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第197話 二日目の朝

今回はホテルでの一時です。

 旅行二日目。零夜達はホテルの朝食バイキングを食べに来ていた。メニューも豊富で和食や洋食は豪華だ。

 零夜はトレーにパンとソーセージ、スクランブルエッグ、ハンバーグ、サラダがあるお皿を乗せていて、飲み物はオレンジジュースだ。洋食中心というメニューだが、彼は洋食が好きなのでこの様になっている。


(昨日は大変だったな。取り敢えずは美津代さんも立ち直ったし、今日も旅行を楽しまないと)


 零夜は心から思いながら椅子に座ると、そこにはミミ達が席に座っていた。彼女達は既に料理を運び終えていて、零夜が来るのを待っていたのだ。


「揃ったわね。それじゃ早速……」

「「「いただきます!」」」


 ミミの合図と同時に合掌した後、全員が朝食を食べ始める。エヴァやアミリスなどの異世界種族、マリーとジャンヌはパンとなる洋食。ミミ、倫子、ヒカリ、日和、杏、美津代はご飯となる和食となっているのだ。


「美津代さんも立ち直ったし、取り敢えずは安定した旅行になるわね」

「ええ。次の目的地は下関の巌流島、萩にある吉田松陰の生家に行く事になるわ。ただ、刺客がいるとなると油断はできないわね……」


 倫子とヒカリの説明に、その場にいる全員が頷く。残るエリアはあと三つだが、刺客が三人各エリアに存在する。しかもその三人が早川よりも手強いとなると、戦いはそう簡単にいかなくなるだろう。

 やはり一筋縄ではいかないとなると、これから先の旅行兼課題は難航する事もあり得るのだ。


「そうね。今は目的地である巌流島の事を考えないと」

「はい!防府のお土産も買いましたし、下関の銘菓も買わないとですね!」


 マリーとジャンヌの意見に皆が賛同する中、エヴァがお土産という言葉にピクリと反応する。どうやら彼女は何か買う物があるのだろう。


「下関のお土産だけど、どんなのがあるのかな?仲間だけでなく、アーニャとサーシャにも買ってあげないといけないから」


 エヴァは同じシルバーウルフの仲間だけでなく、別チームにいるアーニャもサーシャにもお土産を買わないといけない様だ。彼女達もエヴァと同じく山口に行きたいのに、行く事ができない。だからこそ、お土産を買う必要があるのだ。

 それを聞いたミミはバングルで下関のオススメお土産を検索し始め、良い物をエヴァに提案し始める。


「それなら幸ふくまんじゅうはどう?下関の間ではかなり人気みたいよ」

「なるほどね。じゃあ、それにするわ!」


 ミミのアドバイスを聞いたエヴァは、幸ふくまんじゅうを買う事を決断。しかしアーニャとサーシャを含め、エヴァ以外のシルバーウルフ族は五十人以上いる。其の為、出費も多くなるのも無理ないが、彼女達の事を考えればお土産は買わなければならないのだ。


「お金についてはメディア様が何とかしてくれる。俺達は観光を楽しみつつ、刺客も倒しておかないと」

「そうですね。奴等は何を仕出かすか分かりませんからね」


 零夜の意見にルリカも同意する中、ジャンヌは持ってきた料理を食べ終えていた。しかしまだ物足りず、おかわりをしに料理を取りに向かっていく。


「俺も急いでおかわりしないと!」


 零夜も料理を食べ終えたと同時に、次の料理を探しに向かい出した。すると新たな料理であるカレーが用意され、それにジャンヌは興味を示し始める。

 零夜も彼女の隣に移動し、カレーに視線を移している。彼もまた物足りないので、カレーが食べたくなるのも当然である。


「ホテルにもカレーがあるのですね。辛さはどのぐらいでしょうか?」


 カレーが入っている鍋を見たジャンヌは、零夜に対して辛さを質問する。彼女はカレーは食べれるが、激辛はあまり食べる事ができない。もしかするとこのカレーもそうなのかなと疑問に思い、零夜に質問したのだ。


「ホテルのカレーは基本的に中辛。だから安心して食べられるぞ」

「そうですか。ありがとうございます!」


 ジャンヌは零夜に対して笑顔でお礼を言った後、そのままカレーをお皿に入れて用意する。零夜もカレーを食べる事を決断し、すぐに同様の行為をしたのだ。

 更にカレーには福神漬けなどのトッピングもあるが、零夜はオニオンフライをトッピング。ジャンヌはトッピングしなかった。


「私達もカレーを食べる?」

「そうね。食べたくなってきたわ」

「あとデザートも忘れずにしないと!」


 ミミ達もデザートやカレーを取りに向かい出し、皆はワイワイ楽しみながら朝食を食べ終えた。特にデザートでは夏みかんのゼリーも出ていたので、エヴァはすっかりお気に入りとなったのだった。



 ホテルを出てからそのまま電車に乗り始め、下関へと向かい出した。目的は巌流島であり、降りる時間も確認しているのだ。


「次は巌流島か。宮本武蔵と佐々木小次郎の因縁の戦いがあった場所だな」

「ああ。色々調べてみたが、小次郎の武器は野太刀。武蔵の武器は木刀の様だな。」


 杏は旅行に行く前に巌流島を調べていて、武蔵と小次郎の武器を確認していた。

 佐々木小次郎の武器は、刃長3尺余(約1メートル)の野太刀「備前長光(びぜんながみつ)」を使用。武蔵は滞在先の問屋で貰った艫を削り、それによる大きめの木刀で戦っていたのだ。


「アイツ等の武器を上手く使えるかどうか気になるが、アタシは選ばれし戦士じゃないから、武器の変化ができないんだよな……」


 杏は武蔵と小次郎の武器を使用したいと考えるが、自分が選ばれし戦士ではない事にため息をつく。

 武器の変化は選ばれし戦士としての特別権利であり、一般の人はそれができない。杏達はそれを羨ましがっていて、地道に強化するしかないのかと悩んでいたのだ。


「確かにその通りかも知れないが、そうなると思ってドワーフの姉ちゃんに頼んでおいたからな」

「頼んだって何をだ?」

「武器を自分の意志で変える事ができる、魔法刀という奴だ」

「「「魔法刀?」」」


 ソニアの説明に零夜達は疑問に感じ、首を傾げてしまう。その様子を見ていたアミリスは、彼等に優しく説明を始める。


「魔法の能力で帯びている刀の事よ。ほら、魔法剣もその一種じゃない」

「言われてみればそうね。じゃあ、私達の武器も変形する魔術があれば……」


 アミリスの説明を聞いたルリカ、キララ、日和、ジェニー、コーネリアの五人は、自身の武器が変化する事を妄想し始める。

 様々な武器に変化して思う存分対応できるだけでなく、零夜達にも貢献できる。まさに一石二鳥というべきだろう。


「で、何を妄想しているの?」

「「「う……何でもないです……」」」


 美津代からの指摘にルリカ達は顔を赤くしてしまい、思わず恥ずかしがってしまった。妄想によってここまで恥をかいてしまうのは、仕方がないのも無理はない。


「まあ、それぞれの武器に変化できる能力を付属すれば、問題ないと言えるかもね」

「そうそう。後は色々な武器を調べながら、その知識を取り入れる。私も調べながら様々な格闘術を覚えたわ!」


 マリーとマーリンの意見に零夜達も納得する中、ルリカ達は興味津々にコクコク頷く。自らの武器を変化するには能力付属だけでなく、調べたりとかして吸収する必要があるのだ。しかし、完全取得するには実践するしか方法はないだろう。


「時間は掛かりますが、精一杯頑張るのみですね」

「そうだな。下関まで時間掛かるから、景色とか見たりしてゆっくりしておこう」

「「「はーい!」」」


 ルリカの意見に零夜も同意しつつ、彼は皆に対して指示を出す。それに彼女達は返事をしながら応え、電車はそのまま下関へと向かい続けていたのだった。

一行は下関へ。そのまま巌流島へ向かいます!


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― 新着の感想 ―
下関……そして巌流島へと向かう零夜達 続きも楽しみです!(´▽`)
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