ね。私達も参戦した以上、ここからが本番よ!」


 ジャンヌ達は一斉に戦闘態勢に入り、ゴーストパンプキンを真剣な表情で睨みつける。ブレイブペガサスのメンバーが全て揃えば、どんな敵でも怖いものなしだ。


「おのれ!メンバーが揃っていても、この俺を倒す事は不可能だ!」

「それはどうかしら?」


 ゴーストパンプキンは魔眼から光線を放とうとしたその時、シンデレラはクッキングカットを彼に見せる。それを見た彼は思わずドキッとしてしまい、光線を放つのを止めてしまった。


「そ、その包丁はクッキングカット!何故お前が!?」


 なんと自身の弱点である幻の包丁が、シンデレラの手に握られている。どうして見つけたのか疑問に感じるのも無理ないが、弱点を見つけられてしまった事に大量の冷や汗を流しているのだ。


「洗脳される前に王様から教えてもらったの。クッキングカットはもしもの為に取っておいたからね」

「気付いてなかったアンタが悪いからね。さて……洗脳された恨みを晴らさせて貰うわよ!」


 白雪姫が怒りの笑みで腕を鳴らしたと同時に、アリス達もそれぞれの武器を持って戦闘態勢に入る。手にしている武器は鎖鎌、スタンガン、ライフル、バズーカ……どれも危ない物ばかりである。


「おい、ちょっと待て!おとぎの世界の住人がそんな物を持つか!?」

「へ?私達の世界ではいつもこうだけど」

「そうそう。他にも棘付き鉄球を持っているから」

「こんなの子供達が見たら泣くぞ!」 


 零夜はその様子を見てツッコむが、シンデレラ達はキョトンとしながら返していた。零夜のツッコミが響き渡る中、ジャンヌは額に手を当てながら倒れそうになる。


「こんな世界……嫌……」

「しっかり、ジャンヌ!」


 ジャンヌはショックで倒れそうになってしまい、マリーは慌てながら彼女を支える。ミミ達はポカンとした表情で口を開けていて、アミリス達は苦笑いをするしかなかった。


「ともかく、ゴーストパンプキンを倒さないと!それが私達の役目でしょ?」

「言われてみればそうかもな!これ以上奴の攻撃が来る前に、さっさと終わらせるぞ!」

「「「おう!」」」


 零夜の合図で彼等は一斉に動き出し、ゴーストパンプキンに向かって駆け出し始めた。彼が動揺している瞬間こそチャンスであり、攻めるなら今しかないと判断しているのだ。


「ええい!踏みつぶしてくれる!」


 ゴーストパンプキンは台車を霊力で動かしながら、シンデレラ達に突撃してくる。植物の鞭が使えないとなると、台車を動かしながら突撃するしかないのだ。


「そうはさせないわ!」


 ところがエヴァが前に出たと同時に、ゴーストパンプキンを台車ごと軽々と持ち上げてしまう。いくら重い台車でも、彼女の怪力には敵わなかったのだ。


「なんだと!?重い台車を軽々と持ち上げるとは予想外すぎるぞ!」

「予想外だからこそ、私達の性格なのでね!それっ!」

「うわっ!」


 エヴァはゴーストパンプキンを乗せた台車を、天高く頭上に投げ飛ばした。同時に白雪姫が術式を唱え始め、右手を空に掲げながら光線を発射しようとしていた。


「ここは私に任せて!スノーレーザー!」


 白雪姫の指から冷凍レーザーが放たれ、ゴーストパンプキンに直撃。そのまま彼はカチンコチンに固まってしまい、身動きが取れなくなってしまった。


「しまった!身動きが……」

「今がチャンス!発射!」


 シンデレラはすかさずバズーカを構え、ゴーストパンプキンに狙いを定める。そのまま正確に照準を合わせたと同時に、発射してしまったのだ。


「ぎゃあああああ!!」


 ゴーストパンプキンは悲鳴をあげながら、バズーカの爆発に巻き込まれて大ダメージ。そのまま地面に勢いよく墜落してしまい、台車は完全に破壊されて使い物にならなくなってしまった。


「台車が壊れたわ!さあ、ジャンヌ!これを使って倒しなさい!この戦いはあなたの役目である以上、使う必要があるわ!」


 シンデレラはジャンヌにクッキングカットを渡し、彼女にゴーストパンプキンのトドメを刺す事を託す。ジャンヌはクッキングカットをシンデレラから受け取ったと同時に、真剣な表情をしながらゴーストパンプキンを睨みつける。


「あなたの悪行は終わらせます!二度とこの世界で悪さをしない為にも!」


 ジャンヌは決意を固めたと同時に、動けないゴーストパンプキンの元へ駆け出し始めた。おとぎの世界を滅茶苦茶にした罪を裁くためにも、ここで倒すしかないと考えているのだ。

 

「よせ!悪かった!俺はもうこの世界から逃げるから……」

「問答無用!」


 ゴーストパンプキンの命乞いも効果なく、ジャンヌはクッキングカットを使いながら素早い斬撃を繰り出しまくる。ゴーストパンプキンは次々と大ダメージを連続で受けてしまい、残り体力も僅かとなってしまったのだ。


「これで終わりです!」


 そして最後の斬撃が炸裂した途端、ゴーストパンプキンの身体が光り輝き始めた。同時に彼の身体に斬り裂いた跡が次々と浮かび上がり、そのまま変化し始めていく。


「ゴーストパンプキンが変化していく……」

「一体何になるのでしょうか?」


 この光景にジャンヌ達が気になる中、ゴーストパンプキンは大量のパンプキンパイとなって、次々と地面に落ちてしまった。その直後にゴーストパンプキンの魂が姿を現し、大空の彼方へと向かっていたのだ。


「この恨みは忘れない……覚えてろ……」


 ゴーストパンプキンは恨みながら呟いたと同時に、光の粒となって消滅。同時におとぎの世界を巡る戦いも、終わりを告げられたのだ。


「ゴーストパンプキンは消滅!私達の勝利です!」


 ジャンヌがクッキングカットを掲げながら、勝利を宣言。その直後に大歓声が起こり、皆は笑い合いながら喜んでいた。

 ゴーストパンプキンの支配からようやく解放され、おとぎの世界は元の世界に戻る事ができたのだ。


「よくやったぞ、ブレイブペガサス!我々の世界を取り戻した事に礼を言う!」

「いえ。私達は手助けをしただけですから。王様達が諦めずに皆を引っ張ったからこそ、今がありますので」


 王様からのお礼に対し、ジャンヌが苦笑いしながら応える。彼等が諦めずに立ち向かったからこそ、皆の一致団結で勝利を掴む事が出来た。そしておとぎの世界を取り戻す事にも成功し、自分達で自由を掴み取る事ができたのだ。


「そうだな。で、このパンプキンパイの山だが……半分くらい持って帰ってくれないか?我々では流石に……」


 王様はパンプキンパイの山を指差しながら、ジャンヌ達に回収を頼み込む。だいたい五百ぐらいあるので、王様達だけでは食べ切るのは難しいだろう。


「……分かりました。回収して帰ります」


 ジャンヌは苦笑いしながらも、零夜達と共にパンプキンパイを半分回収し始める。ゴーストパンプキンをクッキングカットで倒したら、まさか大量のパンプキンパイが出てしまったのは予想外であっただろう。

 何はともあれ零夜達は役目を終える事に成功。大量のパンプキンパイをお土産にして、元の世界へと帰還したのだった。

零夜達は元の世界へと帰還しました。


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ゴーストパンプキン撃破。 お見事。
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