表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/277

第172話 聖女の光

ジャンヌの活躍をご覧あれ!

 零夜達はマギアスの砲台部分の破壊に向かっていて、次々と攻撃を仕掛けながらダメージを与えていた。だが、マギアスもミサイルを放ちながら抵抗している為、激しい戦いは避けられない状態となっているのだ。


「やはり強敵はそう簡単に倒れないな……バーサークの時もそうだったし……一筋縄ではいかないよな……」


 零夜は冷や汗を流しながらも、以前戦ったバーサークの事を思い浮かべる。バーサークはベルセルクが最終進化を果たしていた姿で、零夜達を苦しめていた。それでも彼等は最後まで諦めずに立ち向かい、皆の力で見事倒したのだ。

 今回のマギアスも皆の力を合わせれば、奴を倒せる可能性もある。その為には最後まで諦めずに立ち向かう事が、勝敗を決めるカギとなるだろう。


「確かにそうかも知れないけど、ウチ等は諦めんかったからこそ、ここまで来れた。零夜君がいたからこそ、今のウチ等がいる。皆もそうでしょ?」


 零夜の様子を見た倫子は、優しく落ち着かせる様に彼に声を掛ける。そのままミミ達にも声を掛け、彼女達も倫子の意見に同意する。

 ミミ達は零夜が側にいたからこそ、今の彼女達がここにいる。もし、彼がいなかったら、どうなっていたのか分からなかっただろう。


「そうね。零夜君は優しいし、いつも私達の面倒を見てくれているからね」

「彼の優しさと諦めない心があるからこそ、今の私達がそこにいる」

「だからこそ、私達も負けられない。零夜、あなたが頼りなんだから自信を持って!」

「皆……ありがとうございます……」


 ヒカリ、エヴァ、ミミが零夜の事を褒めながら励ましていて、それを聞いた彼は笑顔で頷き返す。そのまま深呼吸しながら冷静さを取り戻し、真剣な表情で忍者刀を構え始める。


「砲台を破壊するには、まずはミサイルポッドからだ!あのミサイルポッドを結合崩壊すれば、攻撃の幅が狭くなるだろう」

「ミサイルポッドね。それなら私が行くわ!」


 日和は両手のウィザードガントレットを光らせたと同時に、そのまま片手ずつ光の球を生成し始める。その球は次第に大きくなり、爆弾の大きさになったのだ。


「これでも喰らいなさい!シャインボム!」


 日和はミサイルポッドに向けて光の球を投げ飛ばし、球はそのままミサイルポッドに直撃して爆発を起こす。しかしあまりにも頑丈すぎる為、与えたダメージは僅かだった。


(くっ……あまりダメージを与える事が出来ない……そう簡単にはいかないみたいね……)


 日和が冷や汗を流した途端、ミサイルが発射されて彼女に襲い掛かってくる。しかもその数は5本。


「しまっ……!」


 日和が危機感を感じながら逃げようとするが、その反応が遅過ぎていた。このままだと当たるのも時間の問題だろう。

 その直後、零夜が前に出て、ミサイルを忍者刀で斬り裂いていく。その素早さはまさに忍びの如く、あっという間に素早い斬撃でバラバラにしてしまったのだ。

 当然バラバラのミサイルは地面に落下してしまい、小さな爆発を起こしてしまった。


「零夜君!」

「間に合って良かったです。それよりもまだやれますか?」

「ええ。借りができたかもね。ここまで来た以上、諦めないから!」


 零夜の笑顔に日和も笑顔で返した後、そのまま彼女は攻撃を再開する。零夜に助けてもらった以上、自身も最後まで立ち向かうと決意したのだろう。


「日和ちゃん、やる気になったみたいね。後はミサイルポッドをどう破壊するべきか……」


 マリーは日和のやる気に感心する中、ミサイルポッドをどう破壊すれば良いのか悩んでいた。あのミサイルポッドがある限りは油断ならないだけでなく、上手く近付く事さえ出来ない。どう攻略するかがカギとなるだろう。


「それなら私に任せてください!」

「ジャンヌ!」


 するとジャンヌが名乗り出たと同時に、そのままマギアスに接近し始める。この行為は自殺行為と言えるが、何か策がある筈だろう。

 その直後にミサイルが再び発射されてジャンヌに襲い掛かるが、彼女は笑みを浮かべたと同時に固有スキルを発動した。


「ここで発動させてもらいます!聖女の光!」


 ジャンヌの身体が発光したと同時に、彼女に襲い掛かってきたミサイルを次々と塵に化してしまった。同時に零夜達の体力やスタミナも回復し、全ての能力も大幅に強化された。


「力が湧いてくる……!これがジャンヌの固有スキルか!」

「ええ……!元気が湧いてくるわ!傷も治っていく!」

「まさかジャンヌの固有スキルで、ここまで力が湧くなんて……」

「これが聖女の力なのね……凄い……」


 ジャンヌの固有スキルによって零夜達に力が湧き、すぐに気合を入れながらマギアスに立ち向かう。彼女に力を貰った以上、ここで立ち止まる理由にはいかないのだ。 

 ジャンヌの固有スキルは自身から光を発光させ、このエリア内で様々な効果を発動させる。味方は傷を癒しながら能力を発動させ、敵に至っては戦意を無力化して悪の心を改心してしまう。凶悪モンスターや強大な悪には無力化はできないが、弱体化や攻撃無効化は可能である。まさに聖女に相応しい固有スキルなのだ。


「今がチャンスです!左右のミサイルポッドを攻撃してください!」

「任せろ!パワーアップさせて貰った以上、その借りは返さないとな!」


 ジャンヌの合図で杏が動き出し、妖刀を構えながらミサイルポッドを切断しようとする。それと同時に妖刀から闇のオーラが溢れ出し、どんな物でも斬れる威力を持つ様になったのだ。


「アタシの妖刀は手強いぞ!(しん)快刀乱麻(かいとうらんま)!」


 そのまま妖刀が振り下ろされたと同時に、ミサイルポッドは真っ二つに切断。そのままミサイルポッドは地面に落ちてしまい、使い物にならなくなった。

 しかし、今切断したのは右側である為、左側が残っている。それも破壊しなければミサイルの恐怖は続くだろう。


「残りは左側のミサイルポッド!誰かその武器の破壊をお願いします!」

「それなら私がやるわ!ブラッドスレイヤー!」


 するとコーネリアが血の波動斬撃を繰り出し、左側のミサイルポッドをスパッと真っ二つに斬り裂いた。そのままミサイルポッドは爆発してしまい、使い物にならなくなってしまった。


「ミサイルポッドは破壊完了。砲台については私が参ります!」


 ジャンヌはミサイルポッドの破壊を確認した後、そのまま槍を新たな姿に変化させる。その姿はトライデントとなっていて、光のオーラが溢れ出していた。


「見た事のない武器……この武器は一体……?」


 ジャンヌはすぐにウインドウを開き、現在の武器を確認する。その内容はこう書かれていた。


シャイントライデント

光属性の槍の完全形態。発せられる聖なる光は、あらゆる悪を浄化させる力を持つ。また、広範囲に及ぶ攻撃もできる為、多くの敵を倒せる事が可能である。


(シャイントライデント……これが私の本来の武器かもね……なら、私は最後まで立ち向かう!どんな困難でも、どんな強敵でも……皆と一緒なら怖くないのだから!)


 ジャンヌは自分に自信を持ちながら駆け出していき、そのまま槍を真下に向け始める。同時に、素早いスピードで砲台に向けて急降下させる。この一撃でマギアスを倒そうとしているのだろう。


「これで終わりです!ジャッジメントランス!」


 ジャンヌはそのままシャイントライデントを砲台に突き刺し、そこから光を放出させる。その光は広範囲に広がり始め、彼女は勿論、零夜達まで包み込んだのだった。

聖女の光で辺り一面光に包まれましたが、果たしてどうなるのか?


感想、評価、ブックマークを貰えると励みになります!宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ジャンヌが大活躍でしたね。強敵は簡単には倒れない。真理だと思います。今回もとても面白かったです。
ジャンヌの力凄いですね! これは期待大の能力。 続きも楽しみです⸜(*˙꒳˙*)⸝
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ