表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/277

第195話 早川の最期

早川との戦いに決着が着かれます!

 ヒューマンインプとなった早川との戦いが始まりを告げられ、零夜達は客達の安全を確認しながら戦いに挑み始める。因みに客や神主達は安全な場所に隠れているのだ。


「最初から攻めていくわ!喰らいなさい!」


 アミリスが弓矢を連射して攻めていくが、早川は空を飛んで回避してしまう。すると口から火の球を吹いてきて、地面に激突。その直後に爆発を起こしてしまい、爆風でルリカとキララが吹き飛んでしまう。


「「キャッ!」」

「ルリカ!キララ!」


 エヴァは駆け出したと同時に、爆風に吹き飛ばされたルリカとキララをキャッチする。そのまま地面に着地し、素早く三人は戦闘態勢に入る。


「エヴァさん、ありがとうございます!」

「気にしないで。まだやれる?」

「勿論!やられたらやり返すわ!」


 エヴァ達は勢いよく早川に襲い掛かるが、彼は鉤爪を振るいながら反撃しようとしていた。すると零夜が背後から早川を縛り上げ、そのまま跳躍し始める。


「何をする気だ!?」

「お前みたいな輩はこれがお似合いだ!飯綱落とし!」

「あがっ!」


 零夜は逆さまに落下し、早川の脳天を地面に叩きつける。この一撃はとても重く言えるが、角のお陰で脳天が当たらずに済んだ。しかし、その影響で角がポッキリと折れてしまったのだ。


「早川の頭の角が折れた!」

「どんなに強くなっても、大技を喰らえば折れてしまう。やはり早川は完璧じゃないみたいだ!」


 ソニアと杏はこの光景に驚きを隠せずにいて、客達もざわつきながら見ていた。すると警察が到着し、目の前にいる早川に視線を移す。


「すいません。早川というのは……」

「あのインプの人です!」

「「「!?」」」


 警察の質問に対し、マーリンが早川を指さしながら応える。彼の姿はインプとなっていて、警察は確認したと同時に零夜達に視線を移す。


「確認しましたが、早川はアークスレイヤーによって今の姿になっています。この場合は……始末をお願いします!」

「「「了解です!」」」


 警察からの指示に零夜達は一斉に応え、警察は客や住民達の安全確保に取り掛かり始めた。指名手配がアークスレイヤーによって姿を変えられたとなると、選ばれし戦士達に始末を依頼する事になる。本来なら逮捕したいところだが、こうなると太刀打ちできない。それと同時にこの様な法案も採用せざるを得なくなったのだ。


「始末されるのはテメェ等だ!フレイムボール!」


 早川は口から火の球を吐いたが、何故かサイズが小さくなっていた。そのまま地面に激突したが、爆発と爆風も小さかった。


「あれ?どういう事だ?なんで威力が小さいんだ?」


 早川がこの光景にポカンとしていたが、日和がすぐにその原因を察していた。何故なら早川の角はボッキリと折れていたからだ。


「さっきの飯綱落としで角が折れたみたいね。それによって弱体化したのも無理ないわ」

「そう言う事か!能力が駄目ならば、こいつで行くぞ!」


 日和の説明を聞いた早川は覚悟を決め、そのままアミリスを掴んで持ち上げる。ヒューマンインプとなった事で力が増幅し、プロレス技が使える様になったのだ。


「そらよ!」

「キャッ!」

「アミリス!」 


 アミリスら早川によって投げ飛ばされたが、素早くマーリンがキャッチする。息の合ったスーパープレーに客達は拍手をした。


「「こいつが!」」


 するとソニアと杏が駆け出してくるが、早川は腕を真横に伸ばしてラリアットの態勢に入る。腕の太さは普通ぐらいだが、パワーが増した事で威力は抜群となる。


「舐めるな!」

「「ごはっ!」」


 早川の強烈なラリアットが炸裂し、ソニアと杏は首に激痛を喰らってしまう。同時に彼女達も倒れてしまい、ミミ達は冷や汗を流してしまった。


「強化されるだけあって、かなり強いみたいね……今のラリアットでソニアと杏がやられたし……」

「ええ。ここまで来ると油断禁物ね……」


 倫子とマリーの意見にミミ達もコクリと頷き、警戒態勢を取りながら真剣な表情をする。零夜も真剣に戦いを挑むが、その表情は楽しんでいた。 

 

「ああ。けど、こういうのは……楽しまないと損かもな!」


 零夜はウインクした後に駆け出し始め、強烈な回し蹴りで早川の側頭部を蹴り飛ばす。その威力は凄まじく、一撃必殺と言っても良いだろう。


「凄い威力!けど、早川はここで倒れないわ!」


 美津代がこの光景に驚きと忠告をした直後、倒れた筈のソニアと杏が起き上がっていた。ここで倒れている理由には行かず、反撃する為に立ち上がった。


「行くぞ、ソニア!」

「おう!」


 ソニアと杏は早川にドロップキックを繰り出し、彼はそのまま仰向けに倒れてしまう。更にアミリスが倒れている早川の両足の間に右足を入れて相手の左脇腹の横へ踏み込んでいく。


「やられた分はやり返してもらうわ!」

「おい、何すんだ!止めろ!」


 早川は必死で懇願するが、アミリスは言う事を聞かない。更に早川の両足を膝でクロスさせ、彼の右足を自分の右腕でロック。そのまま右足を軸にして反転させた直後、早川をひっくり返してから腰を落としたのだ。


「これが私のプロレス技、サソリ固めよ!」

「がああああ!」


 アミリスのサソリ固めで早川の首だけでなく、膝や腰まで締め上げられていた。また気道や横隔膜の動きが制限されるため、相手を窒息させる効果もある。早川にとってはプロレスの経験が皆無である為、このままだとギブアップせざるを得ないだろう。


「くそっ!俺はここで……があっ!」


 早川は抵抗するが、痛みによって動けなくなってしまう。更に体力も少なくなったと同時に、苦しさも倍増になってしまった。


「そろそろね!トドメは美津代に任せるわ!」

「ええ!」


 アミリスの合図で美津代が動き出し、彼女はサソリ固めを解除してその場から離れる。その入れ替わりと同時に、美津代がボディスラムの態勢で早川を持ち上げたのだ。


「因縁を終わらせる為にも……この技で終わらせるわ!」

「その技……もしや!」 


 零夜が美津代の行動を察した直後、彼女は早川を持ち上げたまま高くジャンプしていく。更に地面に急降下し始め、早川を頭から地面に叩きつけたのだ。


「これが私の覚悟、デッドファンタズマ!」

「がはっ!」


 零夜の技であるデッドファンタズマが炸裂し、早川はあまりのダメージに吐血してしまう。すると早川の姿が元に戻ってしまい、そのまま戦闘不能になってしまった。


「私はあなたを絶対に許さない……地獄に落ちて反省しなさい!」

「くそ……一体何処で……間違えたんだ……俺は……こんな人生を……送りたくなかったのに……通り魔事件なんか……起こしたく……なかったのに……」


 早川は涙を流しながら塵となって消滅してしまい、そのまま風によって飛ばされてしまった。零夜達はそのまま夕暮れの空を見上げながら、早川の最期を見届けたのだ。


「バイトをクビにさえならなければ、この様な結末にはならなかったみたいね……」

「うん……でも、死んだ人間は戻って来ない……その事は分かっているから……」


 ヒカリの呟きに美津代は同意するが、死んでしまった勇人は戻って来ない。その事を彼女は既に分かっているのだ。


「そうですね。戦いは終わりましたし、指名手配犯については始末完了という処理で行います。ご協力ありがとうございました」


 警察からの一礼に零夜達も一礼し、彼等は帰って行った。その後は普通に神社の営業が行われ、零夜達はお参り、御神籤、御朱印の購入などを堪能していた。

 同時に防府エリアもクリアする事ができて、スタンプが自動的に押されたのだ。


「残るは山口、萩と阿東徳佐、下関と宇部ね」

「じゃあ、今日は防府で泊まりましょう」


 エヴァがスタンプカードを見ながら内容を確認し、キララの提案で全員が防府に泊まる事に。皆で宿を探す中、突然美津代が零夜の服を引っ張り始める。その様子は俯いていて、何か言いたげの様だ。


「美津代さん?」

「零夜君。後で付き合ってくれないかな?」

「別に良いですが……」


 美津代からの頼みに零夜は頷き、彼女もコクリと頷き返す。同時に皆でホテルへと向かい出し、一日目は岩国と柳井、下松と光、周南、防府のエリアをクリアし終えたのだった。

早川を撃破し、一行はホテルへ。次回は新たな展開が!


感想、評価、ブックマークを貰えると励みになります!宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
見事早川を倒した零夜達は次なる地へ。 お見事でした(ᐢ ˙꒳˙ᐢ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ