第139話 バーサークの恐怖
バーサークとの戦いがスタートです!
バーサークの姿に零夜達は驚きを隠せずにいたが、目の前の敵に対して真剣な表情で切り替える。たとえどんな手強い相手でも、立ち向かわなければ戦士として失格であろう。
「ベルセルクの真の姿なら、俺達は何が何でも立ち向かうしかない。当然逃げる事はできないからな」
零夜は村雨を構えながら真剣な表情をしていて、それに風子も同意しながら頷いていた。
「零夜の言う通りだ。私達はこの程度で引かないだけでなく、その先に視線を移している。負けてしまったら、アークスレイヤーを滅ぼすのは夢のまた夢だろう」
風子は真剣な表情をしながらその先を見つめていて、ここで倒れない為にも冷静になる。バーサークは更に上を行く為の難関の試練でもあり、エルフの森などを守り切れるかの重大任務でもある。しかし、数十年前とは大違いである為、そう簡単には倒させてもらえないだろう。
するとバーサークが息を吸い込んだと同時に、光のブレスを零夜達に向けて放ってきた。
「ブレスだ!躱せ!」
ソニアの合図で全員が回避するが、その吐息から臭い匂いが漂ってきた。しかも、何処かで嗅いだ事がある匂いだ。
「何?この臭い匂いは……」
「ニンニクの匂いがする……なんか嫌かも……」
エヴァとルリカが臭い匂いに鼻を摘んだ直後、アミリスが真剣な表情でその匂いを察し始める。
「こいつ……ニンニク増しの餃子をいっぱい食べていたわ!しかも、大量に……」
「だからプレスが臭いのね……皆、ガスマスクを!」
キララの合図で彼女達はガスマスクを装着するが、零夜は平然としていた。彼はニンニクなど既に慣れているだけでなく、好物でもあるのだ。
「俺は全然平気だぜ!ニンニクは大好物だからな!」
「まさかニンニクが平気な奴がいるとはな……なら、これでどうだ!」
バーサークは全身の毛を針の様に逆立て、そのまま零夜に向けて発射する。それはミサイル針其の物だが、威力は効果抜群である。あまり多く受けてしまうと、ハリネズミどころか死んでしまう恐れもあるのだ。
「させるか!忍法変わり身の術!」
零夜は身代わりを用意して回避し、針は身代わりに命中。そのまま身代わりは爆発を起こし、辺り一面に煙が込められていた。
「ゲホッ!ゴホッ!変わり身を使うとは……何処に行った!?」
バーサークは煙で咳き込んでしまい、辺りを見回しながら零夜を探していた。忍者は煙玉を使用して相手の視界を遮るだけでなく、隙を突いての攻撃や逃亡も可能なのだ。
すると零夜がバーサークの背後から襲い掛かり、村雨を闇の刀「深淵」へと変化させた。その見た目は刀身がとても黒く、闇のオーラを纏っている。まさに危険な妖刀と言ってもいいぐらいだろう。
「隙ありだ!鎌鼬!」
「がっ!」
「からの……手裏剣乱れ投げ!」
零夜の強烈な闇の斬撃は、バーサークの尻尾にダメージを与えた。更に追い打ちを掛ける様に、手裏剣を敵の背中に当てる。まさに見事なコンビネーションと言ってもいいだろう。
「くそっ!よくも俺の尻尾に傷をつけたな!全身発火で倒してやる!」
バーサークは怒りを滲ませながら全身から炎を出し、接近しようとする零夜達を近付けない様にする。そのまま突っ込めば自殺行為と言えるが、水魔術を使うマーリンは大違いである。
「この様な炎は私に任せて!アクアストーム!」
マーリンは両手から水の竜巻を召喚し、バーサークに竜巻のダメージを与えていく。同時に水によって炎も消えてしまい、あっという間に鎮火してしまったのだ。
「テメェ、俺の炎を消しやがって!余計な事をするな!」
「アンタが炎を出すのが悪いでしょ!山火事になったらどう責任を取るのよ!」
竜巻を喰らったバーサークはいちゃもんを付けるが、マーリンは正当な理由で反論する。確かに炎を出していれば山火事になりそうなので、早めに鎮火しなければならないのだ。
「ええい!こうなったら奥の手だ!フルバス!」
ヒュルセルクは指から光線を発射し、そのままヒカリに命中して煙が出てしまう。
「キャッ!」
「ヒカリさん、大丈夫ですか!?」
ジェニーがヒカリの元に駆け寄った途端、いきなり煙が晴れてきた。全員がヒカリに視線を移した途端、いつの間にか彼女の服が変わっていたのだ。
「あれ?ナース服?」
「「「へ!?」」」
「無事でしたが……服変わっているのは驚きです……」
なんとヒカリの衣装は裸オーバーオールからナース服へと変わっていて、この光景にミミ達は唖然とする。ダメージを受けてなかったのは良かったが、いきなり服を変えられたのは想定外と言えるだろう。
「どうだ?フルバスは相手の服を変える事ができるのだ!ズボンスタイルばかりじゃ飽きる人もいるからな!」
「できるのだじゃないよ!何考えてんだバッキャロウ!!」
「ぶへっ!」
零夜のツッコミパンチはバーサークの顔面を捉え、敵は地面に墜落して不時着してしまう。あんな攻撃をしたら誰だって殴り飛ばされるのは当然だが、下手したら警察行きとなる事もあり得るのだ。
「あっ、元に戻った」
「良かったですね」
バーサークが倒れたと同時にヒカリの衣装も元に戻り、それにジェニー達も安堵のため息をつく。人の衣装が突然変化すれば誰だって驚くのは勿論、中には人が嫌がる衣装もあるのだ。
特にヒカリは歌のお姉さんなので、彼女にナース服を着せるのはどうかと思う。だからこそ、今の姿である裸オーバーオールがとても似合うのだ。
「お前な!くだらない魔術をかけて何の特があるんだよ!」
零夜は怒りの表情でバーサークを睨みつけながら、くだらない魔術を指摘する。今の様な魔術は流石にどうかと思うだけでなく、大馬鹿者のやる事だと感じているのだろう。
「うるさい!俺はズボンよりもスカート派なんだよ!パンチラとか見えたら最高じゃないか!」
「そんな理由でくだらない魔術を掛けるな!」
「あべし!」
零夜は怒りの蹴りをヒュルセルクの脳天に叩き込み、追加の大ダメージを与える。人の服を魔術で変えるのはいたずらっ子のやるべき事だと思うし、最終的には殴り飛ばされてしまう。まさに自業自得というべきだ。
因みに零夜はパンチラとかが苦手なので、ズボン派となっているのだ。
「元に戻って良かったけど……くだらない魔術を掛けられたのなら、こっちも反撃しないと!」
「そうですね。やられたら倍返ししましょう!」
ヒカリは安堵しながらも気を引き締め、ジェニーも頷きながら同意する。そのままヒカリ達は気を引き締めながらも、戦闘態勢に再び入ったのだった。
人の服を変えるのは止めましょう。警察に連行される事もありますので。
因みに自分はオーバーオールやジーンズのデニム系が好みです。
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