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第202話 初めての蕎麦

今回は再会と昼食です!

 零夜達は彼とミミの家族と出会い、この場は緊迫した空気に変わってしまう。特に零夜とミミは冷や汗を流しながらガタガタ震えていて、お互い抱き合っているのだ。必ずお仕置きが来ると思い、怖がってしまうのも無理はないだろう。

 すると哲郎が倫子達に視線を移し、何人居るのか数え始める。零夜とミミを除けば十五人いるので、これは明らかにハーレムと見えてしまうだろう。


「さて……どういう事か説明してもらおうか、零夜君」

「ひっ!今から説明します!」


 哲郎の身体から闇のオーラが放たれ、ドロドロと太鼓の音も聞こえ始める。これに関しては零夜は慌てながら説明するしかなく、ミミや倫子達も抱き合いながらガタガタ震えるしかなかった。



「なるほど。ミミだけでなく、エヴァ、美津代さん、ルリカ、この場にはいないアメリア姫という事か。お前の女難は昔から相変わらずだが、神室を倒した時から続いていたとはな」


 零夜の説明に修吾や哲郎、さらに文香、栞、恵、ユナ、アミも納得していた。零夜の女難は神室を倒した時から始まっていて、それに関しては今でも続いているのだ。


「ああ。今でも苦労は絶えないからな……イタズラされるわ、噛み付かれるわでもう災難だ……」

「「「むう……」」」 


 零夜はため息をつきながら現在の状況を説明し、それにエヴァ達は頬を膨らます。噛み付かれるのは悪い事かも知れないが、いくら何でも災難というのはおかしいと感じている。イタズラもスキンシップの一つだから、異議ありと言いたいぐらいだろう。


「けど、アンタが神室を倒さなかったら、今の貴方がいなかったじゃない。あの頃は失敗ばかりで虐められていたけど、ミミの案内で真田先生に教えて貰ったし」

「ああ。あの人はもう、いないけどな……」


 栞は苦笑いしながらも、零夜が変わった切欠を説明する。それに零夜も同意するが、空を見上げながら寂しそうな表情をしていた。

 零夜が神室を倒す事が出来たのは、極限武術会館の館長である真田土左衛門(さなだどざえもん)がいたからだ。彼の指導は厳しくて酷な訓練も多く、それによって極限武術会館は地獄の道場と言われている。しかし、零夜はそれを乗り越えたからこそ、神室を倒す事が出来たのだ。彼に出会わなかったら、今の零夜はいなかっただろう。


「いないって……どういう事?」


 零夜と栞の話を聞いたコーネリアは、気になる事を彼に質問する。するとミミが彼女達に視線を移し、零夜の代わりに質問に答え始める。


「死んじゃったの……二年前に老衰でね……」

「えっ……亡くなってしまうなんて……」


 ミミからの寂しそうな表情での解答に、コーネリアは口を抑えながらも驚きを隠せずにいた。

 人間の寿命はだいたい七十五歳が平均だが、真田先生は九十六歳で亡くなられていた。あれだけ長生きすれば病気で亡くなる事は当然で、生きている確率は少ないと言えるだろう。


「今はその息子である真田幸三(さなだこうぞう)が後を引き継いでいるわ。父の教えを引き継ぎ、道場を守り切るって」

「そうなの……余計な質問してごめんなさい」

「良いのよ。話さなければいけなかった事だからね」


 コーネリアは零夜の気分を悪くした事を謝罪するが、ミミは苦笑いしながら応えていた。いずれにしても話すべき事だったので、問題ないと言えるだろう。


「けど、俺は真田先生の教えがあったからこそ、今の俺がここにいる。その感謝を忘れずに前を向かないとな」


 零夜は笑顔を見せながら前を向いていて、それにコーネリア達も安堵しながら笑顔で返す。前を向いて突き進むのが零夜の長所でもあり、それによってミミ達もすぐに立ち直って先に進む事が出来るのだ。


「その明るさがあるからこそ、仲間達は大丈夫そうね。けど、なんで零夜は山口に帰ってきたの?」


 文香は零夜と仲間達の様子を見ながら微笑むが、山口に帰ってきた理由が気になっていた。連絡も無しにいきなり山口に帰るのは驚くし、何か理由でもあるんじゃないかと心配するだろう。


「悪い……実は選ばれし戦士としての課題に取り組んでいるんだ……これさ」


 零夜はルリカの胸ポケットの中からスタンプカードを取り出し、それを修吾達に見せる。それは各エリアをクリアする度に、スタンプが自動的に浮き出る仕組みとなっているのだ。

 その直後に萩と阿東徳佐のスタンプも自動的に押され、残りはあと山口となったのだ。


「なるほどね。まあ、選ばれし戦士としての課題なら仕方がないけど、事前に伝えたら良いのに」

「大勢で押しかけてきたら迷惑だと思うからね……あまり苦労をかけさせたくないし」


 アミはスタンプカードの内容を見ながら納得し、ミミは苦笑いで応えていた。そりゃ十七人という大人数で押しかけてきたら迷惑になるし、近所迷惑となりそうになるので怖いからだ。


「取り敢えずは皆揃ったし、折角だからお昼を食べに行きましょう!」

「そうね。確か蕎麦屋があるから、そこで食べましょう」

「「「?」」」


 ユナと恵の提案に零夜達も頷く中、エヴァ達は首を傾げていた。異世界出身の彼女達は蕎麦を食べた事がなく、どんなのか気になっていたのだ。


「蕎麦って初めて聞いたけど……」

「俺達の世界にある麺料理さ。スパゲッティとは違う感じがするが、行ってみれば分かるから」

「う、うん……」


 零夜の説明にエヴァ達は戸惑いながらも頷き、彼等はそのまま萩にある蕎麦屋へと向かい出した。因みに零夜達は空を飛び、修吾達は車で移動していた。



 その後、蕎麦屋に着いた零夜達は席に座り、それぞれが蕎麦を注文していた。因みに全員がざる蕎麦を頼んでいて、目の前にその料理が置かれていたのだ。


「これがざる蕎麦……」

「普通の蕎麦とは違うのね……」


 ざる蕎麦は木製か竹製の四角形の器の底にすのこを敷いた蒸篭(せいろ)(ざる)に茹で蕎麦を盛り付ける。更に「蕎麦猪口」と呼ばれる別の小型の器につゆを入れ、箸で一口分を取ってつゆにつけながら食べるのだ。

 つゆの薬味として長ネギと海苔がある為、零夜達は薬味を入れてから蕎麦をつゆにつけて食べ始めた。


「そうか。こうやって食べるのね」

「どれどれ?」


 エヴァ達も同様に薬味をつゆの中に入れ、蕎麦をつゆにつけながら食べ始める。するとさっぱりとした食感と喉越しの良い味わいが口の中に広がり、初めて食べた美味しさに笑顔になったのだ。


「めちゃくちゃ美味しい!」

「これがざる蕎麦……好きになったかも!」


 エヴァ達は喜びながらざる蕎麦を食べていて、その様子にミミ達は微笑んでいた。初めてのざる蕎麦がこんなに好きになったのを見たのは、初めてと言えるだろう。


「気に入ってよかったわ。実はここ、私がオススメしている蕎麦屋なの」

「えっ?ユナお姉ちゃんのお気に入りなの?」


 ユナは笑顔で説明し、それにミミはキョトンとしながら質問する。この様な事は初めて聞いたので、内心驚くのも無理はない。


「ええ。地元活性化プロジェクトの一員として活動しているからね。そのお陰で何故かファンクラブまでできちゃって……」

「ユナお姉ちゃん……なんでそうなったの……」


 ユナの苦笑いにミミは呆れて何も言えず、零夜も苦笑いするしかなかった。

 そのまま昼食を食べ終えた零夜達は店を出たと同時に、次の目的地へと向かい出したのだった。

エヴァ達は蕎麦を気に入りました!


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― 新着の感想 ―
家族との再会に恐怖を感じる零夜とミミ。 そしてなんとか事なきを終え昼食蕎麦。 蕎麦美味いですよね! そして次なる地へ。 続きも楽しみです!
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