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第175話 激突!紅蓮丸との戦い

今回から紅蓮丸との戦いが幕を開けます!

 零夜は怒りの状態のまま、倒れている紅蓮丸をギロリと睨みつける。先程の話が気に食わないどころか、全身から怒りのオーラが溢れているのだ。下手を刺激を与えれば殺される確率もあり得るので、あまり近付かない方が得策と言えるだろう。


(どうやら……これは関わらない方が良いみたいだな……ネオマギアスの事については無念だが、仕方があるまい!)


 ベクトルは冷や汗を流しながらも、心から決断したと同時にその場から転移。ネオマギアスの事は無念に思うが、彼等と関わらない方が身の為だと感じたのだろう。

 これで残ったのは零夜達と紅蓮丸となっていて、緊迫の状態が続いているのだ。


「お前……いきなり殴り飛ばすとはどういう事だ……」


 紅蓮丸は殴られた部分を抑えながらも、自力でゆっくりと立ち上がる。いきなり殴られたのは驚くのも無理ないが、やられた分はやり返そうと戦闘態勢に入ろうとしていた。


「そんな理由でハインとメルトを殺すなんて……お前のやり方は正しいとしては思わない!」

「正しくないだと!?どういう事だ!」


 零夜は紅蓮丸のやり方は正しくないと否定し、それを聞いた彼は憤慨してしまう。自身のやり方が否定されるのは我慢ならないが、この事については零夜の方が正しいと言えるだろう。


「ハインとメルトには邪悪な心があったとしても、祖国を守る気持ちはアメリアと同じ。お前はそれに気付かず、二人を殺してしまったんだ!」


 零夜からの厳しい事実に、アメリアは驚きを隠せなかった。確かにハインとメルトには王位継承の事しか考えていなかったが、祖国を守る気持ちが心の底から存在していた。それに気付いてなかった紅蓮丸が二人を殺してしまい、アメリアや国民、彼等の仲間を悲しませる結末になってしまったのだ。


「そんな……お兄様とメルトが……国の未来を考えていたなんて……!」


 零夜からの衝撃の事実に、アメリアは信じられない表情で目に涙を浮かべていた。その様子を見たシオンが彼女の肩に手を置き、ハインの隠された事実について話し始める。


「数日前にハインと話していたが、王になったら国を強化するだけでなく、国全体を豊かにしようと計画を立てていた。彼もお前と同じく、国や国民の事を考えながら行動していたそうだ……」

「そうだったのですか……じゃあ、メルトもその気持ちがあったのかも知れませんね……」

 

 シオンからの話にアメリアは納得の表情をしていて、メルトも同じ気持ちであった事を実感していた。しかし、零夜からの事実を聞いた紅蓮丸はワナワナと震えていて、その顔は怒りに満ち溢れていた。自分が殺した人物に優しい心があった事を、当の本人は信じたくないのだろう。


「そんなのは嘘に決まっている!あいつ等はヴァルムントにとんでもない悪影響を及ぼすんだ!王位継承ばかり考えて、国民の事など考えていなかったのが証拠だ!」


 紅蓮丸は零夜の指摘を反論しつつ、ハインとメルトの欠点を伝える。彼等は王位継承ばかり考えていたからこそ、ヴァルムント王国に悪影響を与えると考えている。それによって殺されるのは当然の結果だと思っているのだ。

 しかし、紅蓮丸の話を聞いたシナモンは首を横に振り、彼の考えを否定していた。


「いいえ!メルト様もアメリア様、ハイン様と同じ気持ちを持っていたわ!あなたは彼とハイン様を一方的に悪と決めつけ、殺してしまったのよ!」


 シナモンからの涙の訴えに零夜達も同感するが、紅蓮丸の怒りはますますヒートアップし始める。そのまま彼は聞く耳持たずとなり、そのまま百鬼夜行を構えて戦闘態勢に入り始めた。


「悪である彼奴等を擁護するのか……?それなら俺はアンタ等を殺すのみだ!」

「それなら俺達はお前の野望を止めてみせる!殺された者達の無念を晴らすだけでなく、皆と共に生きて帰る為にも!」


 紅蓮丸は零夜達を粛清しようと動き出し、零夜は彼の野望を終わらせ、全員生きて帰る事を宣言。同時に彼等は一斉に武器を構え、紅蓮丸との戦いに挑み始める。


(なるほど……全員生きて帰るか……その志は悪くない。お互い支え合い、全員が生きる。これこそ真のヒーローに相応しい。だが、何処まで耐え切れるか試してみよう!)


 紅蓮丸は心の中で零夜達の事を承認しつつ、そのまま彼等との戦いに挑み始める。同時に百鬼夜行の刀身のオーラが強くなり、勢いよく殺そうと迫ってくるのだ。


「いきなり攻撃を強めてきたか!なら、村雨で立ち向かう!」


 零夜は忍者刀を村雨に変化させ、紅蓮丸の百鬼夜行を破壊しようと動き出す。刀同士がそのままぶつかり合い、火花を散らしながら激しい戦いを繰り広げ始めた。


「私達も援護します!攻撃開始!」

「「「了解!」」」


 アメリアの合図と同時に、弓矢と魔術による援護攻撃が次々と紅蓮丸に襲い掛かる。彼は次々とその攻撃を回避していくが、零夜の村雨による斬撃を喰らってしまった。


「ぐほっ!」


 紅蓮丸は胸部分にダメージを受けてしまうが、斬り裂かれた場所から出血せずに済む事が出来た。しかし、その激痛が身体全体に浸透してしまい、地面に尻もちを思わずついてしまった。


「村雨の斬撃を喰らっても、血が出ていないとは……どうやらその耐性はあるようだな」


 零夜は尻もちをついた紅蓮丸を真剣な表情で見つめ、警戒を怠らずにいた。

 これまでの敵は斬撃を喰らってしまうと、血が流れて倒れてしまうケースが多かった。しかし、紅蓮丸は斬撃を喰らっても血が流れない為、今までとは違う敵である事には間違いないだろう。


「おのれ!ここで死んでたまるか!炎帝波動斬(えんていはどうざん)!」

「うわっ!」


 紅蓮丸は立ち上がったと同時に、強烈な炎の波動斬撃を零夜に喰らわせた。炎による斬撃で零夜は火傷を負っただけでなく、かなりの威力で身体ごと吹き飛んでしまった。


「零夜様!」


 ルリカの叫びと同時に、零夜は地面に背中を強打してしまう。それでも彼はゆっくりと立ち上がり、自身の火傷を自動回復し始めた。


「こいつめ……どうやらそう簡単にはいかないみたいだな……!だったら奥義で倒すのみだ!」


 零夜は呼吸を整えながら紅蓮丸を見つめ、村雨を構えながら再び彼に襲い掛かる。同時に村雨の刀身に水のオーラを纏わせ始め、強烈な一撃を放とうとしているのだ。


水龍波動斬(すいりゅうはどうざん)!」

「がはっ!」


 龍の形をした水の波動斬が刀身から発せられ、そのまま紅蓮丸に直撃して爆発を起こす。彼はそのまま黒焦げになって前のめりに倒れてしまうが、怨念と怒りで自動回復し始めた。この二つこそ彼の力の源であり、自身のスキルとしても活用しているのだ。


「その様子だとまだ倒れない……過去に何かあったのか?」

「ああ……折角だから教えてやるよ……俺が何故、この様な行動を取っているのかを……」


 零夜からの質問に、紅蓮丸は自身の過去を彼等に語り始める。何故彼が今の様な姿となり、邪悪な者達を無差別に殺す様になったのかを……

紅蓮丸が明かす過去……果たしてどんな展開になるのか?


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― 新着の感想 ―
良い面があったとしても悪い面もやっぱりあったのだから、零夜もちょっと暴論ですよね。アメリアも兄らに善良な心があったことに驚いていたので日頃からそんな感じだったのかなぁと。人間、全部が良いわけでも悪いわ…
紅蓮丸と戦う零夜達。 そして優勢な零夜達ですが紅蓮丸に起こった過去とは!? 続きも楽しみです!(´▽`)
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