第１４１話 バーサークの最期
バーサークとの戦いに終止符が打たれます！
バーサークとの戦いは終盤戦に入っていて、敵はミサイルランチャーとレーザーガンを失ってしまった。攻撃手段がない以上、防御に徹するしか方法はないだろう。
「バーサーク、武器まで壊れたとなると、そろそろ潮時じゃないのか？」
それを見たアルビダがバーサークに挑発してくるが、彼はニヤリと笑いながら多くの柿を取り出した。戦士達を倒す為に進化しても、本来の戦い方は永久に忘れてはないだろう。
「馬鹿にするなよ？レーザーガンが無くても、俺には柿がある！覚悟しろ！」
バーサークが柿を取り出して投げようとするが、フリード、ライカ、夢子、アナが背後から彼に襲い掛かる。
「隙だらけだ！ウインドアロー！」
「神風剣舞！」
「オーロラビーム！」
「エアロストーム！」
フリードの風の弓矢、ライカの影の剣舞、夢子の氷魔術、アナの風の魔術がバーサークに炸裂。そのまま敵の尻尾を切断し、結合崩壊のダメージを与えた。
「があああああ！こ、こいつ等……」
バーサークが痛みで悲鳴を上げてしまい、風子は零夜達に視線を移す。
「ここは合体技で勝負を決めるぞ！すぐに配置につけ！」
「「「了解！」」」
風子の合図と同時に、全員がそれぞれの配置に動き始める。まずはルリカ達とプリンセスヴァルキリーズの十五人がバーサークを取り囲み、バーサークの足元に魔法陣を展開する。
「皆さん、魔術を出す際は集中してください！そうすれば必ず威力が上がります！」
「「「はい！」」」
夢子の合図にルリカ達はそれぞれの魔術を発動させ、集中力を高め始める。そのまま魔術の威力が最大限に高まったその時、彼女達の合体攻撃が発動した。
「「「ユニゾンレイド！」」」
「くっ！なんて光線だ！」
ルリカ達の手から強烈な光線が発射され、バーサークに激痛の大ダメージを与える。しかし、彼は鎧のおかげでダメージは半減されていて、なんとか持ち堪える事が出来たのだ。
「鎧のおかげて助かったが……あれ以上の攻撃を喰らったのなら……もう……持たないかもな……」
バーサークが安堵のため息をついた後、苦笑いしながら鎧に視線を移した。すると鎧に罅が入ったと同時に、亀裂が素早く進んでいく。そしてガラスの様に破壊されてしまい、光の粒となって消滅してしまった。
「鎧が壊れました！皆様、後はお願いします！」
「任せて！皆の思いは無駄にしないから！」
夢子の合図でエヴァが駆け出し、バーサークを両手で軽々と持ち上げる。彼女による本来の怪力発揮で、どんな怪物でも投げ飛ばしてしまうのだ。
「せーの！」
「ひょええええええ!!」
エヴァはバーサークを上空へ投げ飛ばし、彼はあまりの恐怖に悲鳴を上げてしまう。同時にアミリス達が一斉に空を飛び始め、最大の連携技「エイト・スレイヤー」を発動させようとしていたのだ。
「まずはこいつよ！ガトリングアロー！」
アミリスの弓矢による連続射撃が決まり、バーサークの背中に多くの鏃が突き刺さった。鎧を破壊されたとなると、効果は抜群に近いだろう。
「まだまだ！断罪一閃！」
ヒカリの断罪の剣による一撃も見事決まり、更にダメージも蓄積されていく。
「こいつは痛いぜ！煉獄斬撃！」
ソニアは新技を披露しつつ、強烈な炎の斬撃をバーサークに与える。敵を火だるまにできない代わりに、炎の威力を強めている。それによってかなりの大ダメージを与える事が出来るのだ。
「これはおまけよ！水神演舞！」
「参ります！ホーリーストライク！」
「ウチも行くで！ストライクキャノン！」
ミミとジャンヌ、倫子の連携攻撃も見事炸裂し、ラストは零夜と風子が止めを刺しに向かう。二人は村雨を構えながら跳躍し、刀身にオーラを込めて振り下ろそうとする。
「バーサーク！これがお前の最期だ！続きは地獄で詫びてきな！」
零夜はバーサークに対して宣言し、風子も同意しながらギロリと睨み付ける。これ以上野放しにする事はできない以上、殺すしか方法はないだろう。
「待て！頼むから命だけは……」
「「快刀乱麻！」」
「ぎゃあああああああ!!」
バーサークの命乞いも虚しく、零夜と風子はバーサークを真っ二つに一刀両断で切り裂いてしまう。最凶最悪の怪物の哀れな最期であり、自業自得と言えるだろう。
零夜と風子が素早く地面に着地したと同時に、バーサークは素材とお金となって地面に落下。同時に戦いも終わりを告げられたのだ。
「バーサークは消滅した！任務完了！」
「「「やったー！」」」
零夜がガッツポーズで叫んだ直後、ミミ達が喜びながら彼の元に駆け付けてきた。そのまま零夜を取り囲んで抱き合い、自分達でバーサークを倒した事、全員生き残る事が出来て嬉しさを感じていたのだ。
「零夜、やったんだね……」
「ああ！俺達だけじゃない。風子さん達もいたからこそ、バーサークを倒す事ができたからな」
ミミは目に涙を浮かべながら喜んでいて、零夜は笑顔で返しながら彼女の頭を撫で始める。すると、この様子を見ていた風子達も零夜達に近付き、ニッコリと微笑んでいた。
「一時はどうなるかと思ったが、合体技も成功して無事に倒す事ができたな」
「ええ。俺達が力を合わせて立ち向かったからこそ、今に至る事ができた。あのバーサークを倒したのが証拠ですからね」
零夜が指差す方を見ると、バーサークの素材と金貨をライカが持っているのが見えた。この二つこそバーサークを倒した証拠である為、零夜達は一人前の戦士として成長していたのだろう。
「そうだな。今後はライバル関係となるが、トーナメントで相見えた時は全力で行かせてもらう！」
「こちらこそ負けませんよ！」
零夜と風子はガッチリと握手を交わし、お互いヒーローズエイトを決めるトーナメントに出場する事を約束。それを見ていたミミ達は微笑んでいたのだった。
※
「チッ！バーサークが倒れたか……」
遠く離れた場所にある岩山の上では、神室が舌打ちしながらバーサークが倒れた事を聞いていた。今回の件で零夜達のブレイブペガサスだけでなく、風子率いるプリンセスヴァルキリーズも侮れない存在となってしまった。こうなるとアークスレイヤーとしても対策を練らなければ、次々と戦力を減らされてしまうだろう。
「奴等は手強いのは知っている……だが、俺達はここで終わらせない……それが例え茨の道だとしても、この腐りきった世界を破壊するまでは……」
神室は拳を強く握りしめながら呟いた後、その場から転移して姿を消したのだった。
バーサーク撃破！同時に戦いも新たな方向に向かいます！
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