第135話 予想外の大展開
今回から主人公サイドに戻ります!
アルフェリア支部基地が破壊される数分前、零夜達はエルフの森に帰還して身体を休めていた。アルバータドラゴンとの戦いはかなり厳しかった為、疲れやダメージの痛みが伴うのも無理ないのだ。
「いつつ……手強い敵だったからな……」
零夜は美津代からの治癒魔術を受けつつも、自力で体力と傷を治していた。彼の自力での治癒能力は限度があるので、治癒術を使える者のサポートが無いと完全回復は難しいだろう。
「そうね。けど、アルバータドラゴンを倒しただけでも良かったじゃない。皆の力があったからこそ、今があるわ」
「そうですね……」
零夜が苦笑いしながら治療を受ける中、エアロは倫子にスリスリと寄り添っていた。彼女を親と認識した以上、この様な仕草をしてしまうのも無理ないだろう。
「キュルル!」
「エアロったら、甘えん坊やね。よしよし。ええ子ええ子」
倫子は苦笑いしながらも、エアロを抱きながらよしよしとあやしていた。この光景を見ると親子の様な感じがするが、一部から見れば羨ましさで嫉妬する者もいるだろう。
「新たな仲間も増えましたけど、皆が聞いたらビックリ仰天ですよ……」
「まあ、その事に関しては早めに伝えないとね。レスラーとしても共に行動する予定だから」
「「「はぁ……」」」
倫子のウインクしながらの提案に、零夜達は苦笑いするしかなかった。すると、フリードが慌てた様子で零夜達の元に駆け付けてきた。
「フリード、どうしたの?」
アミリスが心配の表情でフリードに視線を移すと、彼は呼吸を整えながら全員の方を向く。どうやら何かあったに違いないだろう。
「いきなり囚われの奴隷達が姿を現した!しかも、本来の姿に戻っているぞ!」
「「「えっ!?」」」
フリードの説明に全員が驚きを隠せないまま、外に出て彼が指差す方を見る。そこには多くの囚われていた元奴隷達が多くいて、いきなりの展開に動揺を隠せずにいた。おまけに武器や服も元に戻っているとなると、奴隷から解放されたのだろう。
「なんでこんなところに奴隷達が?」
「いや……俺にも分からないが……」
エヴァの質問に対し、フリードは頰を掻きながら知らない表情をしていた。この事態に関しては彼も想定外と感じていて、いきなり転移して出てくるのはあり得ないと言っても良いだろう。
この光景を見た風子は真剣な表情で推測し始める。
「これは私の推測だが……アルフェリア支部基地が大変な事になっていると思うぞ」
「アルフェリア支部基地が?」
風子の推測に夢子達がアルフェリア支部基地に視線を移した途端、基地から黒い煙が出ているのが見えた。現在はベルセルクの暴走によって、兵士達が次々と倒れているのだ。
「黒い煙……支部基地が大変な事になっているなんて……千里眼で調べてみるわ!」
アミリスは自身のスキルである千里眼を発動させ、アルフェリア支部基地の様子を見てみる。基地の中を千里眼で覗くと、兵士達がベルセルクに立ち向かおうとしているのだ。
「ベルセルクの暴走により、ヒューラーは殺されていたわ!統率力も大幅に下がってどうしようもできないけど、残りのメンバーでベルセルクを倒しに向かおうとしているみたい!」
「「「ええっ!?」」」
アミリスからの報告にその場にいる全員が驚きを隠せず、いくらなんでも無謀さを感じている。しかし、奴隷達を巻き込まない為にも、その場から転移させたのは見事としか言えないだろう。
「兵士達でベルセルクに立ち向かうなんて……いくらなんでも無謀過ぎます!」
「自殺行為にも程があるけど、共倒れすれば任務完了ね」
ジャンヌは無謀過ぎると兵士達の行動を批判するが、マリーは共倒れしてくれる事を少し願っていた。兵士達とベルセルクが共倒れすれば、任務完了だけでなく、エルフの森の被害も無くなる。
しかし、ベルセルクはかなりの強敵なので、普通の攻撃では効果ない。選ばれし戦士達でも苦戦するレベルであるのは間違いないだろう。
「だが、敵を甘く見るな。兵士達だけではそう簡単に倒せると思ったら……」
トラマツが言い切ろうとした直後、突然アルフェリア支部基地が大爆発を起こした。ダイナマイトが爆発した事で兵士達やベルセルクだけでなく、基地まで巻き込んでしまったのだ。
「基地が爆発した!」
「終わったのかしら……」
全員が驚愕の表情で爆発した基地に視線を移し、基地はそのままガラガラと崩れていく。その中にはベルセルクまで巻き込まれていたので、事実上死んだ可能性があり得るだろう。
「まさか兵士達がやってくれるなんて……」
「だが、嫌な予感しかしないわ。ベルセルクはこんなところで倒れないんだから」
美津代はポカンとしながらこの光景を見ていて、キララは真剣な表情で嫌な予感がすると推測する。すると、その推測は見事敵中し、爆発の中からベルセルクが姿を現したのだ。
「あーあ、熱いな……」
「「「へ?」」」
ルリカ達はベルセルクに視線を移すと、なんと彼は無傷で立っていたのだ。しかもダメージはあまり効果なく、無駄死にと言っても良いだろう。
「やっぱりか……ベルセルクとの戦いは……避けられそうにないかもな……」
零夜は覚悟を決めながら前を向いたと同時に、すぐに武器を構えて立ち向かおうとする。ダメージは既に完治していて、何時でも行ける状態だ。
更にマリー達も既に回復を終えていて、全員出撃が可能となっているのだ。
「リリアンヌ、奴隷達を安全な場所へ!」
「分かったわ!皆、こっちよ!」
リリアンヌは空を飛びながら元奴隷達に近付き、彼女達を連れて安全な場所へと避難させる。同時にワープゲートも姿を現し、元奴隷達は次々と迷わず飛び込み始めた。
因みにゲートの先は零夜達の世界なので、今後はクロエ達が元奴隷達の面倒を見るのだろう。
「俺、トラマツ、美津代、サンペイはエルフの森の守りに専念する。他はベルセルク討伐を頼む!」
「任せてくれ。必ず任務を果たすのみだ!」
ノースマンからの指令に零夜が代表して頷きながら応え、そのまま彼等はベルセルク討伐へと向かい出す。
過去に戦ったベルセルクとは強さが違うが、この討伐は選ばれし戦士達の実力が試される。ブレイブペガサスとプリンセスヴァルキリーズは一斉に空を飛びながら、ベルセルクの元へと向かったのだった。
零夜達はベルセルク討伐へ。果たしてどうなるのか!?
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