第13話 グラディアスへようこそ
今回はグラディアスに突入です!
零夜達はワープゲートを通ってグラディアスに辿り着くと、そこは広大な自然が待ち構えていた。
「凄い……」
「これが……グラディアス……」
零夜達はグラディアスの世界観に驚きを隠せないのも無理はない。何故ならモンスターは勿論、ドラゴン、ロック鳥なども存在しているからだ。
更に遠くでは西洋の街並みも見えていて、まさにファンタジー世界その物となっている。
「小説や漫画、アニメ、ゲームなどで知ったけど、こんな世界もあるんだ……」
ミミはポカンとしながらこの光景に見惚れている。今いるこの景色が現実だという事にまだ信じられないのも無理はないだろう。それに関しては零夜達も同じだ。
「ああ。グラディアスは様々な世界感があるし、モンスター達も多くいるからな。それに……お前達の姿も変わっているぞ」
「「「?」」」
零夜達は自分達の服をよく見ると、いつの間にか私服から適性の姿の衣装となっていた。
零夜は忍者服、ミミはブラシャツとオーバーオール、倫子は肩紐のデニムジャンプスーツ、ヒカリは裸オーバーオールだ。
「いつの間に変わっている……」
「この世界では自動的にこれなのね」
ミミ達がグラディアスに来た途端、いきなり服が変わっていた事に納得をする。
そんな中、トラマツはバングルを使いながらウインドウを開き、現在地を示しているマップを確認しながら最初の目的を決め始める。
「今後は放浪の旅をしながらレベルアップになる。その事については大丈夫か?」
「勿論大丈夫!こういう事も貴重な経験だから楽しまないとね」
トラマツからの質問にヒカリは笑顔で応え、それに彼も笑顔で返す。
「了解。まずはホムラの街を目指すとしよう」
「よし!早速向かうとするか!」
トラマツの説明を聞いた零夜達は理解しながら頷いた後、すぐにホムラの街へと歩きながら向かい出した。
※
歩き始めてから数分後、零夜達は林の中に入っていた。そこは普通の場所であり、特に目立つところはなかった。
「取り敢えずは意外と普通ね」
倫子が辺りを見回しながら確認していて、ヒカリは景色を見ながら歩いていた。この様な場所を歩くのは初めてで、見たことのない景色が多くあるからだ。
「うん。私もこの様な場所は初めてだし、空気も美味しくて気持ちいいわ」
「分かります!この様な場所を歩くのはとても気持ちよくて良いですからね」
三人が楽しく話をしている中、零夜は真剣な表情をしながら考えていた。その様子からすればどうやら深刻な事を考えていたのだろう。
(ここから旅が始まったが、仲間達を探すのは一苦労になりそうだ……一刻も早く仲間を集めないと、これから先が大変な事になる……)
零夜が心の中で考えながら歩いていた途端、茂みの中からガサガサと音がする。
すると、茂の中から一斉にモンスター達が姿を現し、零夜達に襲いかかろうとしているのだ。その数についてはなんと百匹以上。
「モンスターが出たか!レベルアップには丁度いいが、種類に関しては?」
零夜達はいきなり出た事に驚いていたが、すぐに冷静に対応して戦う構えに入る。
更に零夜はトラマツにモンスターの情報を質問し、彼はモンスター達を見ながら冷静に確認する。するとモンスター達の情報が分かり、彼は皆に説明を始める。
「種類は水色のスライム、角が生えている白ウサギのツノラビ、後はハヤブサの種類であるファルコスだ」
「なるほど。仲間にできれば良いが、俺はモンスター召喚スキルやハントスキルは持ってないからな……」
トラマツの真剣な表情の説明に零夜は納得するが、仲間にしたら心強いと感じていた。仲間にすれば心強い存在となるが、零夜はモンスターを仲間にできるスキルを持っていない。
零夜が頭を掻きながら戦闘態勢に入ろうとした直後、その話を聞いたヒカリがある事を思い付く。
「もしかすると私達の中でそのスキルを使える者がいたら、できるかも!」
ヒカリの提案に皆が彼女の方を向き、その提案にミミ達は納得の表情をする。零夜がモンスターハントのスキルを持っていないのなら、自分達がこのスキルを持っている事があり得るからだ。
「このアイデアはありかも知れないわ!仲間にしたら心強いし!」
「じゃあ、皆で確認してみるわね。あるといいんだけど……」
ヒカリ、ミミ、倫子はバングルを押してウィンドウを開き、そのままステータスを確認する。
春川ミミ
レベル2
武器:リングブレード☓2
スキル一覧:回復の舞、属性剣術、トラップ設置、ショータイムダンス
藍原倫子
レベル2
武器:ウィザードガントレット
スキル一覧:属性攻撃、ガードバリア、跳躍力、魔法の筆
国重ヒカリ
レベル2
武器:剣と盾
スキル一覧:モンスター召喚、モンスターハント、属性剣術、回復術
「私は流石に無かったかな……」
「私も……欲しかったのに……」
ミミと倫子もモンスタを仲間にできるスキルがなく、がっくりと項垂れてしまう。しかし、ヒカリはモンスターを仲間にできるスキルがある為、彼女は安堵の笑みを浮かべていた。
「良かった……私ならモンスター達を仲間にする事ができるわ!ここはあの技を使ってみないと!」
ヒカリはすぐにある技を思いついた直後、彼女は両手でハートの形を作り、息を吸い込んで笑顔の表情で技を発動する。
「マジカルハート!」
ヒカリの両手からハートの光線が発射され、一匹のスライムに直撃する事に成功。この様な事ができるのは、歌のお姉さんとしての優しさがあるだろう。
すると、スライムはピョコピョコと彼女に近付き、地面を平行にしながら一礼をした。
この様子だと彼は仲間になる事を決断しているに違いない。
「まさか成功するとは驚いたわ。これから宜しくね」
ヒカリが満面の笑顔でスライムに応えた直後、彼はスピリットとなってヒカリのバングルの中に入った。
「成功したわ!」
「「やった!」」
ヒカリの笑顔のVサインにミミと倫子は抱き合いながら喜び、零夜、トラマツ、ノースマンは感心しながら頷く。ヒカリのモンスターハントが成功した事で、召喚士としてのスキルも開花したのだ。
「凄いじゃない!他に仲間にしたいモンスターはいるの?」
「ファルコスとツノラビを一匹!今のところはそのくらいかな?」
「よし!残りは倒しておかないとな!」
ヒカリからのリクエストに零夜達は納得したと同時に一斉に駆け出し、残りのモンスター達を倒しに向かい出した。
戦いの行方は今後どうなるのかに注目です。
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